魔王の姫が家出をすると世界のバランスが崩れるか？～魔人の支配する世界で家畜となった人類の行く末～

実戦

　Aクラスメンバーが選抜されてから1か月。

　町の周囲を索敵している部隊から、本部に連絡が入った。

　どうやら、魔人が付近まで来ているらしい。

　数は、魔人6匹、亜人3人。

　ナギがカース達に召集をかける。

　カースとメイ、それにAクラスの3人、加えてアデラが迎撃に向かう。

　魔人は飛行タイプが1、爪と牙を持つタイプが4、馬のタイプが1、亜人は剣士タイプが3だ。

　中央集落側の陣形はカースとメイが先頭に配置され、2列目にイナ、ラギル、クツナ、その後ろにアデルとナギが配置されている。

　Aクラスに上がったばかりの3人にとっては初陣だ。

　双方とも徐々に距離を詰めていく。

　飛行タイプに関してはアデラが空を飛び、けん制して、近づかせないようにしてくれている。

　魔人側も集落側の実力が分かっているのか、単独では攻撃して来ない。

　Aクラスの3人から見ると、かなり恐ろしい。カースやメイがいなければ逃げ出してしまっていたかもしれない。

　互いにけん制している間にナギの魔法の射程範囲に入ってきた。

　雷魔法を放ち、亜人を1人葬り去る。

　それを合図にしたように双方距離を詰め、乱戦になる。

　開始早々、カースの剣が魔人の首を跳ね飛ばす。5匹目の討伐だ。

　メイも亜人を1人始末する。

　アデラも飛行型の魔人を倒し、乱戦に参加する。それとなくカースを守るようなポジションだ。

　カースが馬の魔人の心臓を貫き息の根を止める。6匹目の討伐になる。

　メイがさらに亜人を1匹倒す。

　残りは爪と牙の魔人が3匹だ。

　ナギが炎の魔法で1匹仕留める。

　残りは2匹。

　カースが魔人の胴体を真っ二つにして倒す。7匹目の討伐だ。

　残りは魔人1匹だ。

　後ろにアデラが回りこみ撤退を許さない。

　ナギもカースもメイもAクラスの実戦訓練のために手を出さずに周りを囲む。

　まずは、ラギルが正面に立った。そこに向けて魔人の爪が繰り出される。ラギルはようやくといった感じでそれをかわす。

　側面からイナが援護する。剣の先端は魔人に当たるがかすり傷だ。

　クツナもそれに加わるが、アックスのスピードが遅く、軽々と避けられてしまう。

　何回か激突しているうちに、ラギルが深手を負ってしまう。

　そこで、カースが正面から、魔人の首を跳ね飛ばしてこの戦いを終わらせた。8匹目の討伐だ。

　迎撃メンバーは周囲を警戒しながら町に戻った。