終章

ドラゴンハーフ

 ナギ、カース、アデラは植民地へと戻った。


 ナギ達が結んだ和平を伝え聞いて、ガンツや住民はびっくりした、まさか、そんなことが実現するとは、夢じゃないのかと思った。


 ラーナも、出迎えてくれた。


 「久しぶりだね、ラーナ」カースが優しく声をかける。


 ラーナはただ、喜んで涙を流していた。




 その後、かつて中央集落があった場所を中心に、土地が豊かな砦方面へ、何十年もかかって開拓は進められた。


 カースはアデラと結婚し、初めての市長となった。


 ただ、ナギは忽然と姿を消した。


 どこに行ったかも分からない。


 ナギについては、アデラが不思議なことを言っていた。




 ドラゴンと人の混血児に魔力が異常発達する者が出ると。


 ドラゴンハーフと言うべきその種族は魔人と同じくらいの年月を生きるという。




 数年後、カースとアデラの間に男の子が産まれ、その1年後女の子が生まれた。


 


 自分たちが幸せを享受している陰で、食肉にされている人たちもいる。


 カースはいつもその事が頭から離れなかった。




 それでも、アデラと子どもたちに囲まれて、幸せだった。

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魔王の姫が家出をすると世界のバランスが崩れるか?~魔人の支配する世界で家畜となった人類の行く末~ 神名 信 @Sinkamina

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