第33話 奇跡を望むなら
カウンセラー室のカーテンに、マンティコアが最強キマイラに物凄い握力で抱きしめられている映像が映し出されている。その映像を映しているのは、悪魔のテディベアの眼だ。
「これでマンティコアは終わりだ。ざまぁみろ」
「何て酷いことを……」
※※※
放課後、
「す、すみません。ちょっと聞いてほしいことが……」
「あら、
「自分なりに楽しく授業してるのに、前の先生が良かったと言われ、どんどん眠る子や私語を発する生徒が増えて、自分は教師向いてないんですかね……」
彼女はうつむいて今にも泣きだしそうな顔だ。
「あなたの授業、全員聞いてないの?」
「いえ。何人かはしっかり聞いてます」
「なら、その子たちに届くよう、真剣に教えていけばいいわ。クラス全員が集中する授業なんてないもの。もし、生徒の態度が悪すぎたら、担任の先生や学年主任に言ったらいいし」
「は、はぁ、なるほど」
「ましてや、あなたは1年目。ベテランの先生がどんな授業をするか、どんどん見学して吸収していけばいいんじゃない?」
「あー、わかりました。ありがとうございます!」
「いつでも気軽に来てちょうだいね」
彼女は笑顔になり、軽やかにカウンセラー室を去って行った。それから、何度か世間話をしにやって来ている。
※※※
「彼女を助けたい、助けたい、助けたい……」
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます