第7話 健康庁第四課製薬担当vsファイアクラッカー

 電話を、切った。


「あったわ。z2ファイル。今から奪う」


「荒っぽいことに、なるのか?」


「なるわ。手当たり次第燃やすもの」


 火をかける。檻から、ウイルスを全て出す。

 相手は公官庁の高速大容量通信。こちらは、カフェの無料Wi-Fi。この差を、なんとかして埋めないといけない。


「通信容量がほしいなら」


 男が、ラップトップに手をかける。


「俺を使うといい」


 男と、ラップトップが、接続される。驚いた。


「あなた」


「ほら。はやくしないと奪われるぞ」


 ラップトップに映された画面。偽物の、ファイル。


 裏側ヒドゥンソースコードから回って、もう一度入り直す。


「おい。そんな子供みたいな」


「子供のほうが入りやすい場所もあるのよ」


 裏側から入って、一瞬だけ軽くなった通信を、使う。三秒間のうちに、サーバ全体に遅効性干渉ガソリンを撒いた。


「ほう」


「ファイアクラック」


 音声認証。火が、入る。


 大規模に、爆発した。


「はい。今。ここよ」


 本物のファイル。引火を防ぐために持ち出されたものを、奪い取る。


「ありがとう。これで充分だ」


 男。ラップトップ経由で、ファイルを吸いとって、奪ってしまった。


「依頼は完了した。このサーバは」


「ああ。放っておいても構わないわ。いずれ燃えるから」


「このラップトップは」


「捨てるわ。燃えるし」


 シャットダウンできないので、強引に叩いて衝撃を与えて消した。


「物理的だな」


「まあね」


「なんにしろ、これで全てうまくいった。感謝するよ」


「どうも。麻亡製薬の社長さん」

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