第21話 炎狐VSリザードマン

「行くぞー!」



 炎狐(火魔ひま先生)は深く長く息を吸ってから、一気に大きな炎をリザードマン(里佐土りさど)に向かって吐いた。リザードマンは瞬時に水のバットを出して、炎を消した。



「中々やるなぁ」


「へへっ。俺は150キロのボールを打てる強打者でもあるぜ」



 炎狐は尻尾の先を股間からへその前へ出し、炎の勢いを強める。火炎放射器のように、炎をぶっ放した。



「おっと、あぶねぇ」



 リザードマンはさっとよけ、水のボールをたくさん作る。投げる時間はないと判断し、水のボールを水のバットで打ちまくった。水のボールは次々と炎狐の腹筋に当たり、弾けて白毛に血を混じらせる。



「どうです、俺のノックは? 上手くなったでしょー! ハハハハハ」



 リザードマンは二又の舌を出して大笑いする。



「た、確かにな」



 炎狐は腹を押さえながら、ヒゲを震わせて笑う。教え子の成長に喜びつつも、どう倒すか頭の中で作戦を張り巡らせているのだ。



(続く)

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