第2話 新時代の幕開け

王都ヘクタール宮殿内...

「フューリアス、約束が違うぞ!!」

その声は宮殿に鳴り響いた

「私は、クーデターをおこす代わりにヴィス家の族滅を要求したはずだ、なのに...これはどういうことだ!!ザクセンと長男、次男の処刑はいい、だが三男のクロード!!あいつをなぜ生かす、生かす価値などないだろう」

フューリアスは立ち止まり冷静な声で返した

「生かす価値がないなら、なぜ殺さないといけないんだ?お前は罪のない人間を殺すのか?」

「ふざけたことを抜かすな、お前の何が分かるんだ、貴様ら外部の者に...とにかくあの一家は滅ぼさないといけない、お前らは...」

フューリアスは踵を返し顔を近づけた

「これ以上は言うな、人の力を借りないとなにも出来ない無能な人間が、よく喋るな。立場を弁えろ。」

「だが..」 

ベルモットは声を失った、声にならない怒りが彼を支配した。


会議によって王国と帝国は条約を結んだ、王国の傀儡化、ガール海地方の割譲、末弟以外の王家の処刑、帝国司令部の設置を承認した。


条約締結の一週間後,クレオール広場

「国王の処刑だとよ、早く行こうぜ」

市民は続々と広場に集まった、喝采の声、悲しみの声様々な声が響いた。

「これにより、大罪人ザクセン=ヴィス前国王の処刑を始める、罪状は地位と権力を払い、議会の可決なしでの採決、戦争の続行により国の基盤を傾け堕落させようとした、これは重罪であり、今日神の名のもと処刑を執行する。罪人を断頭台へ!!」

執行官を両脇にザクセンはスタスタと階段を上った

「ザクセン、貴様も終わりだな。」

「そうか、だが最後にやらないといけないことがあるんでな。」

ニヤリと笑った瞬間、両脇の執行官を断頭台から投げ落とした、そして彼は叫んだ。

「我愛する国民よ、私の死によって古き時代は終わりを告げるだろう、庶民が一般兵が台頭し権力者を叩き落とすことなるだろう、大義を忘れるな、反抗心を失うな、牙を失ったものに狩りなど到底できるまい、新時代の幕開けだ乗り遅れぬよう必死についていけ、私は地獄の底で見ているぞ」

大きな笑い声と共に市民たちは、拍手喝采をあげたそれと同時に一発の銃声が鳴り響き、その銃弾は彼の頭を貫いた。


そう始まるんだ、新しき時代という名の欲と権力に溢れる暗黒時代が。

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嘘の王様 @OCT4673

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