第13話

毎日修練に明け暮れ、長い時間が経った。


貰った時計で確認してみると10年が経っているようだ。

今では初級の魔法は問題なく使え、そう簡単に魔力を枯渇させる事が出来なくなってきた。

初級の魔法で消費する魔力量ならば数秒あれば回復してしまう位の回復速度になってしまったからだ。


そこで途中からやり方を変え、発射していたファイヤボールを発射せずにその場に留めるようにした。

発射しようとされる力を制御するには魔力量も魔法をコントロールする力も必要になってくる。

それに切り替えてからは繰り返して、一つに慣れたら一つ増やし、それに慣れたら更にもう一つといった具合に。


今は最大で10個同時を1日留めさせる事が出来る様になった。

最初の指先程度の炎しか出せなかった頃に比べたら成長したものだ。


さて、空気中の魔力を扱う事についてだが形にはなりつつあるといった感じか。

自分の魔力を呼び水にしてある一定の範囲内の魔力を自分の魔力として扱える様にはなった。

ただ、これは最近思いついて実際に出来る様になってきたものだから実戦段階ではない。


範囲もまだまだ短いという欠点もあるから使えたものではないというのが現状だ。

次は今までしてきた事に加えて範囲の拡張、そして詠唱をせずに魔法の発動をする事だな。


詠唱したら相手にどんな攻撃かも読まれるし、対策されやすい。

出来るのなら自分の手の内を自らバラす必要はないのだ。

自分の手の内は出来るだけ直前まで隠しておきたいし、読まれないというだけで相手は戦いにくくなる。


戦闘において相手に嫌な選択肢を押しつけれる状況が一番なのだからな。


「まだまだやる事は沢山ある。


剣と素手での格闘に関しては人や魔物とほぼ戦っていないからいまいち実感が解らないな」


近い内に魔物や人間と戦闘をして自分の実力を確認してみるか。

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