Aクラス

 修行と兵士の鍛錬は続き、更に3か月が経った。


 Aクラスの認定はカースとメイの2人が行っていた。


 Bクラスの中で10人ずつに分かれてリーグ戦を行い、リーグトップの12人をカースとメイが見極める。


 惜しいと思える兵士はいても、なかなかAクラスに上げることは難しかった。上げれば魔人との戦いの最前線に立つことになる。


 しかし、この日は鍛錬の成果も出て、カースとメイが初めて、同時に3名Aクラスに認定した。


 主席はイナという少女の剣士、16歳でカースの一つ下である。武器は通常の長さの剣。


 2人目はラギルという男子、やはり16歳で武器は通常の剣。


 カースが使っている武器は人気が高く、それを真似して流行っていた。


 3人目はクツナという男子、17歳。バトルアックスを使っていた。


 周囲の兵士もこの3人の選抜に異を唱える者はいなかった。


 イナとラギルとクツナにはアーマードラゴンプレートが贈られた。それだけでも、かなり生存確率が上がる。


 

 イナは芸術的な動きを見せる。抜刀から斬りかかるまでのスピードも速い。


 クツナはバランス型だ、攻防ともにそつなくこなす。


 クツナはパワー型で、一撃で致命傷を負わせることが期待される。



 新人の3人はメイと共にアデラとカースの家に招かれた。


 アデラの噂は町中に響き渡っているので、3人ともかなり緊張していた。


 6人が一同に会すると家も若干狭く感じる。


 アデラを間近に見るのは3人とも初めてだが、美しい。イナのような女の子でもぼーっとしてしまう。


 6人は自己紹介などを軽く済ませると、とてもパーティーとは呼べないほどの粗末な食材をみんなで食べた。


 

 新人とメイが帰ってから、アデラに3人について聞いてみる。


 「悪くないと思う」


 それだけだったが、アデラがそう言うのは滅多にないことだった。


 次の日からはカースとメイが交代で新人に稽古を付けていた。


 今回昇級できなかったメンバーに対するフォローもメイが行う。


 それまで、空席だったAクラスに選抜されたメンバーが出たことで、兵士たちには活気がみなぎっていた。

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