第26話
何故だろうか?
素振りをする度に周りから視線が私に集まる気がする。
だが、解らない事を気にしていても仕方ない。
ここ数年は素振りするだけではすぐに終わってしまうので、魔法の修練も同時に行う事にしている。
ファイヤボールをそのまま待機させ、空中に留まらせる。
そして、待機させたファイヤボールを自分の思う様に動かす。
これが出来る様になるまでだいぶ時間がかかったが、何かと使い勝手が良い。
普通に発射させたと見せかけ、相手の背後から当てる等色々と応用が利く。
これが出来るだけで戦闘中の選択肢が増え、相手に思う動きをさせないようにする事が出来る。
最近解った事だが、通常通りの魔法は発射させた後は操作出来ない。
何故ならば自分の魔力とファイヤボールに使われた魔力の接続が切れてしまうからだ。
私が使っている魔法を留まらせる方法。
それは魔法を魔力の糸の様な物で接続して発射させない様にするというもの。
この方法に気付いてからは魔法の使い方のバリエーションが一気に広がった。
発射するだけではなく、魔力の糸を使って複雑な動きをさせる事が可能になった。
ただし、この魔力の糸が曲者で糸を操っている間はずっと魔力を消費する。
最初は加減が解らなくてすぐに魔力切れになったものだが、徐々に慣れていくと魔力切れになる事も少なくなった。
この魔力の糸は無属性魔法であると私は分類している。
何故ならば魔力の糸には色が無いからだ。
私以外の人間が見ればファイヤボールが勝手に不思議な動きをしている様に見えるだろう。
魔法使いらしきローブを来た者達が訳が解らないと言った顔をしているのを見る限りはそうなのだろうと思われる。
もし見えたとしても解りにくい様に糸は極力細くしてあるので大丈夫だろう。
手の内は出来るだけバラしたくはないからな。
これを素振りをしながらファイヤボールの操作を並行して行う。
今操れるファイヤボールの数は3つ、何とも少ないが続けていけば出来る様になるはず。
それまで修練あるのみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます