人と接することは、誰かを傷つけることかもしれない

アノレキシア、それは、拒食症のこと。
日芽子さんと月子……月彦さんの、葛藤を描いた恋物語です。
しかし、これはただの恋物語ではありません。現代病と言われている病を取り上げ、深掘りされたとても興味深い物語です。

「普通」に生きることの難しさ、他人との距離の取り方、親子とはどんな関係で保てば良いのかなど、副題と言うのでしょうか、さまざまなことを考えてしまいます。
認められれば、楽になるのでしょうか?
でも、求められるとは具体的にどうすれば良いのか、認められた先はどう生きたら良いのか、と、読み進めるたび自分の中の今まで持っていた価値観が変わっていくのがわかります。
医療系や心理系など、さまざまな知識がないとここまでしっかりとしたストーリーは作れません。その緻密さに脱帽しながら読んでいます。

どうか、日芽子さんと月彦さんさんが笑って過ごせる、幸せだと感じる最後を迎えられるよう、願いながら続きも読んでいこうと思います。
この危うさ、癖になりそうです。

息苦しいと思うことがある人…人間関係に四苦八苦している人に特に読んでいただきたい作品です。

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