第2話 パン屋開店②

このお客さんはクレーマーね……。

何を言っても無駄なようね。

セレナはバケツに水を入れてくるとお客さんを外に出すと

お客さんに向かってバケツに入っている水をかけた。

「な、なんて事をするんですかっ!」

お客さんはとうとう怒った。

「お客さんがそういう嫌がらせをするのがいけないんでしょ」

「そういう事を言うのね、覚えておきなさい」

お客さんは歩いてどこかに消えてしまった。

当然、今の現状は他の人にも見られた。

まあ、いいわね、これでもお店は潰れるわけないしね。

セレナは裏で色々な事をしているのよ。


セレナはお店の中に戻ると店を閉じた。

今日の営業はおしまいだわ。

あのお客のせいで何もできなかった。

投稿した記事でも見ようかな。

見てみるとさっきの一部始終が動画で載っていた。

これはまずいわね。

セレナはすぐにその投稿記事に返答をした。

本文内容は事実とはまったく関係ありません、それにその前にお客さんにクレーム―のような事も

されましたと書いて投稿した。

するとすぐにお返事が返ってきた。

内容は……よくそんな事を言えますね、そんな事をするならしかるべきを処置をとらせて頂きますと

書かれてあった。

セレナはその内容文に対して返信することにした。

本文にはこう書いた。

できるものならやってみなさいよ、このクレーマーさんと書いて返信した。

投稿完了ね。


そうするとすぐにお返事がきた。

内容文はわかりました、そっちがそういう態度なら致し方ないですねと書かれてあった。

セレナは項垂れた。

でも、このお店は潰れない。

なぜなら潰れないお店なのよね。

セレナは一部のパンを持ってとある場所に行った。

そこに行くと子供達がいてセレナの事を待っていた。

「あっ、お姉さんだ」

一人の子供がセレナに抱きついてきた。

「パン落とすといけないから離れてね」

「は~い」

しっかりと言えば離れてくれた。

セレナは子供達にパンを配ることにした。

全員に配り終わるとシスターが出てきた。


「いつもパンを届けにきてくれてありがとうございます」

「別にいいのよ」

「それと見ましたよ、この記事をね」

「シスターも見たのね」

シスターは少しがっかりしている。

「そういう事をしたいのはわかるけど、いい加減にやめたらどうなの?」

「シスター……説教でも始めるの?」

「そういうわけじゃないけど……」

「それにいいのよ、お店の評判が下がっても潰れなければね」

セレナがお店を開店した理由は売れても売れなくても子供達にパンを届けたいという理由があった。

普段は悪い事をしているけど、裏では良い人になりたい。

セレナとってそれだけで十分だった。


「セレナは帰るね、お金は本当に要らないよ」

「はい、わかりました」

シスターはお辞儀をする。

セレナはその場から離れると子供達がこちらに来た。

「いつもパンをお姉さんありがとう」

と言われてしまった。

セレナはそれを聞いて目に涙を浮かべて泣きだしてしまった。

子供達にだけ喜ばれればいいの……それだけでいいのよね……。

「みんなまた来るわね」

セレナはその場から離れる事にした。

そうすると例のお客さんと鉢合わせになった。

「あらっ、偶然ね、お客さんここで何をしているの?」

「例のパン屋さんの店主じゃない」

「ここで何をしていたの?」

「それをあなたに言う必要があるの?」


セレナはどうしていいのかがわからないためにじっとしている。

「教えてほしいわね、セレナに制裁でも加えるの?」

「しかるべき処置の事ね、そんな事をするわけないでしょ、それにああいう事を言っておかないとセレナの立場って

ものがありますからね」

「なるほどね、そういうことだったのね」

「それにお店を開いてどうするかはあなた次第でしょ、セレナにはどうのこうの言う事はあってもそれを聞き入れるか

もあなた次第でしょ」

セレナはよく考える事にした。

確かにこのお客さんの言う通りだった。

しかもお店を潰すかどうかもきっとセレナ次第でしょうね。

あのお店を長く続けたいならパンの値段を下げるしかないのかしらね。

セレナは下げたくない。

少ない人でもいいから売れればいいと思っている。


「そういえば、貴女こそ、ここで何をしているのよ?」

「別にいいじゃない、貴女には関係ないでしょ」

「セレナには聞くだけ聞いておいて何もお話しないのね」

「今は教えるような事じゃないわね」

セレナはその場から離れようとすると引き留められた。

「お待ちなさい、貴女は本当良い人でしょ?」

「気のせいよ」

セレナはお店に帰る事にした。

もうこんなお時間なのね。

今からまた営業をしてもダメね。

セレナは家に帰る事にした。

家に着くと

「今日も疲れたわ」

と言いながら、セレナはベッドの上に仰向けになると目を閉じた。

まだ寝ないけど、考えたい事があった。

あのお客さん、一体何者なのかしらね。

気になって寝れないわね。


調べてみたいけど……情報がない。

そんなことはしなくてもいいわよね。

セレナは明日のために寝ようかしらね。

目を閉じてセレナは寝ることにした。

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