第20話 マンティコアVSアイス・ビースト

「行くぞー!」


「はいっ!」



 私はアイス・ビーストの方へ猛ダッシュ。アイス・ビーストは私の足を狙って氷を吐いてくる。私はコウモリの翼を広げて飛んだ。屋上の床が再びスケートリンク状に変わる。



「こしゃくなぁ!」



 今度は、飛行中の私の顔目がけて、氷を吐いてきた。これも右に左によけて、彼の鼻にマンチパンチ! 鉄球が壁に当たったような鈍い音がして、彼はあおむけに倒れた。



「やったぁ!」



 火魔ひま先生の言う通り、アイス・ビーストは鼻が弱点だった。私はスケートリンクに降りてバンザイポーズを繰り返す。



「ムフフ、ムッフー」



 アイス・ビーストがのっそりと立ち上がる。鼻血を舐めた彼の目がギラギラしている、アザラシを見つけたシロクマのように。パンチ一発ではダメだったの?



満地まんち先生、好き、好きだアアアアアア!!」



 彼が急にハート目になって、私の方に突進してきた。かー、気色悪いー。もちろん、彼と付き合うつもりは毛頭ない。私は股間に思いっきり蹴りを入れた。



「は、はぐあああ!」



 彼は地面にヒザをついて血を吐く。最後のとどめに、マンチ頭突きを喰らえっ!



「ぶふぁっ!」



 アイス・ビーストの頭部の白毛に赤が混じる。彼は白目をむいて、頭から倒れた。全く動かない。私の勝ちだ!



火魔ひま先生、勝ちましたよ、ひ、火魔ひま先生!?」



 リザードマンと戦っていた炎狐えんこが、全身血だらけになっていた。一体、何があったの?



(続く)

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