再集結

 たまに旅人と遭遇する。そこから町や植民地の情報も手に入る。


 植民地の一つが壊滅させられた。


 そんな情報が入った。


 女性も子どもも、皆殺しにあったようだ。


 カースはラーナのことを心配したが、ラーナが逃げた植民地ではないようだ。


 ただ、防戦ではどうにもならない。


 アデラの飛行魔法でカースも一緒に空を飛ぶ、ナギと合流するためだ。




 最大の植民地へ向かうと、まさに魔人の部隊が攻め込んでいるところだった。


 魔人と亜人の数は200近い。


 ナギが範囲魔法で迎え撃つが、とても落としきれる数ではない。


 Aクラスのメンバーはまだ健在で3人とも必死に防戦している。


 メイの姿は見えなかった。それは少し不安だった。


 ナギの傍にアデラとカースが降り立つ。


 「2人で真ん中に集めてくれ」ナギは再開の言葉をかけるでもなく、そう言い放った。


 アデラが右翼、カースが左翼に走る。


 あれほど恐れていた魔人は2人の前にはただ、狩られる兎のようなものだった。


 アデラが正拳突き、回し蹴りと連続攻撃を繰り出すたびに1匹、また1匹と魔人は倒されていく。


 左翼のカースも鬼のような強さだ、剣を振る度に魔人の命が失われていく。


 しばらくすると、アデラとカースを避けるように中央に魔人が集まってきた。


 そこに、ナギの爆裂魔法が叩き込まれる。


 魔人の大半はそこで絶命し、勝負あった。


 残党狩りを終えると、ナギのところに全員で集まった。


 ナギはカースに対してもアデラに対してもきつく言うことはなかった。


 メイは1か月前の戦闘で死んだとのことだった。


 ここにいる全員が、防衛はもう不可能だと思っていた。


 都を攻める。


 それがガンツを含めた人類側の決定だった。

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