第20話 行ったり来たり

とりあえずその日は解散。

次の日の朝又長崎へと向かう。

7月の終わり、セミも激しく泣き出し

九州も遅い梅雨明けを迎えて

いた。


昼食を取っていたローレンス夫妻

を見つけた。


「ohーkouzyuurou

昨日はご馳走様、どうしたの?」


ローレンス夫妻は光寿郎の

後ろに立つ結菜を不思議そうに

見た。


「たのしんでられますか?

今日は僕の彼女を紹介しょうと

思いましてつれてきました。」


「初めまして

山科結菜と申します。」


「・・・愛莉が婚約者じゃ

無かったの?」

夫妻は顔を見合わせた

白髪のローレンス氏は妻の

ドロシーの肩を叩き


「光寿郎もわざわざ連れて

来たんだ話をきこう。」


ドロシーは細い首をかたむけて

クルリとした目を光寿郎と

結菜に向けていた。



「はい。

まだ婚約はしてません。

僕の

彼女は結菜です。

まだ彼女のOKを貰えないんです。」


「あ、らホホホそうなの?

実は椿から貴方には素晴らしい

女性がいると聞いてたのよ

愛莉だとばかり思ってたわ。」


「すみません。」


「お座りなさいな!」

結菜と光寿郎は同席して

朝食を一緒に取った。


ソレからローレンス夫妻と

テーマパークに言ったりグラバー園

を案内したり

勿論カフェにも案内した。


「雪菜、!」

接待中の雪菜は

お客さんに対して

「ごゆっくりどうぞ」

そう言って結菜の所へやって

来た。


「結菜、帰ったんじゃないの?」

と駆けつけてくれた。


「帰ったけど彼と仲直りして

又来ちゃった。

ローレンス夫妻よ。」

結菜が紹介すると

雪菜は流暢な英語で


「ようこそ

ローレンス夫妻長崎へ‼

一番おいしい、コーヒーと

ケーキをお持ちしますね」

夫妻は大喜び、4人はたのしい

一日を過ごした。


光寿郎は雪菜に結菜が世話に

なったお礼を言った。

そして夫妻は椿に会うため東京へと

向かった。


空港迄夫婦を送り結菜と光寿郎は

ホテルに帰った。


結菜は有給を1週間取っていた。

勿論、光寿郎の権限で・・・💦

知らされたのは夫妻と一緒に

東京に、帰ろうとした後だった。


「ん﹏もうっ‼」

ホテルのスイートを光寿郎は

取っていた。

こうなる事を予定していたのか?」


光寿郎は疲れが押し寄せて来たかの

様にグッスリ眠っていた。

ネクタイを外しベルトを緩めて

あげた。


フアアアァアファー

結菜もアクビが出てくる。

今日は随分歩いたなぁ﹏


光寿郎の横で眠りに落ちてしまった。

一、二時間睡眠をとったら

結菜は元気になった。


急に塩辛い物が食べたくて

ホテルを出て近くのスーパーへと

買い出しに行った。


「おにぎ〇煎餅‪‬

には・・・牛乳だな、

牛さんありがとう♡


ハッピーター〇には

断然断然バニラアイス箱入り

コレコレ‼


それからーお菓子を買い込む

ルルルんルルルんガコンルルルん

下手なスキップを繰り返し

アイスが溶ける心配しながら

ホテルに帰ると・・・?


大騒ぎ?何事ですか?

「なんか女の子が居なくなった

見たいよ!」


「へぇー」

ホテルの前にはSPらしき人と

何人かの警備の人が集合していた。


ノコノコとエレベーターの前に

行くと・・・

「光寿郎・・・なにしてんの?」


バッと振り返った光寿郎は

青ざめた顔をしながら・・・


「おまっ・・・何処に行ってた」


「えへへスーパー‼」

光寿郎が支配人さんを呼ぶと


「すまない。

みんなを解散させてくれ。

後から手当を出すという事に

して社員は業務に戻してくれ。」


「分かりました。」


光寿郎は怖い顔をして結菜と

エレベーターに乗った。


ん?ん?どしたー?

いきなり光寿郎がギュッと抱きしめ

ハァ━━ァっと深く溜息を

吐いた。


「恋人繋じゃないの?」

そう言うと

「良かった。」


「く、苦しいょぉーなに?」


「又結菜に逃げられたと思った。」


「へ?あ、アイス溶けちゃう

部屋までダーツシュよ」

とりあえずアイスは何とか無事

ちょっとダランとしてるけど又

冷凍すれば大丈夫大丈夫‼


「あー暑かった‼

シャワー浴びてくるねー‼」

と言うと光寿郎は不機嫌な様子‼

そんな彼に結菜はムカッ


「( ーдー)チッ自分で勘違いした癖に

私に怒る?」


オーシャンビューの景色は最高

ぜーたく、ぜーたく‼

光寿郎のお陰か?


1時間くらい堪能した後風呂を出た。

「光寿郎?光寿郎!!」

テーブルの上に書き置きがあった。


「ルームサービスを頼んで

あるから先に食べて‼


俺は外で食べる、帰らないかも・・・

少しは反省しろ‼」


ポカーン。


ライ〇を開いて

「又、女の子と遊ぶの?」


「だったら・・・」


「分かった

浮気虫が騒ぎ出したかぁ~

アッキレタァもう探さないで‼

ルームサービスも断ったから

自由に遊べスケベ」

そう言うと着拒、ブロックした。


「こうすると光寿郎は

直ぐ帰って来るし(๑ ิټ ิ)ヘヘッ」


しばらしてドタバタドタバタ

乱暴にドアが空いた!


ボフンボフンボフンボフン

とベッドのスプリングが揺れた。


ベッドの下から光寿郎の長い足が

見えた。

(笑、ざまぁwwww)

項垂れてる、項垂れてるwww

良い気味だ。アハハ


結菜は寝転んでアイスをパクパク

ちょうどいいスクイ加減。


光寿郎は項垂れて結菜を探しに

行こうと靴箱を開けた。


(;๏д๏)ﻌﻌﻌ・・・👠👠は?


いるじゃん。



ヴァカメケケケ

結菜の靴、ピンク色のローヒール

俺は作戦変更した。

ソッチがそう来るならオレだって

・・・・・

ソレから又ルームサービスを、

二人分を頼み、デザートも頼んだ

ソレから電話をした。


「おー紗良、今撮影で沖縄か?

え‼長崎?

俺も偶然長崎なんだわ!

良かったら飯食いに来ない?


勿論スイートスイートうん。

待ってるよ。」

ワザと結菜に聞こえるように

楽しそうに大声をあげる。


(Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!まさかモデルの

宮川紗良よんだの?

凄い‼ じゃ無くてどんな関係?)


少ししてベルがなった。

「おー来たか!

待たせすぎ、」


「急に呼ぶからよォ

ワッ凄いご馳走じゃない。」


「君の為に奮発したよ。」


「ワイン飲む?それとも

チュッ(*˘ ³˘)♥(*˘ ³˘)♥」


「ん?・・・光寿郎ガツッきすぎ

私お風呂まだなの先に貰っていい?」


「ああ、俺も入る。」

そう言うと二人は浴槽へと消えた。

結菜はゴソゴソと這い出して

浴槽を見に行った。


キャッキャッキャッ

と楽しそうな紗良さんの声がした。


「光寿郎彼女出来たって聞いたわよ

いいの?こんな事して‼」


「大ぃ━━━━━丈夫!

一回ヤる‼」


「もうっ‼光寿郎・・・💦アッアッ

光寿郎は紗良さんを後ろから

抱きしめた。


ガガガ━Σ(ll゚ω゚(ll゚д゚ll)゚∀゚ll)━ン!!!

ショックは大!



静かに浴室のドアを閉めた。


「ナーンてな!

俺、先に出るワ」


ルームサービスの伊勢エビが

一個無くなっていた。


「ふふーん。予想通りだな!

結菜、もう出て来い‼

茶番は終わりだ、反省したか?」

と光寿朗は声をあげた。


バタンバタンバタンバタン

「ゆ、結菜‼」

全部の部屋のドアを開け探し

回った。


「結菜ーゆいなー」

靴箱から結菜のローヒールが

消えていた。


ガ━━ン=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)

「やり過ぎた!」

電話をかけるが着拒

「は?又着拒・・・💦」


バアアアーンドアを開けてシャッと

ズボンだけ履いてホテルを出た。


トボトボと歩く結菜を見つけて

ホッとした。


「結菜」

ビクッと肩を震わせた結菜は

顔がボーッとしていた。


「結菜?結菜?ゴメン」


「お風呂上がったんだ。

おーっかれサン

ヤってたんじゃないの?」

静かに響く結菜の声は光寿郎の

胸に刺さった。


「裏切り者‼」


「裏切ってない‼

ヤってない、ヤってたらこんな

早く結菜を追いかけられないだろ‼」



「ただ黙って抜け出す結菜を

懲らしめたかった。

少し探し回る俺の気持ちを

考えて欲しかったんだ。」


「キスしてたじゃない。」


「それ・・・は💦ゴメン

やり過ぎだったよ。」



「風呂でも後ろから紗良さんに

張り付いてたじゃない。

ヤり始めて私がいるの思い出し

でもしたの?

汚い、汚い汚い‼」



「ゆい「ちかずくな!この

浮気モノ・・・`✧ω✧´」・・・💦」


引き止める光寿郎の脇腹を

ドカッと蹴飛ばして

タタタタタと走り出した。


「待てってこんな夜何処に

行くんだよ!」

イテ脇腹を抑えながら追いかけた。


《《ほっといてよー馬鹿‼

触るな汚い‼》》

まるで発見したゴキブリを見る

ような冷ややかな目

新聞紙でもあればグルグルに

丸めてブッ叩いている

はずだ。



「だからゴメンって‼」


「(💢▔꒳​▔)は?何が‼」



「だから、違うって・・・💦」


「光寿郎・・・もう無理だよ‼

私たち、無理だ‼」



「俺は、人を好きになったの

多分初めてだ・・・。

結菜の気持ちも分からない・・・💦

だからどうやったらいいか

分からない・・・。」


「別れれば良いんだよ。

考える事無いよ!

私、光寿郎が女と平気で

風呂でイチャイチャしてるの

見ちゃったし

もう、良いわ‼」


「何処に行く?」


「深夜バスで帰る。

乗り換えもあるけど寝れそうにも

無い‼


もう会わないようにしょう。

私・・・光寿郎が女の子といるの

辛い・・・💦

もう会いたく無い‼」


「そうか・・・」


「紗良さんが待ってるんじゃない‼」


「結菜こそエビだけじゃ

腹減ら無いか?」


「もういいよ‼

私の心配 は・・・」


結菜が手をあげるとタクシーが

止まった。


「サヨナラ光寿郎・・・」




「ああ、元気でな‼

ちゃんと帰るんだぞ。

もう探せ無いから、スタッフに

これ以上迷惑かけれない。」



「大丈夫だよ。

もう心配なんかしないで

子供じゃないし笑笑・・・」


「そっか、だよな!」


「うん。」



バタン。






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