第十一話「目覚め」

 窓ガラスが自分の体に衝突した衝撃で飛散した瞬間、僕は思い出した。


 使


 落下するなか、体を駆け巡る血が脈動を打ち、世界がゆったりとまわる。


 黒の瘴気が体を覆い、十メートルはある高さから着地する。


「……っはあ、はあはあ」


 心臓が突然動き出した様に体が呼吸を始める。


「ぐっ……隼人くん!魔法なんか使っちゃ駄目だ」


「なんでだよ、お前だって使ってるじゃん」


「っ!…………それは君を止めるために」


「わかったわかった。でもこの部活はしょうがないだろ…………いくぜ」


「……ふん。ったく石墨、お前はそのままでいくんだな」


 不意に口調が変わる深介。その声と同時に二つの大きな気配が膨れ上がる。


「お前は話しやすくて助かるよ」


 

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