第25話しつこいやつ

 それから授業間の休憩時間、昼休みと、俺は休みの時間になるたびに小高から逃げ出していた。だがそんなことが長く続くはずもなく、帰りのホームルームの最中俺はずっと小高に制服を掴まれていた。


「あのー小高さん? ちょっとその手、話してくれない?」


「逃げるからやだ」


 なんなんだこの女〜! 頼むから俺に構わないでくれよ。俺がどこで誰と何してようが関係ないだろ。だいたい好きなやつにこんなことするか? 

 いや本当に俺のこと好きかは知らないけど……。

 ほんっと、小高に素顔がバレたの(バラしたの)は今世紀最大のミスだ。俺が卒業するまでずっとこのままなのか? 

 あー学校やめたい……。担任の話が終わり、帰りのチャイムが鳴る。ついに鳴ってしまった。この後何されるんだろう? 

 拷問とかはやめてほしい。俺はスススっと目立たないようにすぐさま教室を出ようとするが、


「ちょっと、逃がさないわよ」


 なんて言って、小高がジト目で睨んできた。


「に、逃げるなんてそんな……。でも僕今日は用事があるからさ、また明日ってことで……」

 

 そんな嘘をついて学校の駐輪場に向かおうとするが、小高は何も言わずに俺の後ろをついてくる。


「あのー僕用事が……」


「わかったから。早く行きなさいよ」


 なんだこの女……。なんて偉そうな態度なんだよ。やってることストーカーと変わりないだろこれ! 小高に苛立ちと若干の恐怖心を抱きつつ、俺は自転車に乗って家に帰る。

 

「やっと着いた」


 見慣れたアパートの前に自転車を停める。今日は疲れた。主に精神が。でも無事、家に着くことができた。さぁ、早いとこ我が家に帰宅しよう。

 俺はガチャリと玄関のドアを開け、家の中に入る。そしてドサっと背負しょっていたカバンを置き、カツラと眼鏡を外す。そして、それと同時ぐらいに。

 

「お邪魔しまーす」


 と言う女の声。


「いやおい! 何入ってきてるんだよ!」


「いや、お邪魔しまーすっていったんじゃん」


「そう言う問題じゃねぇよ。勝手にお邪魔すんなよ! 誰も招いてないんだよ」


 この女。まさか家までついてくるとは。途中で帰るだろと思い何も言わずにいたのだが、まさか家までついてくるとは。

 俺がギロッと睨みつけるが、小高はそんなこと御構い無しにズカズカ俺の家に入ってきた。


「こんなとこに住んでんだー。なんもないね」


「ほっとけ。別になんもなくていいだろ。後早く帰れ」


 俺は切なる願いを小高に言うが、小高は居間に座って携帯をいじりだした。なんなんだよコイツ! 俺はギュルルとストレスにより腹が鳴った。

 


















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