・・・

 一枚のコピー用紙を取り出し、唇を噛む。何かが、自分の中でがたがたと音を立てて崩れていくのを感じる。


 胃に鈍痛が走りだし、トイレに駆け込む。胃痛はうずくまっていたら治ったが、代わりに戻してしまった。数回嘔吐して、何も吐くものがなくなってもなお、胃液が口から漏れだす。


 気持ち悪さとめまいでふらつき、体が水を欲した。だが、台所まで行っていたらまた戻しそうだ。

 トイレの流しの蛇口をひねり、えぐみのある水を含み、口をすすぐ。


 水を飲むと頭が少しはっきりした。俺はかすかに湿った目元をこすり、錠剤を口に放り込んだ。

 


 部屋に戻って、そのコピー用紙を人体学の本の後ろに差し入れ、深くため息をつく。白み始めた夜空に瞬いていた星が、またひとつ消えて行った。

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