第3話 ゾンビの群れ

この街が出来てから、ゾンビが定期的に街に押し寄せるようになった。

さすがに人口が多いところにはゾンビが寄ってくるわけだね。


そして群れでくるときは、なぜかやつらは移動速度がめっちゃ早い。

狂暴化してる。

なんなんだこいつらは。


パアン。


壁の上からの銀杏くんの狙撃で倒れ行くゾンビ一体。

それを皮切りに入口にいた人たちが一斉射撃する。


パン!パパパパ!ドーン!

耳を覆いたくなるような爆音が辺りを支配する。


100匹くらいのゾンビだったら楽勝かと思っていたら、今日は一味違った。

二回りデカいゾンビが現れたのである。

今までの、生前人だったであろうものとは違い、筋肉繊維が丸見えで、二回りデカい。

キモイ。

銀杏くんの狙撃を頭部に受けても死なず、向かってきた。

これはやばい。

皆で一斉に狙う。


銃弾の雨に、さすがのヤツも倒れた。


「明らかに今まで来てたゾンビと違うな。」

「そうだね、銀杏くん。これは、なんだかまずそうだよ。こんな固いヤツに、僕らが外に出てる間に襲われたら、全滅もありえる。」

「狩りに出かけたツキは大丈夫か?」

「確かにわからないね。今日の狩り予定地まで行ってみるよ。」

「俺も行こう。1人じゃ危険かもしれない。」


ちゃっかりいたレナも合わせた3人で車を出す。10年前とは違って、ついにスキルで車を作れるところまで来たので、それに乗っている。


「あのゾンビ、なんだと思う?」

「わかんないよ。倒せたからいいけど。ゲームで言うならボスなのかな?」

「あー…、確かに中ボスって言われたら納得の見た目だったぜ」

「ゲームのクリアに一歩近づいたと思えば…いいことなのかな。」

「そのうち、あの中ボスしか出てこなくなったら、俺ら負けちまうぞ?」

「うわあ、考えたくない。」


話しているうちにツキのキャンプ地を発見する。


「市長。どうされましたか?」


ツキが驚いて出てきた。

僕らのさっきあったこと、心配事を説明すると、ツキも考え込んだ。


「最近の群れといい、中ボスといい、いったいどこから来てるのか、気になりませんか?」

「巣があるんじゃないか?っていいたいのか?」

「どこか近くに巣があるんじゃないでしょうか?」

「なるほど。なら、探して潰すほうがいいな。」

銀杏くんとツキの間で、巣の捜索と潰す方針が話し合われる。


捜索を始めるのは明日からということで、

この日は一緒に狩りをした。森の中には、鹿が多いので、たまにクマもでるが…肉が大量に手に入るのだ。

今日の成果は鹿2匹、ウサギ3匹。

車に成果を載せて、ツキたちより先に帰る。


「旦那様、今日のお仕事がたまっておりますよ。」


うはあ。かえってから、書類仕事か。

つら。


でも仕方ない。僕ら二人の許可がないと、外にも出れないようにしたのだから。

なんだか、圧政を布いてるみたいだなあ。


つづく







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る