第14話 海鳥 エトピリカ

 美しい海鳥エトピリカ

今度は海鳥のお話をしましょう。

北海道には島が点在しています。

海鳥もその島で生息しています。中でもかわいい姿をしたエトピリカが有名です。

アイヌ語で「美しいくちばし」と言う海鳥です。今、この鳥も絶滅にあるのです。体長はすずめより一回り大きく頭の羽根が後ろになびき飛んでいるとその毛が冠(かんむり)に見えるのです。飛び方も他の鳥とは少し違います。体長が短いので鳥らしくはないのです。なにか、ひょうきんな姿で飛んでいるのです。でも、とても愛嬌(あいきょう)があり親しみがわいてきます。この鳥は海中にもぐって魚をとります。餌は小魚です。海中にもぐるにはとても危険があります。第一に人間が仕掛けた網に懸(かかり)命を落とす事があるのです。それから、オオワシやオジロワシに襲われる事も多いのです。島に営巣地(えいそうち)を持っている事は、キツネや犬などに襲われる事からさけるためでもあります。


島の断崖絶壁(だんがいぜっぺき)に巣を作ります。春にはオス・メスがペアリングして新しい巣を作ります。巣穴には三個ほどの卵を産みます。近くには、カモメの営巣地があり卵はカモメから絶えず狙われているのです。絶壁の中間はカモメが近づけません。そんな理由で巣を作っているのです。大変、おりこうな、野鳥なのです。卵は三週間程でヒナになります。生まれた時は、白い毛でおおわれています。巣立ちが近くなると羽毛が大人の毛の色である褐色(かっしょく)になります。外敵から身を守る保護色(ほごしょく)に変身するのです。

初飛行(すだち)は、約三十メートルも高さがある巣から海に向って飛び出すのです。人間ですと気絶してしまいます。親は海面で幼鳥が飛び降りるのを待っています。そして、海中にもぐって餌をとる訓練を教えます。幼鳥も真剣に親の言うことを聞きます。餌がとれないと死が待っている、自然界の、おきてなのです。


現在、北海道にはエトピリカは数羽になりました。絶滅種に指定されてもおかしくありません。

北海道根室管区の離島モユルリ島に生息しています。(2010年現在)

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