第27話 最強キマイラが来る!!

 髪の毛と尻尾が燃え盛る火魔ひま先生は、アイス・ビーストとリザードマンを正座させて、尋問を行った。



「何でモンスターになれたか、言いなさい」


「はいい……。さっきカウンセラー室に行ったら、悪魔のテディベアがいて、モンスターになってマンティコアを倒せと言われまして」


「俺らマンティコアに被害を受けてて、とっても復讐ふくしゅうしたくって、そいつの誘いに乗っちゃったんです」



 悪魔のテディベア? また変な新キャラが出てきたものね。



「全く。里佐土りさど君はともかく、教師のあなたが悪魔の誘いに乗るとは情けないですよ!」


「はい。面目めんぼくありません……」



 アイス・ビーストはうなだれて、今にも泣きだしそうな顔だ。火魔ひま先生に怒られた生徒は、ほとんど生気を失うらしいからね。くわばらくわばら。



「では、2人とも、満地まんち先生に謝りなさい」


「「ごめんなさい!!」」



 2人は土下座に近い形で謝った。私が「大丈夫よ」、「もういいよ」と言っても、2人の頭は上がらない。炎狐が腕を組んでずっとにらんでいるからだろうか。



火魔ひま先生、もうそこらへんで勘弁してやって下さい……」


「む? そうですか。2人とも頭を上げい」



 2人が頭を上げようとした刹那せつな、私の体が宙に舞った。



「ひでぶっ!」



 何が起きたかわからない。ただ、自分のシックスパッドがクレーターのようにへこみ、転落防止フェンスへ飛んでいった。



「誰だ、君は!?」



 さっきまで私がいた所に、上半身がハイエナ、下半身がシャチ、猛禽もうきん類の翼を持つキメラが立っていた。私以上に筋肉モリモリで、ずっと笑っている。えらい気色悪い……。



「なっ、何だ、このキメラは?」


「君もあのクマにそそのかされたのか?」


紀米良きめら? 違うな……、俺様は最強キマイラだああああああああああ!! フハハハハハ!!」



 最強キマイラは天に向かって大笑いする。突然の彼(彼女?)の出現で、和やかムードが一変し、殺気が満ち溢れてきた。



(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る