第30話 三位一体攻撃――トリプル・グルテン・アタック

「じゃあ行くわよ! ステラの一撃に、私とラー・メンマが合わせるわ」


「分かったアル。でもワタシはそろそろ体力の限界。チャンスは一度きり、タイミングをしくじらないでくれアルネ」


「そっちこそ、ダメージがあるから失敗したって、後で言いわけしないでよね?」


「ふん、誰にモノを言っているアル。ワタシは祖国の14億人を代表してここにいるアル」


「期待してるわよ」


「任せてくれアル」


 2人がなんだからお互い分かり合ってますよー、的な感じの会話をした。

 わたしだけ取り残されてるみたいで、なんだかちょっと悔しいかも……。


 なんてことを心の片隅で思いながら、わたしはシャイニング・バスターライフルをシュバっとかまえた。


 今はそんなことは後回しだから――!


「行くよ、必殺――!」


 シャイニング・バスターライフルに、ものすごい勢いでM・E・Nめん超宇宙コスモスが溜まっていく!


 わたしは燃え上がるM・E・Nめん超宇宙コスモスに心と身体を委ねていく――!


M・E・Nめん超宇宙コスモスよ、わたしを導いて――」


 燃え上がるM・E・Nめん超宇宙コスモスに同調するように、シャイニング・バスターライフルが、全てを撃ち抜く超絶無限な破壊力に満ち満ちてゆく――!


「チャージ完了! 充填率120%、150%、300%――10000%!! リミット・オーバードライブ! 最終セーフティ解除アンロック!」


 ギャラクシー・アルティメット・スーパーウルトラ超絶パワーが、シャイニング・バスターライフルへと充填される!


「灰は灰に、塵は塵に、物語は物語に――! 一撃で決めるよ――っ! 銀河究極・蕎麦・荷電粒子砲!!」


 わたしはすべての力を込めた、壮絶な一撃を打ち放った。


 そこへ、


「ムーン・うどん・ウィップ・エスカレーション!」


 アスカムーンのうどん必殺技と、


「ラーメン百裂拳! アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッッッッ――――!!!!」


 太陽神の力を借りたラー・メンマの必殺技がドンピシャリのタイミングで放たれ、3つの正義が重なり合って8倍の正義が生まれた――!


 ドゴォォォォォォォォォン!!


 激音とともに、三位一体攻撃――トリプル・グルテン・アタックの直撃を受けた魔獣キングが、断末魔の咆哮をあげる。


「ヴァァァァァーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!」


「今アル!」

「アスカムーン、封印を!」


なんじのあるべき物語に戻れ――ノベル・イン!」


 アスカムーンの詠唱と共に、魔獣キングは消える寸前にアスカムーンのウドンの中に、「ギュワーン!」って吸いこまれていった。


 ヴィクトリー!

 わたしたちは、勝ったのだ!


「やりましたね!」


「ええ、それもこれもシャイニング・プリンセス・ステラとラー・メンマのおかげよ。ありがとう2人とも」


「礼はいらないアル」


「もう、メンマちゃんは素直じゃないんだから」


「ううん、礼なんていらないアル。むしろお礼をして、非礼を詫びるのはこっちアル」


「メンマちゃん?」


「アスカムーン、今まで酷いことを言ってごめんなさいアル。そして、正義の味方として一番大切なことを教えてくれてありがとうアル」


 メンマちゃんはそう言って、アスカムーンに頭を下げたのだ。


「メンマちゃん……!」


「ま、人生は死ぬまで勉強だからね」


 そしてアスカムーンが優しくそう言った。

 うどん狂いしていない時のアスカムーンは、本当にステキで優しいんだ!


「日本に留学できて良かったアル。しばらくは傷をいやすアルけど、その後は良かったまた色んなことを教えて欲しいアルけど……」


「ええ、構わないわよ。ただし、スリーサイズ以外はね」


 そう言うとアスカムーンはわたしを見た。

 鬼の目をしていた。


「えっと、あの……(;´・ω・)」


「さぁシャイニング・プリンセス・ステラ。帰ったらゆっくりお話ししましょうか。あなたが一体なにをしゃべったのか、洗いざらい吐いてもらうわ」


「いえ、あの……たいしたことは……」


「それを判断するのは私よ。あなたはただ正直に答えなさい」


「はい、まったくもってその通りでございます。ごめんなさい」


 悪気があったわけではないとはいえ、事実上、蕎麦で買収されていた形のわたしは、ションボリしながら謝った。


 そんなわたしの頭に、アスカムーンがそっと手を置いた。


「でもま、ラー・メンマを絶対に守る、友だちだからって言ったシーンはとっても正義の味方をしていたわ。私がちょっと感動しちゃうくらいにね。だからプラスマイナスゼロにしておいてあげる」


 そう言って、アスカムーンはにっこり微笑んで、わたしをぎゅっと抱きしめてくる――。


「あ……」


「ふふっ、よく頑張ったわねステラ」


「は、はい!!」



 こうして。

 100年に1度現れると言われる伝説の魔獣キングとの戦いは、わたしたちの勝利で幕を閉じた。


 ラー・メンマことメンマちゃんとも仲良くなったわたしたちの戦い――じゃなくてアルファルド学園での学園生活が再び始まる――。




「うどんの女神と、銀河系蕎麦アイドル。」


 第二部 ~完~



 とりあえず一旦ここで完結といたします。

 お読みいただきありがとうございました~(*'▽')パアッ


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【 麺×無双】うどんの女神と銀河系蕎麦アイドル。【うどん、蕎麦、ラーメン】 マナシロカナタ✨2巻発売✨子犬を助けた~ @kanatan37

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