(断片)葬儀屋&子ダヌキ少女の再会
ノーク(葬儀屋)「……おや? キミはあの時のタヌキの
アイリーン(タヌキ少女)「そ、そそ葬儀屋さんだぁっ……ふぇぇあぁぁ、うぇぇ」
ノ「おや、女性がそんなに泣くものではないよ。目が腫れてしまうだろう?」
ア「だってぇっ……、ふぇぁあぅ」(泣きながらノーク君の胴にぎゅー)
ノ「……まったく、キミは変わらないねぇ。あの時と同じだ。そこが愛らしい(微笑)」(自分の袖でアイリーンさんの涙を拭きつつ)
ア「あい、あいら……しくないもんっ。葬儀屋さんが、優しいだけだしっ……、ふぇ、濡らしちゃって、ゴメンなさいっ」(わたわたタオル探し)
ノ「いや、愛らしいよ。ワタシは気に入ったヒトにしかこんなコトはしたりしないさ。このくらい……濡れたなんて言わないよ気にしなくていい」(頭撫で)
ア「ふぇぇ、……あ、あのっ、葬儀屋さんあのねっ、……あたし、会ったらずっと、言いたくて、じいちゃのこと……ありがとうございましたっ」
ノ「ああ……。本当はもっときちんとしてあげたかったんだけどねぇ……。どうだい? キミは…自分の信じる道を行っているかい?」
ア「あた、あたしっ、あのとき葬儀屋さんに会えなかったら、ぜんぶあきらめてたと思うからっ……ふぇ、あの、あたしね、ちゃんと頑張って、あたしなりに頑張って生きてきたのっ、まだ全然ダメだけど、頑張りたいのっ……」(必死)
ノ「……そうか、それは良いことだねぇ。キミはキミなりにやればいいんだよ。急ぐ必要もないんだから(微笑)」
ア「……うんっ、……(涙ぐみつつ)それと、んと、あの、……あの、葬儀屋さんの名前、ちゃんと聞いてなかったからっ、ッてその前に、あたしは、アイリーンっていいます、えぇと、よろしくお願いしますっ」(勢いよく頭下げ)
ノ「ああ……そういえばそうだったねぇ……。アイリーンか……ワタシはノークだよ。よろしく頼むね(笑顔)」
ア「のーく、……ノークさん、んぅ、会いたくてずっと、だから、良かったっ……(涙目)」
ノ「ああほら、また泣きそうになってしまって……。普通嬉しい時は笑うものなんだろう? 笑いなさい。笑顔の方がきっと可愛いからねぇ……。ワタシも、気になっていたから会えてよかったよ」
ア「わ、わらっ、たらきっと、変な顔なっちゃうっ……(赤面)……うん、ずっとスラムで、なんか怖くて、一人だし……隠れてたのっ……。ホントはちゃんと、捜さなきゃいけない、て……でもどうしたらいいか、わかんなくて……」
ノ「変でも、キミの泣いた顔より笑った顔をワタシはみたいねぇ。笑ってくれないかい? アイリーン。……ワタシは、どこにも行かないし、変わったりはしない。普段はほとんど店にいるよ。今度からは会いたくなったら会いにおいで……キミならいつでも歓迎するよ」(微笑)
ア「……(真っ赤な顔押さえて俯き)……ふぃ……」(泣き笑いみたいなすごいビミョーな表情で一瞬顔あげて、また一気に真っ赤になって、顔押さえて俯いてドキドキ)
ノ「ははっ。やっぱり、女性も男性も、ヒトは笑顔の方がいいねぇ…。ありがとう。可愛いよ…」(頭撫でながら)
ア「……んぅ、(釣られて今度は先よりちょとだけ自然なはにかみ笑いで)あの、あのね、あたし……方向音痴で、……まだゼルスが、よく解らなくて……。ノークさんのお店も、見つけられなかったり、探せなかったりなの……」
ノ「そっか……。じゃあ、会いたくなったら精霊たちに祈っておくれ。ワタシがきっと迎えに行くから(微笑)。けど、とりあえず地図と住所は教えとくよ」
ア「ぇ、う、と、祈ったら……精霊が、伝えてくれるの? ……すごい、ノークさんも、魔法使いなんだっ」
ノ「本当は吟遊詩人なんだけどねぇ。精霊たちはワタシの数少ない友達なんだよ(微笑)」
ア「……あっ、歌っ、うん、すごく綺麗だった……キラキラしてて、優しくって、ノークさん友達、少ないの……? あたしは、少ないけどっ」
ノ「そうかい? なら良いんだけどねぇ。ワタシが歌を贈るのは、彼らが少しでも安らかに旅立てるように。そう願っているからなんだ。友達は精霊たちとあと一人、
ア「……ぅん、あたしっ、ノークさんの歌、綺麗でちゃんと、好きで覚えてたもんっ。狼さん、……ゼルスのひと?」
ノ「ありがとう(微笑)。そうだねぇ、忙しいヒトだが基本的にはゼルスにいると思うよ」
ア「……うん、忙しいんだ……。ノークさん、そのひととも、会ったり話したりたくさん、できるといいね……。あたしも、あの、ノークさんと話できてっ、嬉しいしっ……」
ノ「……そうだねぇ。それなら良いけれど……。……ありがとうアイリーン、ワタシも嬉しいよ」
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特にオチはありませんが、再会ネタ。
本編はこちらです。(四話目「星月夜に沈む記憶。」後半より)
「きみとはじまるゼロ・ラウンド」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886802465
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