嘘の王様

@OCT4673

第1話 誕生の前夜

その日は当然訪れた

我が国ファーランド王国は長年隣国イルミナス帝国との戦争が続いていた、戦いは攻めては守りと膠着状態であった。

僕はその戦争の最中、ファーランド王の三男として誕生した。名はクロード=ヴィスとされ従者に育てられた。

僕が6歳の時、先先代が死に父ザクセン=ヴィスが即位した。父は、とても冷酷でこの膠着状態の解消を狙い、富国強兵策を執り徴兵制、金融策にも力を入れて強引にこの戦争状態を終わらせようとし、その姿は独裁者であった。

戦争は有利に進んだ長男フェルディナント軍が敵の戦線を打破し進軍し、次男ベラードによって長年膠着状態の砦を落とした、また同時期イルミナス帝国皇帝が死去し戦況は圧倒的に有利な立場となった。

この頃僕も11歳となり従者アルゴーと共に出兵することとなり父の軍の支援という形で計画は進んだ。

しかし、その計画はたった一発の銃弾により崩壊した。

反乱が起きた、宰相ベルモット率いる軍が手薄になった王城を包囲したそれと同時に、長男次男が拠点に置いている砦でも同じくクーデターが起きた、長男と次男は捕縛され王都に連行、王城に居た父も捕縛された、僕はこの時王都を離れ数十キロ先の拠点に居たが、すぐ王都へと連行された。これにより戦線は崩壊し王都は帝国軍に包囲されることとなった。

宰相ベルモットと帝国軍長官フューリアスによって、軍事裁判が開廷され、父ザクセン、長男フェルディナント、次男ベラード、母アスタリアの公開処刑が決まりその他の人物も処刑ということなり、僕の判決の時となった、宰相ベルモットは処刑を主張したがフューリアスは、帝国内での幽閉という形にすべきだと反対し結果、判決は幽閉となり従者アルゴーら数人と共に帝国は連行された。

その後王国は、帝国保護のもとベルモットが王として即位し傀儡政権が樹立した。それとともにヴィス家の支配はここに終わりを告げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る