第34話
私はこの世界に来た経緯を2人に話し終えたあとしばらく2人は今聞いた話を理解しようとしているのか真剣な顔をして考え込んでいるようにも見えるのであえて声はかけずしばらく待つことにしたのだけれどもやっぱり理解し難いわよね。
私が同じ話を現代日本でされても頭のおかしい人としか思わないと思うし、ましてこの世界の創造神とされているサンクート様が私をこの世界に連れて来たという話は教会関係者が聞いたら神への冒涜とか糾弾されてもおかしくない話よね。
でも本当のことだしサンクート様の特別性のアイテムボックスも披露して見たり日本から持ち込んだ荷物の1部も見てもらったので信じてくれているとは思うのだけれどもやっぱり混乱はしてしまうでしょう。
「ユーコ、貴女が作る料理や色々話してくれた物はそれが当たり前のようにある世界から来たからしっていたですね。」
しばらくしてようやくジョバンニ様が口を開く。
「はい、あくまでも私の好きなのようにこの世界で生きていけば良い、でも出来るならばこの世界の料理事情を改善して貰えたら嬉しいと頼まれていますので正直私の腕前はプロでは無いのですが少しでもサンクート様のお役に立てればと思って料理をロン君やウィスター君に教えることにしたんです。」
「まるで想像がつきませんね。今までユーコさんが作ってくれた料理は王都でも食べれない程の素敵なものばかりなのに腕前がプロでは無いと言うならどれほどの発達した世界なのでしょうか…」
タスマニアさんも今まで私の料理を絶賛してくれていたのにプロでは無いと伝えた事に驚いているわね。
「ですから私の力ではなく以前居た世界の知識を使っているだけなので私はなにもすごくはないのでなんとも言えないですがサンクート様は咲百合とのんびり過ごしながらついでに料理の発展に手助けしてくれたら嬉しいと言われただけなので正直たいしたことはして無いです。」
謙虚とかそういうつもりは無いけれども、自分の考えたものでは無いのに手柄になっているこの感じはなんとなく申し訳なく思ってしまうわね。
「過去に熱心な教会の司教様がサンクート様からお言葉を貰った事はあるのだがこの場合はどうするべきか、教会も最近はロクでもない者もいるなかで向こうに保護させられたらユーコさんやサーユを使い潰すだろうし、コレは慎重にならないといけないね。」
普段キラキラスマイルを振りまいているジョバンニ様の真剣な顔に思わずドキッとしてしまうが、日本でアイドルのファンになった気分ってこんな感じだったのかしら…
そんなトンチンカンな事を考えている由布子だったが、実際はフラグ的なものだったりするかもしれない…
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「由布子…貴女はお人好しすぎる。」
その様子をこっそり見ていたサンクートは半ば呆れつつもジョバンニやタスマニアが由布子を悪用するのではなく守ろうとする気持ちがある限りは見守ろうと思っているがなにか不都合があるようならスグに神罰を降してしまおうかとチョット物騒なことを考えていることにはもちろん由布子は知らないのだった。
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