第11話
魔力に関してだが、疑問に感じた事がある。
魔力を使い切ってしまった翌朝には、魔力が全て回復している事から魔力が尽きた後は何らかの手段で魔力を回復していると思われるのだが、一体どうやって回復しているのか?
減った物は何処かから調達しなければ増えない。
コップに注いだ水は蛇口や井戸から水を得てコップに注がないと増えない。
減った物が勝手に増える事は本来あり得ない事だ。
そこで思いついたのが空気中に漂う魔力の素の様な存在(これからは魔素と呼ぶ事にする)があるのではないかという事。
いつもは魔力の操作や感知等の魔力に関しての修練は夜にやっているのだが、その検証をする為に今日一日は魔力の修練に充てる事とした。
ちなみに現在は体内の魔力感知、魔力操作はだいぶスムーズに出来る様になった。
それは元々この身体が魔力を幾らか持っている為比較的簡単に出来た事だが、体外のそれに関してはどうか?
「魔力の感知は出来る、それは魔力を代償に現象を引き起こせる程に大きな力であるからだ。
ならばその素になる魔素とやらも同じはず…」
魔力の感知をする時と同じ様に空気中にあるかもしれない魔素を感知する様に意識を向ける。
今はまだ何も感じる事は出来ない。
だが、まだ試す事はある。
少しは成長したファイヤボール(それでも親指の爪サイズだが)を一回行使する。
これで私は魔力が減った状態である。
いつもは限界まで使って寝ていたが、今日は使ってすぐに体内の魔力感知を行ってみる。
満タンの状態に比べて総量が減っているのが解る。
体外にある物を体内に取り込むとなれば呼吸する事が一番思いつく。
何度か深呼吸をしながらも魔力感知に神経を注ぐ。
すると呼吸する度に魔力の総量が僅かにだが回復しているのが解る。
これで魔素の存在は証明された。
存在するかどうか怪しい物を探すより、確かに存在する物を探す方が容易なのは誰でも解る。
今度は魔素が必ずある物として魔力感知を行ってみる。
「これは…何という…」
いつか見た周りが真っ白な光景、神様がいた空間と似たような光景を私は見る事になった。
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