悪役聖女はパン屋を開店した

一ノ瀬 彩音

第1話 パン屋開店①

セレナの名前はセレナ・クインテール。

年齢25歳。

職業は聖女。

セレナはこれからパン屋を開店するために準備をしているところだ。

しかも他のパン屋と違って値段も少々高めの設定をしている。

どんだけ人が来てくれるのかはわからないけど、頑張るしかない。

開店準備もできたし、お店を開きましょうか。

「パン屋を開店しまーす、宜しくお願い致します」

とセレナは言い放った。

いきなり人は来ないよね。

セレナは店の中に入ってお客さんを待つ事にした。

しばらくしてもお客さんが来ない。

一人のお客さんが来た。

「いっらっしゃいませ」

と笑顔では言わない。

逆に冷たい感じで言った。


そうしているとお客さんはこちらに来た。

「色んなパンが置いてあるのはいいけど、高すぎませんか?」

「何言ってるの? 高くしないと儲けがでないでしょ」

「そんな事をしているの潰れるわよ」

「五月蠅いわね、いちいち何を言ってくれるのよ」

何このお客さん文句を言いにきたのかしらね。

そうだ、良い事を思いついたわ。

「このパンを無料であげてるの、食べてみて」

お客さんはパンを受け取ると1口食べてみた。

そうするとお客さんは

「何、このパン……辛すぎるわ……」

「馬鹿じゃないの、引っかかってるのね」

「どういうことよ」

「セレナの悪戯よ、文句ばかり言うからね」


お客さんはお店から出ていってしまった。

ああいうお客さんは要らないわね。

しっかりと高い値段のパンだけど、買ってくれる人だけがいいわね。

街の掲示板にでも投稿しようかな。

タイトルはパン屋開店にして本文はパンは高いけど、美味しいお店ですと入れた。

これでokを押していいわね。

投稿ができたわね。

これでどんだけの人が来るのかしらね。

本当に楽しみだわ。

しばらくしてもお客さん来ないわね。

一体、どうなっているのかしらね。


セレナは先程、街の掲示板で投稿したのを見る事にした。

そうするとこんな事が書かれていた。

新しくできたパン屋は店主の態度は悪い。

後はパンを無料でくれたけど、悪戯されたと書かれてあった。

なんて事をしてくれてるのよ……。

きっとさっきのお客さんね。

セレナの投稿を見つけて書いてきたんだわ。

すごい腹が立つわね。

どうしてくれようかしらね。

街の掲示板にまた投稿しよう。

タイトルがお客さんで本文はお客さんがいきなり文句を言ってきたので

悪戯をしただけです。

それにお客さんにひどい目に遭わされました。

これでいいわね。

投稿完了ですわね。


セレナが投稿したのに食いついてきた人がいるのね。

一体誰かしらね。

またさっきのお客さんかしらね。

セレナは見てみる事にした。

えっと、本文を見ると

そんな事をお客さんからされたのですね、お気の毒ですと

書かれてあった。

セレナの味方になってくれる人もいるのね。

嬉しい限りだわ。

そうしているとまた一人のお客さんが来たと思ったら

さっきのお客さんだった。

「また来たわね、この嫌がらせさん」

「なんて事を言うのよ、そんなにこのお店の評判を落としたいの?」

「知りませんよ、そっちがぐちぐち文句を言うからでしょ」

「あのね、冷たい態度、パンが高い、それと店主がそんなんじゃお店が潰れるわよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る