第18話

お互いに顔を見合わせ、母の陰謀(?)に乗ることにした俺たちはどうしようかと見つめ合った。うん。まつ毛長い…じゃない。「えっと、先にお風呂使ってくだしゃい…」「なんで敬語なのよ…じゃあお先に使わせて頂こうかしら」そういうと覗くなと言わんばかりにこっちを睨んで風呂場へと消えていった。俺信頼感無さすぎませんかね?と悶々と時間を過ごしていると凛の着替えが必要なことに気づき俺は自分の部屋へと向かった。「えっとどんなのがいいんだろうか??」そんな些細な独り言で俺は気付いた。「待てよ。今俺好みの服を彼女に着せるチャンスなのでは?」そうと決まると俺は雷のようなスピードでクローゼットを漁り始めた。

そろそろ彼女が上がる時間だと気がつくと、俺は最高セレクトの服を脱衣所へと運んだ。その間じっとリビングで待った。ドアが開く音がした。正解だ。素晴らしい。そこに立っていたのはダボダボのロングTシャツを着た凛だった。「どうしてズボンが用意されていないのかしら…?」とゴミを見る目で俺を見ているのが分かった。だが、それも良い。と無言で頷いていると彼女は無言で俺の部屋へと向かってしまった。あぁ一瞬だったけど最高だったなぁ。俺が向かうと俺のジャージに着替えてしまっていた凛が床に正座をしていた。「早くあなたもお風呂に入りなさい。」「分かった。その代わりベッドの下は絶対見たらダメだぞ!?」と捨て台詞を吐いて俺は風呂へと向かった。ふん、今頃彼女は天使と悪魔と戦っているだろう。と気持ち悪い笑みを浮かべて風呂に入った。さて、どうなっただろうと部屋に入ると彼女はカバンに入っていた星の王子様を読んで座っていた。「え、ベッドの下覗かなかったのか??」俺はそう尋ねると彼女は「あなたが出て行って30秒後にはもう見たわよ。」と言った。うん、天使どこ行ったの?「嘘だ。は、恥ずかしい\\」と気持ち悪くくねくねしていると「何もなかったじゃない」とため息をつかれた。え、その言い方何かあって欲しかったんですかね。俺的には顔真っ赤にして欲しかったんですけどね。と少し残念がっていると彼女は「えっと、わ、私はどこで休めばいいのかしら…」困っている彼女も可愛い。兄の部屋は許可なく入ると怒られるし、親父と母さんの部屋は同じだったし。




…………俺の部屋しかなくね???





そう言って俺達はまた見つめ合った。※可愛い

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