第36話
突然ですが今日はお引越しの日です。
アレから何度もルッカ様に口説かれ?(咲百合をお兄様のお子様たちと教育を受けるお話よ?)根負けして今後もお世話になる事になったのと、伯爵様になったルッカ様は馬車でスグの(30分程)お屋敷にお引越しとの事で私たち親子も一緒に移り住む事になってしまったのよね。
ひとまずロン君とウィスター君は独立しても良いわよと言う話をして有るのでもう少し公爵家でジャンさんに料理を教えたらそれぞれマイク様とタスマニアさんの元に戻ることになったので少し肩の荷が降りた気がするわ。
「ユーコ?荷物はこれだけかい?」
数ヶ月とは言えお世話になった別邸のサロンでのんびりお茶を飲んでいるとルッカ様が覗き込んできてちょっとびっくりしちゃった。
「あっ、はい。ほとんどルッカ様から頂いたドレスですね。」
そう、ここに来てから公爵家の皆様と晩餐にお誘いされたりとする機会がありドレスをプレゼントされたのだけれども、正直数着で良かったのに多分50着くらいあると思うのよね。
咲百合のも入れたら100着は超えてしまうの。
必要な分は助かったのだけれども多すぎてまだ袖を通していないものも沢山あるのよ。
「今日のドレスも素敵だよ。」
満面の笑みで満足そうに眺めてくるのだけれども最近キラキラスマイルが慣れたのかとても優しく見えるわ。
「まだ着てないものの方が多いのでこれ以上は増やさないでくださいね。」
高位貴族は1度来たドレスは2度は着ないとかラノベで書いてあったけれども本当の事だったのね。
私は流石にそういう事はしないけれども晩餐用の服はまだ袖を通していないのがある限りは失礼にならないようにも兼ねて同じものはまだ来ていないのだけれども普段のドレスは何度か着るようにして居たのだけれども気づくとドレッサーに新しいのが増えていて奥の手を使ったのよね。
「ユーコを着飾るのはとても楽しいのでもっとしたいのですがユーコの料理が食べれなくなるのはゴメンなので我慢するさ。」
そう(笑)
もう料理食べさせませんよ?と脅しちゃいました。
ちょっと卑怯かもしれないけれども胃袋はしっかり握っていると自負しているのでこの手を使えるけれども、恋人や夫婦じゃないのに胃袋をつかむってなんかおかしいわね。
「でも今度は宝石を送らせてくれるかい?」
最初の頃は宝石も晩餐用ドレスと同じくらいプレゼントとされたのだけれども10個を超えた時点でお断りしたのよ。
多少は付けないとマナー的な問題がと言うので受け取って借りるだけですと何度も伝えてやめてくれたと思ったのに困ったわ。
「宝石も私には必要無いのでお借りしているもので充分です。」
こういうのはハッキリ言わないといけないから。
「あはは、相変わらずそういうことろは律儀だな。でも今回のは貸すでは無く受け取って欲しいのだよ。」
「でも…」
「来週はユーコの誕生日だからね私からのプレゼントだから断らないで欲しいというお願いさ。」
うっ、困ったわ。確かにこの世界に来て誕生日が分からないのでこちらの世界に来た日基準にだいたいこの辺が誕生日としてしまってそこから咲百合の誕生日も大体で計算して誕生日としてしまったので私の誕生日が来週ということになっているの。
「でも、家族でもないのにそんなに高価なものをいただく訳にはいきません。」
「まったく本当にそういうことろは頑固だね。でも今回は私も受け取ってもらうまでは諦めないからそのつもりでいてくれ。」
そういって颯爽と部屋から出ていったのだけれども。
きゃぁーなんなんですかその流し目は、社交界のご令嬢を虜にしていると噂のルッカ様の流し目の破壊力は半端ないわね。
私は子持ちだし、身分違いでこうやって気軽に話が出来ていること自体がある意味奇跡なのにこんな素敵な王子様みたいな男性にそんな事されたら年甲斐もなく夢を見てしまいそうだわ。
最近ルッカ様との距離が近すぎるので勘違いしそうになるわ。
そのうちルッカ様も奥様を貰うだろうしその時はちゃんと家を買って独立しければ行けないわね。
そんなことを考えながらなんだかモヤモヤしてしまうのは気のせいと言い聞かせる由布子だった。
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「なんだあのキザ野郎は」
サンクートは由布子の様子を見ていると最近ちょっかいかけているルッカがあまり気に入っていない。
「確かに由布子一筋だし、あの子のためにならない事はしないがあれだけの好物件だと由布子が逆に苦労しそうだな。」
由布子に不利益な事はしないので特に何かするわけでは無いのだがなんとなくルッカの事が気に入らないサンクートなのだった。
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