第 3回  鍵を求めて

さて、 前回言及したように、銀の鍵の入手については、サマルトリアの王子という助っ人の加入があればさして難しくはないことがお判りいただけたと思う。


 では、次に金の鍵について見ていこう。

 

こちらの鍵は、銀とは異なり、ゲームクリアに必須となるとても重要な鍵である。

 無論、アバカムを習得していなければの話だが


 この金の鍵、クリア必須というだけあり、その入手が可能なのは銀の鍵のように序盤ではなく、船入手後に行くことができるザハンという離れ小島の漁村にてである。


 そう、船が必要となるのだ。ちなみにこの船というのも本作Ⅱが初登場であり、そもそもこれがドラクエシリーズに於ける初の乗り物ということになったのは言うまでもない。

 

 当時、前作の4倍を誇るフィールドを売りにしていた本作だが、この船を入手することで、その世界の広がりを確実に体感することになるのだ。

 

 なんでもそうだが、タダで容易に手に入るものではない。今作の船も然りである。

 そんな本作の船入手イベントは、港町ルプナガにて、船を所持する老人の孫娘をモンスターから救ってやるというもの。

 町に入り、奥へ進むと、北東の空き地で何やら女性が悪魔的アイコンに囲まれているではないか。

 この時点ではじめてお目に掛かるその異様なグラフィック、おそらくイイモノではないんだろうなと、恐る恐る近づいてみるや否や、襲い掛かってきたのは、グレムリン2匹 

 やはりモンスターだったのかと、果敢に立ち向かいこれを撃破すると、どうやらその魔物グレムリンたちに襲われそうになっていた娘さんが、港にいる祖父のところへ案内してくれる。孫を助けてくれたお礼ぞとばかりに、なんと所有の船をくれるのだった。

 なかなかにシンプルである。ただし、容量の問題で大容量なイベントを盛り込むことが難しかった当時としては十分によくできたイベントだったのだろう。

 しかし、実はこのイベントで何より特筆すべき事項は、グレムリン戦である。

 

 ラスボスである破壊神シドー、及びそれを召喚してしまった諸悪の根源であり、当初の旅の目的でもあった大神官ハーゴン、そしてそのハーゴン神殿の各階で待ち構える3体の悪霊の神々(アトラス・バズズ・ベリアル)を除けば、今作でボスらしきボスというのは存在しない。

 あるのは、イベントで発生する固定戦闘くらいである。それも通常にフィールドやダンジョンでエンカウントするモンスターが配備されているだけなのだ。

 

 前作でさえ、メルキドの町を守るゴーレムのいうオリジナルボスが存在したのに、今作では最後の最後まで、そんなオリジナルボスと対峙する機会がないわけである。


 そんな初のイベント戦がこのルプナガでのグレムリンとの戦いなのである。

 そして、同時に2匹が登場するボス(イベント)戦でもあり、さらにこいつは炎という範囲攻撃を仕掛けてくるのだが、これまた、範囲攻撃を扱う初のモンスターとの対峙でもあるのだ。

 

 そして、船の入手と、とにかく初めて尽くしのこのイベントを無事終えれば、大海原へ旅立つことになるわけだが、それは同時に、最終局面であるロンダルキアの大地を除けば、この時点で世界中どこへでも足を運べるようになるということなのだ。

 そう、ここからは進むべき道はプレイヤーの舵取り次第なのだ。

 その意味で、かなり自由度が高い作品といえるのかもしれない。この仕様は次々作までの特徴の一つでもあるのだが。(Ⅴ、とくにⅥ以降になると、ただ船入手だけでは自由に世界中を周れるわけではない)

 

 そんな仕様であるから、それを知ってさえいれば船入手直後に金の鍵を入手することは可能なのだ。

 ただし、公式ガイドブック記載の攻略チャートを参考にするならば、この金の鍵を入手できるザハンへ向かうのは他の5つの紋章集めイベントなどを挟んでかなり後となる。

 別にこの行程どおりに進める必要はなく、ただ問題があるとすれば、ザハンは世界地図の遥か南東の絶海の只中に存在する小島に在るため、正確な位置取りができないと、見渡す限り真っ青な海原で迷ってしまうことになりかねない。

 無論、攻略チャートどおりに進めても迷うことは迷いやすいのだが、真にやっかいなのは、その海原を漂流している間の話である。

 

 基本的に船入手時のレベル帯では、この付近の海上モンスターは手ごわく、エンカウントすればまず勝ち目はないかもしれない。

 ホークマン、パピラスあたりと遭遇をいたずらに繰り返せば全滅する可能性は高い。

 唯、もちろん逃げるという選択肢もあるわけで、幸いなことに本作の逃走率というのは一律6割程度のようなので、自分たちより強敵だから回り込まれやすいということはない。

 それ故、リアル運さえよければ難なくこの辺境の漁村にたどり着けてしまったりもする。


さて、辿りついたはいいが、この町で何をすればいいのか。それについては、海で魔物に襲われた漁師の1人が飼っている犬が、なにか光るものを咥えていたというような、思わせぶりなヒントが転がっている。

 そして明らかにそれらしき犬に話かけると、ここを調べろといわんばかりに『それらしき』場所へ案内してくれるのだ。

 こうして目出度く?金の鍵入手となるのだが、ここまでの経緯を見て頂ければわかるように、少なくとも本作において、最重要となるこの金の鍵ですら、それほど入手が特別困難というものではない。


 残る牢屋の鍵、水門の鍵であるが、これらの入手ついても決して難しいものではない。

まず、牢屋の鍵は、ペルポイという町の道具屋で売られているのだが、そのペルポイの町自体は、ハーゴンの住まうロンダルキア大地の麓に位置するため、住民たちが安全のために地下に町を造り居住している。

 いつも思うのだが、こういった設定が細かいのは些細なことながら感心させられるものだ。


 そのため、町に入るために先の金の鍵が必要になる。これで地下に通じる階段への扉を開錠してやるわけだ。

 

 そして地下街に店を構える怪しげな道具屋に話掛けると、何故か商品の選択画面に明らかに不自然な空白があるので選択すると、2000G を要求されてしまう。とりあえず、支払うと手持ちの道具欄に牢屋の鍵が追加されているのだ。

 たしかに、公に販売してはいけない代物である。


 余談だが、後年SFC(スーパーファミコン)のゼルダの伝説~神々のトライフォース~をプレイしたとき、爆弾で壁を破壊した先などにひっそりと住んでいる盗賊が、


「みんなには内緒だよ」 


と言いながら、多額のルピー(ゼル伝の通貨)をくれるというのを見て何故かこのペルポイの怪しい道具屋を思い出してしまう筆者であった。 別にペルポイの道具屋は金くれるわけでもないのだが・・・ おそらく存在の怪しさなのだろう


 閑話休題


 そんな牢屋の鍵だが、これも実はクリア必須の鍵なのだ。

 早速、この鍵を使ってこの町にある明らかに調べてきれといわんばかりの牢獄に立ち入り、片っ端から入手したばかりの牢屋の鍵で、鉄格子を開錠していく。

 そこでラゴスという盗賊の情報がきけるのだが、実はこのラゴスのことは公式のルートどおりに進めていれば既に情報を得ているはずなのである。

 テパという村から水門の鍵を盗んで行方をくらましている盗賊なのだ。

 その盗賊が、このペルポイの牢に捕らえられていたが、脱獄を図ったということらしい。

  なるほど、しかし、くまなくラゴスの居たとされる牢を詮索すると、壁に見えない抜け道を発見。さらにそのすぐ先(僅か1マス)にてラゴス発見。

  問い詰める間もなく、あっさりと水門の鍵を引き渡しくれて、役目終了である。

 

 度々、名前がでてきていた人物だけに、かなりのあっけなさに正直、拍子抜けしたものだ。

 尚、Ⅳの第2章エンドール武術大会、(詳しくはヒャダインの第11回を参照)その第2戦にもラゴスというキャラクターが登場するが、その容貌からそれがこの間抜けな盗賊と同一人物かは判別できない。ただし、名前を拝借したのは明らかに過去作へのオマージュだろう。きっと古参ファンならばニヤリとすること想定して


 また、オンラインである10作目では、同じくドラクエシリーズの盗賊として著名なカンダタ主役のクエスト(連続イベント)が実装されているが、こちらにゲスト?として登場した際は、このⅣバージョンのブーメランを携えたマント姿の若者として描かれていた。


 さて、これで本作のすべての鍵は揃うのだが、もし、アバカムが必須となるとすれば、この行程がこなせなかった場合ということになる。

 

 例えば、ノーヒントで公式ガイドブックもなし、ひたすら自力で攻略したとしよう。

 たしかに、それならば、この謎解き?にギブアップすることも100%ないとは言い切れない(かも)しれないが・・・ まあそんな難易度レベルである。

 筆者的には、本作に関していえば、まずそれはないと思っているのだ。


 何故なら、もし相当に鍵が見つからず彷徨い続けたとしても、それよりもっと

難しい(時間を要する)のが、このアバカム習得なのだから

  

 アバカム

 習得キャラクター ムーンブルクの王女 

 習得レベル    23 

                       

 

   

 

 




 




 

 

 


 


 


 


 

 

 

 

 


 

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君は本当のヒャダインを知らない 結城カザミ @Diada-de-Sant-Jordi

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