8日目

さあ、我々の決戦の日だ。

敵は壁のあいつ。銀杏くんを殺したあいつだ。

いくらこの世界じゃ死なないからって許さないからな!

今回も自転車できこきこ近づく。が、近づくのは二人で、銀杏クンは遠距離に潜んで狙撃するという作戦だ。


壁伝いに入り口と思われる門に近づく。


「また貴様らか!死にたいのか!」


ヤツがでてきた。

パアァン!耳に響く乾いた音とともにヤツが倒れこむ。


「やった!倒したよ!銀杏くん!」


「こちらでも視認した。すぐ向かう。」


物言わなくなった死体。ピクリとも動かない。

あれ?おかしいな。?死体が

銀杏クンは撃たれたときすぐ消えて、遠方に飛ばされたのに!


ぎぃえええええええ!


死体が動き出す。

動きはゾンビのそれ。


嘘だろ。殺しちまったのか。俺たち。


ドウンドウン!

コトミのハンドガンが二発入ってヤツだったゾンビは倒れた。


「コイツ、消えなかったな。」

「うん。」


ゲームで言うならNPCとでもいうのか?

銀杏くんは二度飛ばされたけど、僕はまだ死んでない。

飛ばされずゾンビになる可能性があるのか?


「いや、たかしは大丈夫だろう。体力バーがある。たぶんプレイヤーなんだ。」


じゃあ、、、コトミは?コトミは死んだらどうなるんだよ?


「たぶん、ゾンビになる。」


「どうした二人とも。中に入っていつものように調べないのか?」


嘘だろ、、、これ、コメディだろ?コトミが死んじゃうなんて嘘だろ?


「誰がコメディなんて言ったんだ?ゲームかもしれないとは言ったけどな。」


僕ら、人を殺しちまったよ。いくらゲームだからって、ひどくないか?


「ゲームだ。あんまり気にするなよ。FPSで何度も倒してるだろ?」


そうなんだろうか?それでいいんだろうか。


僕ら3人はヤツのいた壁の中に入った。


名前くらい聞いとけばよかったと後悔した。


壁の内側には大きな部屋があり、いわゆる教会のような内装だった。


そこには、3人の子どもがいた。


年齢は5歳~7歳くらいだろうか。


女の子二人と男の子一人だった


「ギルはどうしたの?」


「外にいたやつか?」


「そう、僕らのにーちゃん」


「そっか。」


何も言えなくなった。


「お兄さんは食料をとりに旅に出た。これからは私たちがおにーさんおねーさんだ」


ごめん、コトミ。嫌な役をやらせてしまって。


「よっしゃ、みんなで遊ぼうぜ。鬼ごっこしよう。」


銀杏くんが3人と遊んでくれている。


僕は…何もできないでいる。


今夜は眠れそうにない。



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