第十四話「疲れ果てて」

 窓から深介に投げられてから聞こえていた打撃音が止まった。


 それよりも魔法を今まで使えなくなっていたことに深介は気付いたのか……。


「島崎くんってさ、嘘が得意だよねー」

とはこの事だったのか。


「おーい、こっちだー、来れるかー」


 遠くから声が聞こえる。今、気付いたが外にはスポットライトが無い。なのに外は昼のように明るい。確認するとやはり腕時計は六時を指している。そして、急激な眠気が僕を襲う。


「大丈夫かー」


 限界が達し消えかかる意識の中、聞こえた言葉はそれが最後だった。


 

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