第30話 ふふっ。なんて妹思いの兄なのでしょう。

 聖人として――この祖国フランスの守護神となれ。

 お前と同じく、苦しんでいる者たちの神と……なろうぞな。


 そして、主の言葉は、もう聞こえてはきませんでした――



「……これが。私が死ぬことが――この世界への最期の愛となるのだろう」

 牢屋塔の中に1人。

 主の声を聞いた後のジャンヌ・ダルクは、中央に跪いています。

 真上に見える天井を見上げながら、小声でそう呟くと、

「それもいい……。私は、この祖国フランスのために、命を受けた19歳の羊飼いの娘。……こんな私でも、ここまでやって来れたんだ。戦争を終わらせることができたんだから……」

 両目に球粒程の涙を浮かべました。

 その涙はすぐ一筋の線になり、静かに頬を伝って流れて……石畳の床へと浸み込みました。


「ですが、ひとつだけ。どうか主よ! 私の最期の審判をお許しください……」

 ジャンヌ・ダルクは、牢屋塔の天井目掛けて両手を大きく掲げます。

 そして――



『究極魔法ウィッチベル!!!』



 という呪文を唱えました。


 ――すると、ジャンヌ・ダルクの身体は、なんと7色に輝きだしたのです。

「さあ、この世界よ! 私の最期の審判を受けなさい」

 牢屋塔の天井の格子窓の向こうに見える、青々とした空。

 ジャンヌ・ダルクはその空に向かって、大声で呪文を唱えたのでした。


「私は魔女ではない! 私は19歳の羊飼いの娘。私にとって世界とは、羊飼いの娘として、日々、生き続けてきた日常である。私の身体は火刑の業火に焼かれても……それでも私の魂は決して死にはしない」

 7色に輝く身体は、ジャンヌ・ダルクの言葉に反応するかのように、更に強みを増していきます。

「私の魂を2つに分けようぞ! 1つは元いた世界へと帰還し、平穏で平和な日常を返してもらおう。……もう1つは主のお導きに従い、聖人ジャンヌ・ダルクとなってやろうぞ――」

 ジャンヌ・ダルクはそう言い終わると、掲げた両手はそのまま静かに目を閉じたのでした……。


 ――世界よ。


 この世界には、もう魔女はいない。

 お前達がこれから見ることになるのは、聖人ジャンヌ・ダルクである。


 もう1人の私は、羊飼いジャンヌ・ダルクとして、

 再びドンレミで……笑顔で生き続けていくのだ……


 今度こそ――



「我ジャンヌ・ダルクと共に生きた5騎士よ――本当にありがとう……」

 ジャンヌ・ダルク最後の言葉、遺言です。





 メェ〜


 木のバケツ。白い前掛け。

 髪を結い。気が付くと、ジャンヌ・ダルクは羊飼いの姿になっていた。


 メェ〜


 目の前には羊が14頭いて、美味しそうに牧草を食べている。



 ジャンヌ!


 あの頃と同じ光景を、ジャンヌ・ダルクは見ていた。

 ささやかで素朴な私の仕事をまた……嬉しいな。


 ジャンヌ!! ジャンヌって!!!



 ――声が聞こえる。


 ジャンヌ・ダルクは振り返って、聞こえる方を見た。

「ジャンヌって、さあ、もう生まれるよ!! 早く羊小屋に来なさい。マリアさんが赤ちゃんを産むのだからね」

 その声の人は誰なのか? 遠い記憶を辿ってみても思い出せません。

 恐らく、近所に住む羊飼いの住人なのだろうと……。

「ほんとにマリアさんって、部屋のベッドで産むのを断ってさ! ……どうして羊小屋を選ぶんだろうね?」

 その声の人は話を続けます。

「マリアさん、羊小屋の方が産みやすいって……。あたしゃ昨日の夜から、羊小屋に藁を敷いて……腰が痛いのなんのって……」




 ――ああ聖人ジャンヌ・ダルクさま。


 あなた様は、こんなにもドンレミの自分を、今の今まで背負って来られたのですね。

 さぞ、苦しく辛かったことでしょう。


 それなのに、あたしは何も聖人ジャンヌ・ダルクさまの気持ちを分からずに、日々、祈り……信心を続けてきたのでした。

 まだまだ、私欲に染まったあたしの祈り――


 どうかこれからも、こんなあたしでも、

 聖人ジャンヌ・ダルクさま……あたしは祈り続けてもよいでしょうか?



 教えてください……。



 ――新子友花よ。


 そう悩むな。悩みというのは過去の記憶からくる。

 お前はここまでして、ジャンヌ・ダルクを拝んでくれている。

 だから、お礼に、お前に悩みの正体――劣等感の本質を教えてやろう。


 聖人ジャンヌ・ダルクさまは、いつでもあたしの傍にいてくれて――


 劣等感の本質とは自分が死ぬ恐怖である。

 お前は兄の脳梗塞を見つめて、兄のことを憂いていると思っているだろうが、そうではない。

 お前は兄の脳梗塞を見つめて、自分が同じ病気になって、自分が死ぬ恐怖を発見してしまったのだ。


 聖人ジャンヌ・ダルクさまは話を続けて――


 お前は死を否定したい。認めたくない。

 ――例えば、身近な親友が病気で亡くなったことを否定する行為、それが劣等感となってしまう。

 身近な親友の死を認めてしまうと、いずれ自分が死ぬことを認めることになるからだ。


 死を認めてしまうと、お前の頭の中にある幼い頃に出会った人々――という記憶と矛盾が発生してしまう。

 いつかは訪れる死。死んでしまうと、そのすべての記憶とお別れしなければいけなくなる……。

 死を否定するとはな、頭の中で生を合理化することだ。


 生死の不合理の結果、その乖離が劣等感になり頭の中の無意識に抑圧されてしまう――



 でもな、新子友花――



 この不合理を解消するために信仰があるのではないか?

 そう思ってほしい……。


 お前がいつも聖人ジャンヌ・ダルクに祈っている姿を、私はいつも見ているぞ。



 だから新子友花よ、ありがとう。


 お前、生きていれば良いことあるからな!!



 ――ところで、自分でこの小説を書いておいてなんなのですが、


「何度も何度も、あたしのことを、お前って言うなー!!」


 と、あたしはあたしにツッコミました……とさ。



 ――あたしは、兄を病気で死なせたくないと、無意識でずっと思っていた。


 あたしは、目の前の兄の病気という現実から、ある言葉を思い出しました。

 兄から言われた、自分の名前友花の由来。

『友花の花は、さくら……』と兄から教わったそれです。


 あたしの無意識は、自分の名前という“アイデンティティ”を兄から承認されたと思っています。

 でも、その兄が病気で入院している現実に、あたしは自分の“アイデンティティ”が、このままでは死んでしまうのではないかという気持ちを……恐怖心を覚えたのでした。


 そのやるせない気持ちを晴らすために……あたしは両親へ嫌悪感を抱くようになった。

 両親の兄への発言を否定することで、あたしの無意識は兄の回復と生存を望んだのでしょう。


 そして、あたしの“アイデンティティ”は守られるのです――




       *




「あのさ……。お前、俺からひとつ助言してもいいか?」

 忍海勇太が新子友花へ話し掛けた。

「俺が病院に行くから、先生に今日のラノベ部は休みます。……って伝えといてくれって頼んだ時の、あの日の昼休みのことだ」

(詳しくは新子友花のスピンオフ『2039年 あたしの旅』を読んでください)

「……お前、俺がそう言った後。お前は俺にさ、『えっ?? 勇太って、どこか具合が悪いの?』って聞いてきて。俺が『ああ、そうだけど』って言ったら。『勇太! どこが?』って」


「うん。覚えてるよ」


 ――舞台はラノベ部である。

 いつもの通りというか……各自、部室で文芸誌のそれぞれの担当を自席で練って書いていた。

 そんな中で部長の忍海勇太が、キーボードを打つ手を止めて新子友花の席の真横に立ちながら、

「俺はさ、あの時に……お前に、俺の病気の事を聞かれるだろうと思って身構えていたけど」

 と喋りながら、彼女のPCに映っている『あたらしい文芸』のメインの小説を黙読する。


「……そ、そなんだ」

 新子友花もキーボードの手を止めて、両手を膝の上にちょこんと置いた。

「お前は結局、最後まで聞いてこなかったな」

「……それは、勇太が病気で辛い時に、それをネチネチ聞くのも悪いと思ったからだよ」

 真横に立っている忍海勇太の顔を見上げて、新子友花は応えた。


「勇太様? どこか具合が悪いのですか??」

 2人の向かいに座っている神殿愛もキーボードの手を止めて、よっこいせ……と前屈みでPCの上に身を乗り出す。

「……ほら、こうなるんだ」

 忍海勇太が神殿愛に掌を向けて言う。

「身近な人に自分が病気であることを喋ったら、誰でも聞いてくる。生徒会長の神殿でも聞いてくる。そんなものだ。でもな……それは決してな、悪気じゃないと俺は思う」



 自分の病気は、自分にしか治せないのだよ――



 新子友花は、以前、教会で聖人ジャンヌ・ダルクの声を聞いた時の言葉を思い出した。

「……あのさ、勇太? あたしに何を言わんと?」


「だからさ! 俺は、お前に何度も何度も言っただろ! お前は頑張りすぎなんだってば」

 忍海勇太は真剣な口調で、新子友花の良くも悪くもある性格の癖を教えた。

「そうですよ。友花って!」

 彼に続き、神殿愛も会話に入ってきた。

「友花は毎日さ! 献身的に朝の礼拝をしているくらいなんだから……。私もさ! 友花のそういうところを教会で認めたっけ?」


「……あ、ありがとう。……その要するに、あたしのメインの小説はって、その……」

 忍海勇太と神殿愛の言わんとすることを、新子友花は2人の言葉を聞きながら考えていた。


「……その、つまり“真面目過ぎ”じゃん! てこと??」


 うんうん……と口を開くことなく、2人は頷いた――

「友花ちゃーん!」

 そんな真面目な展開に水を差したのは……。

「私、友花のこと、ずっと小学生くらいから知っているけどさ! だから、友花のことが分かるんだ! 友花の頑張りようって、私は友花の幼馴染として凄いな~って思ってるからね。大好きになるくらいにさっ♡」

 と、何故か自分の胸の前に両手でハートを作る東雲夕美だった。



 ――あたしにとって、兄から認められた自分の名前に『さくら』があるという言葉は、あたしにとっては兄への承認欲求である。

 でも、この欲求を維持し続けていくと、両親の兄への発言と対峙しちゃうし。


 誰にでも、これを失ってしまうと自分ではなくなるという思い出があると思う。

 あたしの初等部での滑り台の思い出――助けてくれた兄。

 これが兄への承認欲求となり、あたしにとって兄なくしての平穏と平和はない――


 なんだか大袈裟かもしれないけれど……あたしにそういう気持ちが内在しているのは事実だし。



 新子友花。お前は、お前でいいのだよ。



「友花ちゃん……」

 東雲夕美が良い子、良い子だね~と、友花を頭をなでなでする……。

「にゃ!!」

 すると、新子友花は恥ずかしくなり赤面しちゃった!

「……私もさ、友花ちゃんのお兄さんをよく知っているよ。3人で一緒に遊んだこともあったね。……だから、友花ちゃんのお兄さんを思う気持ち……私分かるよ。あんなに元気で動き回っていたもんね……」

 良い子、良い子を繰り返している東雲夕美――

 彼女の手を、新子友花は……払おうとはしなかった。


「新子友花さん。先生からもいいですか?」

 大美和さくら先生が近寄って話し掛けてきた。

「はい、大美和さくら先生」

 先生は、スタスタと新子友花の隣に来ると、

「先生の名前は、『さくら』ですね……」

 中腰になって彼女と目線を合わせた。


「はい……」

 新子友花はコクリと頷く。


「先生の方が、新子友花さんよりも直接的ですね……」

 大美和さくら先生はニッコリとして――

「……先生もね、両親に自分の名前の由来を尋ねたことがありました。……そしたらね。先生も桜のようにって言われて」

「桜のように??」


「……ふっ! ま……まあ最後まで聞いてください」

 大美和さくら先生は何かを思い出している様子で、ぐふっと口角を上げ下を向きながら少し笑った。


「先生は、一人っ子なのです。兄弟も姉妹もいません。その点については、新子友花さんがね……兄がいるというのは、先生としてはかなり羨ましいというか、興味があります。まあ、それはいいとして……」

 一呼吸を取り、顔を上げる。

「……父が母にプロポーズしたのが確か3月11日の――聖ジャンヌ・ブレアル学園近くの丘の上の公園でした」

「プロポーズ?」

 話が見えない新子友花が、そう聞き返す。

「ええ……」

 大美和さくら先生はしばらく口を閉じて……そして直ぐに。

「その時にね……その公園には、“河津桜”が満開だったと両親から聞かされました。何度も何度もです。……まあ、母のお腹の中にはね、新たな命が芽生え……まあ、それって私なんですけどね」

 また下を向いてしまった大美和さくら先生、思い出し笑いなのか? クスクスッと小さく笑っている。

「父が河津桜の下で母に結婚しようってね。キャーー!! 私ったら教職の身でこんなことぶっちゃけトークしてる。ほんとに、キャーー!! ですねぇ~」

 頬っぺたに両手を当たて、やんやん……と首を左右に振り振り。

 自分でぶっちゃけて、自分で恥ずかしがっている大美和さくら先生だった。


 それって先生、出来婚じゃん……。


 そのやんやんを……数秒間見つめていた新子友花。

「あの? 先生って……何を仰り……」

 当然のこと、頭の上に『?』の疑問符が浮かんでいた。


 こほんっ!


 咳払いをする大美和さくら先生――

「新子友花さん。よ〜く考えてみましょうね。友花という名前を付けたのは新子友花さんの両親ですよ。お兄さんが付けたんじゃありませんからね」

 先生は右手を新子友花の膝の上に乗せる。

「……両親を否定したい気持ちは分かります。けれどね、否定したい起因となっているのが、兄から聞いた自分の名前の由来というのは、変ですよ。そうは思いませんか?」

「……確かに。あたしの名前を考えたのは、あたしの両親だし」

“友花”という名前を考えたのは新子友花の両親なのだから、名前に込めた“さくら”という意味も同じく両親が決めたことになる。


「あの、新子友花さん……。あなたのお兄さんの名前を教えてもらえませんか? そして……いいえ新子友花さん。あなたは、お兄さんの名前の由来も知っているのですよね。多分、そうだと思うのですよ」

 ……左手も新子友花の膝に添えて。


新子友幸あたらしともゆきです」

 ためらうことはなく、兄の名前を教えた新子友花。


「……ふふっ」

 大美和さくら先生は、いつもの微笑みを新子友花に見せる。

「なんて妹思いの兄なのでしょうね。新子友花さん……。とてもとても羨ましいくらいに、お兄さんはあなたのことを思ってくれているのですよ!!」


「あの……どういうことですか? 大美和さくら先生」

 新子友花には先生の話が、ちんぷんかんぷんな内容に聞こえた。

「いいですか? お兄さんはね。自分の幸せを自分の妹の名前に見つけたということですよ!!」


「……………」

 しばらく自分の金髪ロングの髪の毛をクルクルと回して考えて……みたけれど。

 新子友花には、やっぱり意味が分からなかった。


「じゃあね! 先生が端的に教えてあげましょうか。ふふっ……」

 大美和さくら先生は優しい眼差しを新子友花に見せた。

「桜の花言葉は、『優美な女性』です。……お兄さんは純粋に、新子友花さんが可愛いって言ったのですよ。そしてね、新子友幸さんは、ベッドの上でご自身の病気と闘い続けていても、本当は幸せなのですよ」

「どういう意味ですか? 先生??」

 やっぱし意味難解で分からなかった。

 少し眉間にしわを寄せて、髪の毛をクルクルと回すスピードを速める新子友花である。


「……何故なら、生まれた時から名前に“幸せ”があるのですよ。掛け替えのない自分自身の幸せじゃないですか!! 自分の名前に幸せがある。例え……どのような最後を覚悟しても、必ずお兄さんには幸せがあるということです」

 まるで、お昼過ぎの秋晴れの空のように――大美和さくら先生の眼差しは澄んでいる。

「兄の名前に幸せ……。そんでもって、あたしの名前には桜……」

 クルクルと動かしていた指を止める新子友花。

「……つまり、お兄さんにとっては簡単な言葉遊びなのですよ!」



  友花は、優美な女性として生きなさい――



 ――新子友花の膝に乗せていた両手を、そっと下した大美和さくら先生。

 先生は中腰からスッと立ち上がった。

「新子友幸さんは、妹の新子友花さんに、さり気無く……。俺の心配をするよりも友花は自分の青春を謳歌しなさい。……自分の妹にね、自分の人生をもっと大切にしなさい!! という、新子友幸さんからの真心です」

「……友花の花は、さくらの花だからですか??」

「ふふっ。はい、そうですよ!」

 大美和さくら先生は大きく頷いた。

 そして、今度は隠すことなくクスクスと笑顔になったのであった。



「――ところで新子友花さん!」

「は、はい……大美和さくら先生?」

 ちょっと笑い過ぎて涙目になってしまった先生が、指で目元を拭いながら、

「あなたにとって『あたらしい文芸』に相応しいメインの小説とは何なのでしょう? それを考えてみてください。新子友花さん。あなたが今書いているそれは文化祭の出し物ですよ! それを忘れてはいませんか?」

 と、新子友花のPCのモニターに映っている文章を見つめる。

「それは本当に、新子友花さんのお兄さんの闘病ですか? 両親への気持ちでしょうか? それとも聖人ジャンヌ・ダルクさまをモデルにしたフィクションですか?」


「あ……あはは。それが、どーも難しくて色々と試行錯誤してます」

 新子友花じゃ姿勢良く座り直して、もじもじと恐縮した。

 PCに向けていた視線を、ゆっくりと彼女に向ける大美和さくら先生。

「みんな、誰も新子友花さんを責めてはいませんよ。忍海勇太君が言われたように、頑張り過ぎなだけなのですから……」


「頑張り過ぎですか??」

 ずっと前の昼休みだったっけ?

 忍海勇太から言われたそのキーワードに反応して、すかさず先生を見上げた新子友花――


「そうです……。その理由は良い小説を書いて、みんなから褒められたいという気持ちから来るのだと思います。……先生にも褒めてもらいたいという気持ちはあります。けどね、そのような結果を気にする努力は、正直しんどいだけですよ」

 自分を見上げている新子友花の目を……大美和さくら先生は逸らすことなく、

「エンディングを見たいがためのRPGではなくて、いろんな楽しみ方がゲームにはあるように――」

 でも、真面目な話を続けてきて最後に例えた話はゲーム?


 国語教師の姿からは想像できない、ゲーマー大美和さくら。



「書き終えた自分ではなく、書いている自分を大切に思って書いてください」





 ――とまあ、こんなことをずっと書いてきたけれど。


 こんなのが文芸誌のメインでいいのかな? いいわけないよね??

 書いたらさ! なんか、すっきりと頭の中が整理できたけど。


 でもさ!


 あたしは、こんな『あたらしい文芸』なんて納得してないんだから!


 そーだ! そーだぞ!




 だからさ――





 特別編に続く


 この物語は、ジャンヌ・ダルクのエピソードを参考にしたフィクションです。

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