第16話
オークを倒した後は死体を燃やしておく。
今回は血は一滴も出ない戦い方だったが、死体を処理せねば他の魔物が寄ってきてしまうからな。
燃やしている最中は少し良い匂いがして、こっちの方が魔物が寄ってくるんじゃないかと思ったが大丈夫だった。
剥ぎ取りとかしたかったが、手持ちには刃物は無い。
また刃物代わりになりそうな魔法も習得していない為断念した。
オークを倒して、今日の所は拠点へと帰る。
魔力もそれなりに使ったし、深追いしても良い事はない。
目標であった近接戦闘の実戦に関してはまた次の機会にするとしよう。
今回のオーク戦は良い勉強となった。
私はまだまだ弱い。
戦闘時に使えるカードが少なすぎるのだ。
近接戦闘に関しては今回使えなかったが、修練を重ねていけば、いずれ戦闘時に使えるカードとなる。
魔法の種類ももっと増やし、魔力量も魔素を扱える範囲も強化出来ればより良い。
魔物にも近接戦闘が効果的な場合や、今回の様に魔法の方が相性の良い場合もある。
どちらか一方だけだと必ず苦戦する時が来る。
その時に備えて修練をするのだ。
努力は確実に実になっている。
現にオークを倒せたのだから。
これは魔素の扱い方を習得し、魔力量を増やし、魔法のコントロールを鍛えていた結果だ。
今日は実戦を経験して疲れているが、修練を休む言い訳にはならない。
サボってしまえばその分足を止めてしまう。
止まってしまえば、その分の成長を取り戻すのに時間がかかってしまう。
現実を受け止めろ、私は天才ではないのだ。
こうやって努力し、経験値を積み続ける事でしか成長しない。
常に強い意志を持つのだ。
強い意志を持って前に進む限り、限界などなく成長し続ける事が出来る。
何事も基礎が大事だ。
武道に至っては基礎を極めれば奥義たり得る物になる。
剣に関しては技はあれど、分類すると九つの斬撃しかない。
素手に関しては腕の稼働出来る範囲しか繰り出せない。
一撃一撃を大事にするのだ。
大袈裟な技など必要ない。
呼吸を整え、力の流れを理解し、最小限の動きに最大の力を乗せる。
「…何かが見えた気がする」
これは今までの修練が大幅に変わる可能性があるかもしれない。
何日かかけて調整していく必要がありそうだ。
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