第十三話「石墨VS深介」

 怪物のように荒い息遣いきづかい、白色の閃光が深介の周りを包みその姿が消える。

 

「うッ----」


 石墨目掛めがいた深介の手が石墨の腹部ふくぶを捉え、防御姿勢を崩す。


「……やっぱ、心斗しんとはこれだよ。俺も本気でいくぜ。裏世界バックワールドッ!」


 時空がゆがみ、石墨の姿が消える。警戒する深介が辺りを見回していると、腹に見えない打撃が入ったかのように壁へ吹き飛ばされる。


 だが、体が何倍にも頑丈がんじょうに強化されているため、壁はへこんだが、体は無傷だ。そこへ躊躇なく総攻撃が入る。


「ーーーーゥーーアッ」


 さすがの体でもこれには耐えられなかったようで、深介の狂戦士化バーサークが解け、倒れる。


顕現リアライズ。……あっぶねー。もう少しで戻ってこれなくなるところだった」


 ひとごとを漏らす石墨。手にはペイントボールが握られている。


「悪いな、心斗……俺には俺の戦いがるんだ」


インカムから音声が流れる。


《……深介脱落、残り十二名》

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る