RE:第二章 三匹の”ブタ”
第27話 RE:Side-Boss1 Hello To The New World
――我々はこの男を知っている! いや! このまなざしとこの顔の傷を知って……!
〜 PiPiPiPiッ! PiPiPiPiッ! PiPiPiPiッ! ……カチャン! 〜
――あぁ……クソッ、確かに顔に傷はあるけどさぁ……何で”ス◯ード◯ゴンのジイさん”っぽい事を、オレが言われなきゃいけないんだよッ!? オレはまだ
〜 ムニュゥゥッ! 〜
「ブッ!?」
「……ス〜ニャ〜ス〜ニャ〜ス〜ニャ〜……ボスゥ……もっと、オニクタベタイよぉ……ス〜ニャ〜ス〜ニャ〜ス〜ニャ〜」
「……」
……またかよ、オルセット。エェッ? また、オレのテントに勝手に入り込みやがったのかッ!? エェッ!? 最初はカワイイと思ったけどサァッ!? この
「……オラ、オルセット……! 目覚ましはもう鳴ったんだよ、起きろ……よッ!」
〜 ガッ、バサァッ! 〜
――ちゃぶ台返しならぬ、
「フギャッ!?」
〜 ゴロゴロゴロゴロ……ドサッ! 〜
「ウ〜ン……アレェ? ボォスゥ……? オニクはぁぁ?」
「……寝起き一発、寝ボケ
「……エェェ〜おナカ
「……ハァァ、分かったよ。いつも言ってるけど……オレが朝メシを準備している間に、その
「……エェェ〜ボスゥ〜、やってよ〜」
「甘ったれた事言ってんじゃあねェよッ!? てかここまでのやり取り、何回目だと思ってんだ!? オルセットッ!? 身だしなみとかに詳しい”女”とかじゃあねェんだぞ、オレはッ!?」
――全く……一応、オメェの”保護者”だけどさぁッ!? オメェの”
「……エェェ〜ボスゥ〜、やって〜」
「だから断る。キャンプセットと一緒に初日に
それとじゃあもしもだが、やってもらった後……その代わりにオルセットは、ここ数週間で”マトモなメシ”を
「……」
「ねェだろ? なら、自分でやってくれ。オレは朝メシの準備をするから。いいなッ!?」
「……ハ〜イ」
〜 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……。 〜
……ハァ、もう……こんなやり取りが
〜 カッ、ペカァ! ボドボドボドボド……! ……カスカスカス……ッ! 〜
――青々とした空! サンサンと照りつける太陽(?)! そして周囲はマイナスイオンがプンプンするであろう、原生林の数々! こんな絶好なキャンプ地で、ダッチオーブンを使ってのワイルドな
〜 カッ、ペカァ! ボドボドボドボド……! ……カスカスカス……ッ! 〜
――宿泊施設も充実ですよ!? 日本有数のテント専門メーカー「Okawa」の、ちょっとした小屋ぐらいもある、広々とした居住性抜群の高級テント! 夜でもグッスリ、朝になっても永眠したくなる程の「Musuka」社製の高級シェラフ!
更には(手動だけど)地面の石などのゴツゴツさとオサラバできる、高級エアーベッド!
〜 パカァ! サラサラサラサラサラ……。 〜
――そして
煮ても焼いてもメチャメチャ美味いんですよッ!? 特に、
〜 ゴソゴソ……シャラン……! シャッ、シャッ、シャッ、シャッ……! 〜
……あぁ、クソ。テンション上げるために今日は”ジャ◯ネットた◯た”的なセールストークで、周囲の状況を思い浮かべてみたけど……もう三度目くらい? ……やっぱ忘れたわ……。
〜 パカッ、ゴリッゴリッゴリッゴリッゴリッ……。 〜
――いやぁ、初めてと言っていいキャンプ暮らし……楽しいよ? けど、これが一ヶ月近くも続いてみ? 最初は楽しめていた”自然の中の楽しさ”はって奴は、有り難みを失ってくるし……。ほぼ定住してれりゃ……最初は迷い、冒険してる! ……って、
〜 ……パコッ、コトン。チャプ……クルクル、クルクル、クルクル……。 〜
要はな?
……ていうか、オレ誰に話してるんだっけ? ……ハハッ、何考えてんだが……クソ。
「……フニャァァァァァ……! オハヨ〜ボスゥ〜」
「あぁ、おはよう……オルセット……」
……
「……ンッ? このニオイ……エェェ〜また”トマトリゾット”ォォォ〜?」
「現状のスキルとかで調達して、作れる朝メシはこれぐらいしかないって、何回も言ってるだろ〜? それに、トマトは体に良いし水分も取れるし、肉ばっか食っていると体に悪いって事も言ってるだろうが〜?」
「エェェ〜」
「つべこべ文句言うなら、メシ抜きだぞ〜?」
――ホラホラ……言葉のジャレ合いそこまでに、サッサと向かいでもコッチでも良いから……席に着いて飯食えや。
〜 ……クルクル、クルクル、クルクル……ストン。 〜
「……ンッ? アレ? チョット、ニオイがチガウ……?」
――おおっ、オルセット? コッチでも良いと思ったけど……肩、
「おっ、
「……シサクヒン?」
「……あんまりオマエが
「……オヒロメ?」
「……知らせる事。大抵は、オメデタイ事に対して言うんだが……オレみたいにちょっとした事を、大袈裟に言いたい時にも使えるな。まぁ所詮、粋な言い回しって奴だ」
「……オオゲサ……ショセン……イキ?」
「……とりあえずメシを食おう、オルセット。勉強はその後でだ」
「……ハ〜イ」
〜 チャポッ、トクトクトク……チャポッ、トクトクトク……。 〜
「ホイッ、トマトリゾット大盛りお待ちィ!」
「フニャ〜気はススまないけど……イイニオイ〜」
「……お前なぁ……」
……そりゃぁ……さ? 生の肉とか野菜とか……そう言った”
そんな食材が限られてる中で、何とか
後、前から言ってるけど……頼むからガマンしてくれよ……ッ! オルセットォ〜?
「まっ、いいやッ! ボスが作ってくれるのは、毎回オイシ〜しね! イッ、タダッキ、マ〜スッ!」
……あぁクソッ、聞き飽きてるハズなのに……毎回その不意打ち……
〜 ニャァァァ〜ン……パクッ! 〜
「……お味はどうだ?」
「……」
〜 ガツッガツッガツッガツッガツッガツッ! 〜
――おっ、おぉぉ!? この初めて”無水トマトリゾット”を作った際に似た反応は……ッ!?
「オイッ、シィィィィィッ!? 何コレボスゥ!? 何コレェェ〜!? 何入れたのォォォォ!?」
――う〜ん……お久しぶりの、この目がギラギラとした幸せ一杯、感動一杯そうなこの表情……! 待ったり、装置作ったりするのがクソ
「……知りたいか? オルセット……?」
「ウンウンッ!
――説明含めて、聞いた後……今度こそ手伝ってくれるとイイんだけどなぁ〜?
「それはな? 削った燻製肉だ」
「……ケズッタクンセイニク? ……あっ、この……ホンワリお肉のニオイがする……黒っぽい線がそ〜お?」
「そ〜だそ〜だ! 簡単だけど、作んのは大変だったんだぞ〜?」
――いやぁ〜しかし、”異世界に来たら、サバイバルはアタリマエ”……って思って、色々と調べておいて良かったわ〜! 昔から、他のクラスメイトとかが残した食べ残しが、
コッチに来ても、食い切れない”狩った肉”をどうにか保存できないかと、記憶を
”脂身の除去”は、まず
〜 ガツッガツッガツッガツッガツッガツッ! 〜
――それに、”燻製装置”を組み上げるのに必要な、丁度良い”木の枝”探しもホンット苦労したからな〜。魔物の襲撃がフツ〜にある森の中、銃とサバイバルナイフを肌身離さずしながらじゃあないと……いけなかったからな〜。
……それで、
乾燥中の生肉を
「……プニャ〜! ボスゥ! オカワリィィィッ!」
――まっ、久しぶりなこの
「……オゥ、大盛りでか?」
「ウンッ! モチロンでしょ〜ボスゥ? ボク、いつもオオモリでしょ〜!?」
「ハイハイ、ちょっと待ってろ……」
〜 チャポッ、トクトクトク……チャポッ、トクトクトク……。 〜
「ホラよ、大盛りお待ちドォ!」
「ウワァァヤッタッ! イッタダッキ、マ〜スッ!」
〜 ガツッガツッガツッガツッガツッガツッ! 〜
――フッ、ホント……色々まだ言いたい事はあるけど……作った甲斐はあるよなぁ……。
〜 チャポッ、トクトクトク……チャポッ、トクトクトク……チャポン。 〜
「……頂きます……」
〜 ア〜ン……カプッ! 〜
……ウン、いつもの”トマト缶”に、たっぷりの”オートミール”と”レンズ豆”、”
オレはグルメレポーターじゃあねェけど……まぁ、とにかく……メチャクチャ
「ねェ、ボスゥッ!? コレ! この”クンセイニクリゾット”ッ! おヒルも食べられるッ!?」
「……悪いな、オルセット。これは朝限定のメニューだ」
「エェェ〜なんで〜ッ!?」
「……”塩”を食べ過ぎると病気になりやすくなるって、前言ったよな?」
「エッ? ……ウン、そうだね……」
「んで、この燻製肉……作るのに大量の”塩”を使ってるんだ。と言う事は……分かるよな?」
――多分、内陸なこの土地じゃあ……庶民どころか、お貴族様も
それと確か、塩分の取りすぎは……「高血圧」とか「
「エェ〜そんな〜」
「……そう、残念がんなって。この燻製肉は、結構大量に作れたし……しばらくは朝メシのメニューとして出せるぞ?」
「ホントォッ!?」
――おっ、おォゥ……。だから……その嬉しい時とかに、頭突きする勢いで顔近づけんの……地味にやめてくれェ……! カワイイけど、心臓に悪いッ!
……後、最近”
「……ただし、大量にあるからって……オレが居ない
「ヒド〜イ! ボクがツマミ食い〜?」
「……以前、オレが森で見つけた……デザートにしようと思って持ち帰った”フルーツ”を、勝手に食べていたのは誰かなぁ〜?」
「……にゃ、ニャンノハナシカナァ〜?」
「……
「……ツマミ食いしちゃあ……いけないとか?」
……学がないのは仕方ないけど……ホント、オルセットに”ものを教える”際は……「小学生」……悪く言っちゃえば、「幼稚園児」に”道徳”とかを教えるような気分になってくるなぁ……。
コレ、ホント面倒だけど……まぁ、やり甲斐はある。物覚えは悪い方だけど……チャンと学んでるみたいだし……!
「……そうだぞ? オルセット君? オレだから、軽い説教で済んでるけど……これがオレ以外の人間とかにやってみ? 多分だけど……良くて、ボコボコ。最悪の場合じゃあ……武器とかナイフ、更には魔法なんかが飛んでくるかもしれないぞ〜?」
「そっ、それはヤダなぁ……!?」
「だろ? だったら、オレに何も言わず、摘み食いとか……物を持ち出すのはやめるようにして、他の人にしないよう”予習”しとかないとな?」
「……ハ〜イ、ボスセンセ〜!」
――こ〜ゆ〜”悪ノリ”にノッてくれるのも、イイんだよな〜。オルセットは……ッ!
「ウム、日々精進だぞ! オルセット君ッ!」
「ハ〜イ、ショ〜ジンしま〜す……! ……だから、オカワリッ!」
――おい、オレが食っている間も掻っ込んでたのは知ってるけど……それでも食べんの早すぎだろッ!?
「……オルセット? 言っとくが……次で最後だぞ? 大盛りでも……!?」
「ケッキョクあるんでしょ〜? だったらチョ〜だいッ!」
……オレも結構食う方だけど……”二〜三人前”ずつで、考えて作ったんだけどなぁ……?
「……ハァ、OK。待ってろ……」
〜 チャポッ、トクトクトク……チャポッ、トクトクトク……。 〜
「ホラよ、コレがラスト……!」
「ウワァァ〜ヤッタッ! じゃあ、イッタ、ダッキ……!」
「ただしだ! オルセット?」
「……ナニ?」
「この後の昼までの食糧調達……! 一人でもサボらずやれるか?」
「え〜ナニやんの〜? ボスゥ?」
――ホント、説得大変だよなぁ……
「オルセット? 前から”分担作業”は大事だって言ってるだろ? ここら辺の”
「……ボスゥ?」
――イヤ……疑問文にする事でもねェだろ、オルセット!? どっか認めたくないのかもしれないけど……!?
「そうだろ? オレのテント設営を、『ボクも手伝うよ〜ボスゥッ!』……ってウキウキに言いつつ、ウキウキに一つ……テントブッ壊したのは何処のドイツだ? えぇ? その後片付けをしたのは?」
「……」
……なんか、一ヶ月も同居(?)してきて分かってきたけど……オルセット、認めたくない事があると……ジョジョに目線を逸らすように、そっぽを向くんだよなぁ……。
相変わらず……この幅広い”折りたたみソファ”なのに、肩が
「……少しでも、オレに対して悪いとでも思ってんなら……チャンと協力してくれよ? オルセット」
「ハ〜イ」
「……フゥ……あっ、そう言えば……リゾット作ってる際に、一緒に仕込んどいた”ローズヒップティー”! もう出来たと思うから……それ食べ終わったら、オルセットも飲んどけ」
「エェェ〜あの、”スッパイ味”のオチャ〜?」
「頼むから、ブ〜タレないでくれよ……オルセット。生野菜とかをほとんど食えない現状、病気やウイルスから体を守るのに必要な”ビタミンC”って栄養が、このお茶にはタップリ入ってんだよ……。
それに病気やウイルスは、
「……分からなくないケドさ〜? ボスのリョウリとか食べてきて……前よりィ……体がカルくなった気がするし〜?」
「だろう? だったら、そこのソファ近くに置いてる紙皿類から、紙コップを取って……!」
「でも〜? やっぱ〜? スッパくて〜イヤだなぁ〜?」
……コイツ、味を占めたなァ……?
「……まぁ、朝だし良いだろう。”砂糖”入れてやるけど、慣れるようにはなっとけよな?」
「ウワァイ! ヤッタァ〜ッ! ボス大好き〜ッ!」
――真横に居るウッキウキなオルセットが、トマトリゾットを
……ウン、他にも”チョコ”とかのデザートをたまに食わせてるハズなのに……意外と文句言う割には、この砂糖入りの”酸っぱ甘い味”が好きなのかねェ……? ……出せるようになったら、”アセロラジュース”でも勧めてみるかァ?
〜 トクトクトクトクトク……。 〜
「ホラよ。ただ、飲むならトマトリゾットもチャンと食い切れよ? 後……最終的に”砂糖抜き”で飲めるようにもなれよ? じゃあないと、虫歯菌の大群がオルセットの立派な歯を……襲撃しに来ちゃうぞ〜?」
「モォ〜シツレイだよ〜? ボスゥ? ボクがチャンッ、とッ! キバとかをミガいてるの〜ボス見てるでしょ〜?」
――そう言えば、ここだけ記憶がハッキリしてるのか……オルセット、歯の事を”牙”って言ってるんだよなぁ……。ここだけ、ファンタジーぺぇ〜なぁ……。
「……まぁな。歯磨きサボんじゃあねェぞ、オルセット?」
「……分かってるよ〜ボスゥ。あっ、カクザトウは、”サンコ”オネガイね〜?」
……全く、イヤしんぼめ。一個でも充分な甘さだってのに……!
「ちゃんと、歯ぁ磨けよ? ホラ」
〜 ガサササァ……チャポポポン、クルクルクルクル……ズズッ……。 〜
「フニャァ〜。スッパイけど、オイシ〜」
――フッ、まぁ分からなくはねェな。オレも初めはその強烈な酸っぱさが苦手だったし……。
〜 トクトクトクトクトク……ズズッ……。 〜
「……あぁ〜酸ッペェ!」
「……カクザトウ入れる?」
「おいおい、何度も言ってるだろ? オレは良いんだよ」
「フ〜ン……」
〜 パチパチ、パキッ、パチパチパチパチ、パキパッ! ……ズズッ……。 〜
……ウン、この世界……朝と深夜ぐらいが、こう……目の前で”焚き火”してても特に冷え込む感じなんだけど……やっぱこう、あったかい
「……後はコーヒーがあればなぁ……」
「コーヒー? ナニそれ?」
「んッ? あぁ……コーヒー豆って言う種を、真っ黒になるまで
――ホンット、
まぁ、
「……えっ!? ドロ水? そんなの、オイシ〜のッ!?」
「まぁ、苦いしな? まだまだ……ローズヒップティーに角砂糖を三個も入れてる、
「……ム〜オトナノアジ……かぁ……ボスゥ? それ今すぐ作れるゥ?」
「……
「……それ、イジワルに言ってる?」
「言ってねェよ……事実を言っただけだ……」
〜 パチパチ、パキッ、パチパチパチパキッ、パチッ、パキパチンッ! ……ズズッ……。 〜
……さて、食べ終わったら紙
〜 ガスッ、ドカッ、ボコッ、ゲシッ……! 〜
「オラァッ!」
〜 ブゥゥンッ、ボコォォォッ! 〜
「フギャアッ!?」
〜 ズザザザザザザザザッ……! 〜
「ハァ、ハァ、ハァ……フッ、オラどうしたァッ!? ラッシュを
「ニャァ、ニャァ、ニャァ……フゥゥゥゥゥゥゥ……ッ! ニャァラァァァァァァッ!」
〜 ザッギュゥゥゥゥンッ! ドゲシャァァァァッ! 〜
「オバァァァッ!?」
……ヤベェ……! やっぱ、速過ぎ……!?
〜 ヒュゥゥゥゥ〜ンッ! ドガンッ! ザザザザザザ……ッ! 〜
「ニャァ、ニャァ、ニャァ……ニャフフ、コンドはボクの”ダッシュゲリ”……サバく事デキなかったねェ〜? ボォ〜スゥ〜ッ!?」
「……ゲホッ、ゴホゴホッ! ゴハァッ!?」
〜 ビシャァァッ! 〜
「ニャ〜らら、アバラボネがナイゾウにササッっちゃったかな〜? ニャフフ……そのジョウタイじゃあ、もうオき上がれなさそうだし……コレじゃあ、ボクのカチ……!」
〜 キンッ! シュボッ! ズバンッ! ビスッ! 〜
「にゃ、ニャレ……?」
〜 トク、トク、トクトクトクドクドクダラダラダラダラダラ……! 〜
「……ゲホッ、ゴホッ! ハァ、ハァ……前から、言ってるだろ……!? 人間とか……勝つためなら、こう言った……”死んだフリ”とかの……
「そん……にゃ……!? あ…たま……き…をつ……け…てた……のに……ッ!」
〜 グラッ……バタンッ! 〜
「にゃ、ニャブッ!? ニャブブブ、ニャブボボブブブボボボォォ……ッ!?」
……うわぁ……喉撃たれるとあんな感じになるのかぁ……? 水の中じゃあないのに、
「ハァ、ハァ、ハァ……まぁ、オレの
〜 ギュゥオォォォォォンッ! ……ダラダラダラダラダラ……ピタッ! ……ダラダラダラダラダラドクドクトクトクトク……!〜
……うわぁ……スゴッ、地面に流れ出たハズのオルセットの血が、
〜 キュル、キュル、キュルキュルキュルキュルキュルキュル……!〜
……そして、今さっき撃った”フリピスの弾”も……オレの折れた
〜 キュルキュルキュルキュル……ピロリン! Reset complete 〜
「……イテテ、アァァ〜……
〜 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ペチ! ペチペチッ! 〜
……ホ〜ント、キレ〜な顔してるよなぁ……オルセット。……まぁ、オレの「トレーニング」のスキルのおかげで、こんな
「ホラ、起・き・ろ! オルセットッ! 反省会するぞ〜?」
……そ〜言えば、もう一ヶ月近くこの殺傷武器アリだったりする、”
ハ〜ハッハッハッハッ! ……ただ、勝因が”ほぼ
うわっ…私の戦闘力、低すぎ…? ハハッ、マジで
……ハハッ、マジで
〜 ペチ! ペチペチッ! ペチ! ペチペチッ! 〜
「ホラ、オルセット〜? 起・き・ろ! 反省会するぞ〜?」
「……うっ、ウ〜ン……」
……おっ、ようやくお目覚めかぁ〜? んじゃあ、手を貸して……ッ!?
〜 ブゥォォンッ! バッ! 〜
……アッ、ブねェ!? クソッ!? 仰向けに寝た状態からの蹴りィ!? しかも……オレの顔面を正確に狙えてるッ!? だが……オレも少なからずレベルアップして、
〜 ガッ! 〜
――この突き出した右脚を掴んで、”背負い投げ”を噛ます事なんて
「オッ、ラァッ!」
〜 ブゥォォンッ! ゲシャァッ! 〜
「グオォッ!?」
……マジかよ!? 投げられている最中に……もう片方の脚で、オレの腹を……ッ!?
〜 ドシン! クルクル……スタンッ! 〜
……イテテ……クソッ! しかも、余裕タップリなのか……蹴った後、前方に空中回転した後の”
「ア〜ア、ザンネ〜ン。やっとボスが言う”フイウチ”ってのが、ウマくいったと思ったのになぁ〜?」
「……フッ、オレから言わせてもらえば……何度もそれで
……なんて、カッコ良く言っちゃうけど……さっきの蹴り、実際はギリギリだったからなぁ……危ねェ……!
「ボクはイヤなんだよ? こう……ウマくセツメイできないけど……戦うッ! って、決めたら……ボスのテキは”コザイク”ナシに、思いっきりブットばしたいんだよッ!」
……いやなんで、そこで”
「……いい
油断すれば”即死”って感じにな? オルセット? あぁぁ……イテテ、クソッ」
「……大丈夫? ケッコウ、カルくケッたつもりだけど〜?」
「お前は軽くとも、
〜 ギュゥオォォォォォンッ! ……キュルキュルキュルキュル……ピロリン! Reset complete 〜
……あぁぁ……軽くでもオルセットの蹴り、
「ホント、スゴいよね〜そのスキル。ボクもそのスキルがなかったら……何回もボスに、ウたれちゃったり……サされたり、切られたり、ナグられたり……そうして、
――ホンットな!? しつこく言っちゃえる程に、この”トレーニング”のスキル
このスキルを発動させれば、殴り蹴りしようが……ナイフで滅多切りや滅多刺しにしようが……フリピスで
マジでビックリするスキルだよ……。例えるなら、まるで殴ろうが斬られようが撃たれようがビクともしない……ゲームで言う”
あるいは、スキル名のまんま……格闘ゲームなんかの”トレーニングモード”みたいに、もう……キュルキュルッ! ……って感じに、ダメージが巻き戻るように無くなっていくんだよな……! さっきからもう一時間ぐらい……オルセットと
ただ……実戦で使えそうにない”能力制限”があるのがヒジョ〜にッ! 残念だけどな〜。いくら敵の攻撃を受けても、全て”0”になるって……正にあの
まぁ、ただ……今の発言は見過ごせねェなぁ……?
「おい、”死ぬ”だなんて……
「あっ、ゴメン……」
「……まぁ、オレもオルセットの圧倒的な”スピード”と”パワー”の前には……何度も”ヤラレチャウ”一歩手前まで、追い詰められたからなぁ……ホント、仲間で良かったって思うよ……」
「ホントゥッ!?」
「……お、おう……」
……だから、顔! 顔近ェってッ!? ……あぁ、そうだッ!
「オッ、オルセット? ちょっと……休憩しないか? あぁ、ホラ! 飲み物持ってくるからさ!?」
「……なんか、ボスゥ? ウソツいてる〜?」
……もうッ!? なんで分かんのッ!? 汗を舐められるよりも、難しいハズでしょッ!? 嘘発見ってッ!?
「……
「……フ〜ン」
……ウワ〜あの素気ない返事も”納得していませんよ?”って、感じだと良く言ってくるんだよな〜。
〜 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……。 〜
「ホラ、オルセット。昨日から用意しといた”
「ウワ〜ヤッタァ! ヘンな味だけど、甘いからスキなんだよね〜」
……ホント、何で”
「一気に飲むなよ〜? それ一本で、”MP100”もするんだからな? そうポンポン出せるモンじゃあ……!」
〜 プシッ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……! 〜
「……飲んだら、汗も拭いとけよ……」
……イイ飲みっぷりだよなぁ……。後、オルセットがフツ〜に学生生活を送っていたとしたら……陸上部? ……とかの
まぁでも……万年赤点の追試でいっつも、部活前に”補修の先生”とかに引っ張られてそうだけどもなぁ……。
後、”ダース”の奴には悪いと思うが、その根拠に今着ている服もあるしなぁ……。「アウトドアセール」で出せる衣服ってのは、その名の通りアウトドアやキャンプ用に
んで、今着ているのが……取り敢えずの”スポブラ類”の下着に、半袖Tシャツ。今は前を開けているけど、オレンジ色と肌色(?)がベースの”マウンテンパーカー”。そして下が何故か、黒色かつカーゴパンツっぽい”トレッキングパンツ”……しかも、半ズボン。それに”素足”って言う……。
そう、”半ズボン”に”素足”……虫にガンガン噛まれそうな森の中でだぜ? しかも、それ以外に枝に引っかかったり……そもそも、戦闘時の
……それに、半ズボンだと……オレの目のやり場が困るってのも……ッ!?
「プニャ〜、オイシ〜ッ!」
「おいおい、全部飲むなって言ったけど……そんな半分近く飲むのも……!?」
「え〜イイじゃん。チャンとボスの言う事〜マモってるし〜?」
「朝とは言え、ほぼ毎日”角砂糖”食ってるからな!?
「う〜ん、でも〜コワクないの……? ボスゥ……」
「……えっ?」
……いきなり何だよ? オルセット!? あぁ……おい、そんな……急にしおらしく……木にもたれ掛かるよう滑り落ちては……体操座りっぽくするって……!?
「……サイショは何度も……ボスをナグッたり、ケッたり……ジュウをウッたりするのはイヤだったけど……し……あっ、ゴメン……何度も……”ヤラレチャウ”コト……ボスゥ、コワくないの?」
……あぁ、ナルホド。頭で分かってるし、実際何度も”
「……クソ
「……そう。だったら……もう、こんな事……!」
「だけど……恐怖しない奴は”人間”じゃあねェよ……」
……”トレーニング”のスキルあれど、オレもチョッピリ疲れてるしなぁ……。オルセットみたく座って話すかぁ……。
「……ど〜ゆ〜事? ボスゥ?」
「……チョッピリ長い話になるけど……その間、質問せず聞けるか?」
「……ウン、イイよ」
「……人間ってのはな? ズ〜ット昔からそうなんだよ……。暗闇が怖いからこそ、人は火や明かりを見つけて……敵が怖いからこそ、人は枝や棒、そして剣や弓、更には銃とかの武器なんかを作り上げては武装し……人が怖いからこそ、人は目に見える家や城壁とかの壁や……心の壁を作っては、
「……」
「オレだって、こんな慣れない世界で……”ヤラレチャウ”のは怖ェよ……。オルセットが”ヤラレチャウ”のも、スッゲェ怖ェよ……ッ! でも……
「……」
「オレやオルセットが強くなれるなら……ッ! 何度でも、オレは
「……そんなの、ボクだって……!?」
「オルセット? 言っとくが……スキルのおかげといえど、
「……えっ?」
「これは、「トレーニング」ってある意味”
「ボスゥ……」
……聞きたくない、厳しい事だろうけど……
「それにな? これからは、魔物以上にオルセットは”人間”と戦っていくハズだ。そんな中には、オレの”不意打ち”なんかが可愛く見える程の
「……ボスゥ」
「だからこそ、「トレーニング」のスキルの効果を知ってからは……そんな目に合う前に……! どんなにオレが、オルセットの手で”ヤラレチャッタ”になろうが……どんなに…どんなに、思いつく限りの”卑怯な手”を教えるために、オレが……オルセットの事を……!?」
〜 グイッ! ズキュゥゥゥンッ! 〜
「モゴォゥッ!?」
……おっ、オルセット……!? また……ッ!?
〜 ギュゥゥゥゥゥ……ブチュゥゥゥゥゥゥゥ……ポンッ! 〜
……りょ、両手で後頭部を……
「……ボスゥ、もう…イイよ。ゼンブ、分かったかは……自信、ないけど……それでも、言わなくて……ダイジョウブだよ……?」
「おっ、オルセット……?」
〜 ギュ、ギュゥゥゥゥゥ……! 〜
……いっ、色々と嬉しいが……アカン、おっ、オルセット? そう……正面から、そうギュ〜って抱きしめられてると……あっ、
こう、前に三回上も熱烈な”KISS”をされて、彼女宣言された以上……多分!
こっ、こんな……こんな……ハーレム
〜 ……ポン、サラサラサラサラサラ〜。 〜
「フニャ……?」
「だっ、大丈夫だ……オルセット。……あっ、ありがとうな……」
……オレは無責任野郎じゃあない。オレは無責任野郎じゃあない。オレは無責任ヤロウじゃあない……ッ! オレはオルセットが好きでも
そうだ、そうだ! そうだ! オレはボスだ! オレはボスだ! オレはボスだァァァァァァッ! クールで、カッコ良くて、こう色々と無自覚なオルセットへの好意も”頭を撫でて”ッ! こう……控えめながらもチャンと伝えられるッ! エロガキじゃあくて、大人な男なんだァァァァァァァァァァァァァァッ!
「……そっか。良かったぁ……ボスゥ……」
……あっ、カワイイ……。そんなまた、しおらしく……こう、たぶん…ネコが好意のある人物に……
一ヶ月の間で、そこそこオレに見せるようになった行為なんだよなァ……。まぁ、
……だっ、だが断るッ! 今は”色ボケ”している場合じゃあねェんだよッ!? 三度目かは知らねェけど!? 色ボケした末で、”転生保険”が補償されてないであろう以上! そんな事は
「……ホラ、オルセット? もうオレは大丈夫だから……! このタオルで、汗拭いた後……もう少しだけ”
「……エェ〜もうちょっとボスのニオイ、クンクンしたかったのになぁ〜」
……そ・れ・が、目的か!? オルセットッ!? ……いや、落ち着け……前半の
「……気持ちは有難いけど、バッチィから! やめなさいな!?」
「イヤ〜だ〜! スキなニオイなのに〜!」
〜 ギュゥゥゥゥゥ……! 〜
……こんのぉぉ……! 離れないようにまた抱きついて……!? ……よぉぉし! そっちがその気なら……ッ!
〜 ピコッ、ピコピコッ、ピロリロ〜リン! 〜
「ニャフフ〜ン、ボスゥ、ボスゥのニオイ〜♪」
〜 ググッ、ググィグィグィグィグィ……! 〜
「ふっ、フニャ!? なっ、何コレ……?」
「オ、ラァ……よっとッ!」
〜 ゴロゴロン……! 〜
「フギャァ!?」
……ヨォォシッ!
「もう、ボスゥッ!? いきなり何すんの……って、ニャレッ!? かっ、体が……?
――おうおう、フラついてんな〜? まぁ、今は”いつもの慣れた体”じゃあ、
「……ヘブン○・ドアー。お前の基礎能力値は、並の人間と変わりなくなるッ!」
「エェェッ!? またソレェッ!?」
まぁ、実際のそのスタンドみたいにオルセットを
……まぁ、ゲーマーなオレだからこそ、嫌いになり切れないチョイスだけど……。
「相手の能力を弱体化させるような敵なんて、オレの世界にあった物語じゃあ珍しくもない敵だったぞ? だからもしもだが……この世界でも、オルセットの最大の強みである”速さ”とか、そう言った
「ズルいよ〜! ボスゥ〜!」
「オルセットの事を本気でブッ殺そうとする敵を目の前にしても、そんな
「そっ、それは……」
「オレの事を好きだって言ってくれたからこそ、コレをやっているんだ。オレだって、好きなオルセットが……簡単に”ヤラレチャッタ”、なんて事になんて欲しくないからなぁ? ホラ、ボサっとしてないで……早く立って、ナイフを抜け」
「え?」
「ナイフを抜けェ! その腰に装備させたのは”飾り”や”オシャレ”として、オルセットにプレゼントしたワケじゃあねェぞォッ!? 後、渡したタオルで汗拭いとけ」
「う〜ん……分かったよォ……」
〜 スクッ、パンパンッ! ゴシッ、ゴシゴシッ! ポイッ! スッ……シャランッ! 〜
「……おい、タオル! タオル地面に投げ捨てるなって、何回言えば分かるんだよ……!?」
「別にボスが洗ってくれるんでしょ〜?」
「洗う苦労を考えてくれよッ!? 後、首に掛けておくとかで、もう少し繰り返し使うとかさぁ!?」
「イヤだ、ウゴく時ジャマ」
「……おい、オルセット……! お前なぁ……!?」
〜 ……プイッ! 〜
「よし、構えろ。そんな
「ウッ、ボスのイジワル……!」
「イジワルで結構。ただ、そんな減らず口叩いて、ヘッピリ腰してる暇があるなら……オレに何度もブッ殺されないよう……歯ァ食いしばれやァァァァァッ!」
〜 ザッ! ザッザッザッザッザッザッザッ! 〜
「ッ!?」
〜 ザッ! ザッザッザッ、ザッ、ザッ……! 〜
「あっ、そうだった!?」
……おいおい、動揺しすぎだろ? いつもの速度で逃げられないからって……足を止めるなんて……!
「おい、死ぬぞ?」
「えっ!?」
〜 グサァッ! 〜
「フギャァ!? カッ、カハッ……ッ!?」
……全く、何回やっていると思ってんだよ……?
「……まずは、首を一突き。……トレーニング、リセット」
〜 ギュゥオォォォォォンッ! ……キュルキュルキュルキュル……ピロリン! Reset complete 〜
「……ニャハァッ!? ニャハァ、ニャハァ、ニャハァ……!?」
「ほら、刺された所を押さえてる暇があったら、構えろッ!」
「……ニャハァ、ニャハァ、ニャハァ……ボスゥ、ズルい……!」
「ズルいもクソもあるか。戦闘じゃあ、勝つか負けるか……
「ニャヒィッ!?」
〜 ブゥオンッ! ブゥゥンッ! 〜
「ホラァ、どうしたぁッ!? 身体能力が
「ま……まだ、このカラダにナれてな……!?」
「そんな泣き言ォ! 戦闘中に敵は無視するか笑い飛ばすだけだぞッ!? オラァッ!」
「ニャッ!?」
〜 ブゥオンッ! ブゥゥンッ! ガスッ! ゴスッ! ブゥオォォンッ! 〜
「良いぞォ! オルセット! チャンと、オレの”左フック”をガード出来たな? オマケに……ガードした後に、顔への”左ジャブ”からの”右後ろ回し蹴り”! キチンと反撃も出来てる……!」
「ニャァ、ニャァ、ニャァ、ニャァ……フゥゥゥゥ、フゥゥゥゥゥゥッ!」
「良し、
〜 フォンッ! ファッ! フォンッ! フォンッ! キィィンッ! カァァンッ! キィィン……ッ! 〜
……良し、オレのナイフを躱したり……ナイフを使って防御や、斬撃……それに逆手持ちの使い方も上手くなってきてるし、今までなかった”突き”も混ぜてきたりしてるな……!
〜 キィィンッ! カァァンッ! ブゥゥンッ! フォン! ガスッ! ゴスッ! ゴスゴスッ! ブゥオンッ……! 〜
……時折、フェイントや
〜 フォン! ファンッ! キィィンッ! カァァンッ! ブゥゥンッ! ガスッ! ガスッ! ゴスッ! ブゥオンッ……! ブゥオンッ……! 〜
……この一ヶ月……全部覚え切らなくてもいい……ゆっくりでも良い……そう言って現状、オレが知る限りの事を教えてきたつもりだが……言葉の意味とか漢字、後は簡単な読み書き計算とかの”勉強”はほぼからっきしだったが……オルセット?
〜 キィィンッ! フォン! ファンッ! カァァンッ! フォン! ファンッ! ブゥゥンッ! ガスッ! ガスッ! ゴスッ! ガスッ! キィィンッ! キィィンッ! 〜
お前はやっぱ……
〜 カァァンッ! 〜
「ニャハァッ!?」
「しっかりしろォッ!? 顔面、ガラ空きだぞォォォッ!?」
〜 フォォォンッ! グンッ! 〜
……ホォ? ボクシングにおける”
〜 バッ! ブゥォォンッ! 〜
――なッ!? 脚ィッ!?
〜 ドガッ、ゲシャァァッ! 〜
「グッ!?」
……クソッ!? こんな”カポエイラ”みたいな……!? イヤ、むしろコレは……
〜 ググッ……バッ! 〜
「ッ!?」
……そうだよな、オレが相手にしてんのはそもそも”軍人”じゃあねェ……ッ! ”オルセット”だもんなッ!? そんな両腕の力だけで……さっきの奇襲で怯んでいるオレの頭上より上へと、跳び上がっては……!
〜 ブゥォォォンッ! 〜
「ニャラァァァァァァッ!」
……両手に持ったナイフで、オレの頭目掛けての”下突き”……ッ!? 大
「まだまだ隙だらけなんだよッ! オルセットッ!」
〜 スカァッ! 〜
……”
「クッ、ニャラァァァァァァッ!」
〜 ダッ! フォォォンッ! 〜
……今回は”突き”だが……この一ヶ月、オルセットは距離を取られると今みたいに……
〜 ガシッ! グリィッ! 〜
「フギュウッ!?」
……ナイフを持つ手首を
「オラァッ!」
〜 ……カラァンッ! グォォォォンッ! 〜
……すかさず、ナイフを逆手持ちに持ち替えてから、”裏拳フック”の要領でオルセットの首に叩き込むッ! これで、2回目……! チェックメ……!
〜 ガシィッ! グリィッ! 〜
「ウグッ!?」
……なっ、何ィッ!? オルセットが……受け止めて……!?
〜 バシィッ! ……カラァンッ! 〜
「ニャラァァァァァッ!」
……ナイフを叩き落としてからの、”右ストレート”……! だが、甘いッ!
〜 ガシィッ! グリィッ! 〜
「フギュウッ!?」
……さっきの”
「オラァッ!」
……「CQC」のスキルで体得した、合気道の”
〜 グルンッ! ドタァァンッ! 〜
「フギャアァッ!? ……イッタァァァ……ッ!?」
〜 グゥォォォンッ! 〜
……悪いが今は、「トレーニング」中だッ! このまま、頭を踏み抜かせて貰う……ッ!
〜 ブゥォォォンッ! ゲシャンッ! 〜
「ドゥオォォッ!?」
〜 ドデンッ! 〜
……
〜 バッ! フゥォォンッ! フゥォォンッ! フゥォォンッ! フゥォォンッ! フゥォンフゥォンフゥォンフゥォン……スタッ! 〜
……んで?
「……フニャァァ〜、アブなかったァァ〜」
……この野郎……!
「おい、オルセット?」
「ん?」
「さっきの動き……オレのナイフを叩き落としたあの動き……いつの間に覚えた?」
「ニャフフ〜ン……そのウゴき、さっきイタダイちゃった〜」
……口に出すと調子乗りそうだから言わないけど……これだから、
「……良しッ! なら、こっからはお互い武器はナシだ」
「あっ、じゃあ……ボスをマッショウメンから、ボッコボコにデキるって事だねェ〜?」
……フッ、この野郎……! 一ヶ月間、
まぁ、最近じゃあ……この”
「図に乗るな、オルセット? オレに勝つ事が出来るからって……それがずっと、オレを守れるような力であり続ける訳じゃあないんだ。敵は絶対、
「モォ〜分かってるよォ〜ボスゥ〜ッ! ボクの耳がチギれちゃいそうなぐらい……モォ〜何回もキいてるしィ〜?」
「……悪いが、そう言う”真面目な態度”をあまりしないからこそ……心配して何度も言ってるんだよ? それに、人が何度も言う事は大事な事。”言われるうちが華”って事も、何度も教えてるだろ?」
「……ねェ〜ボスゥ〜? 早くハジメよ〜?」
……全く、オルセットったら……どんだけ”運動バカ”なんだか……ッ!
「……じゃあ、オレの言う事を全く聞かなくなって……オレに
〜 ビクゥッ! 〜
「……や、ヤダよぉ……ボスゥッ!?」
「……そっちの方が断然、嫌だろ? だったら……聞けてやれる事は大人しく聞いて、お互いに”生き残れる確率”を少しでも上げていくぞッ!」
「……ウン、じゃあボスゥ……! そろそろヤル?」
……おっ、分かり易いぐらいに尻尾をユラユラとくねらせてるなぁ……? そんなに、
「……良し、じゃあ構えろ! オルセットッ!」
「ウン、負けないよ……ッ!」
〜 ザリィ…ザリィ…ザリザリィ…ザリィ……! 〜
……フッ、なんか……洋画に良くある、両者睨みあったまま……すり足でお互いが円を描くように動きつつ、様子を伺うなんて
〜 ザリィ…ザリィ…ザリザリィ……ピタッ……! 〜
「ニャラァァァァァァァァァァァァァァッ!」
「オラァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
〜 ザッザッザッザッザッザッザッザッ……ッ! 〜
……さて? 仕切り直しからの、
〜 ……グンマァァァァァァァァァァァ……ッ! 〜
「「ッ!?」」
〜 ピピタァッ! 〜
「……ハァ、
「……フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
……ウォッ!? 牙剥き出しだし、尻尾の毛が逆立っているしで、声の方向に向けてムッチャ怒ってるよ!? オルセットッ!?
〜 ……ダダダッ! ダダダッ! ダダダッ! 〜
「さっきの銃声に
〜 ギュゥオォォォォォンッ! ……キュルキュルキュルキュル……ピロリン! Training END 〜
……よし、痛みも無くなったし……叩き落としたナイフも、
「……オルセット? 迫ってくる不粋な
「……フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……エッ!? ぼっ、ボスはァッ!?」
「以前、オルセットさんに”クソザコナメクジ宣言”されたボスさんは……大人しく銃を使って、
「エェェェッ!?」
「ハハッ、と言うのは冗談で……オルセット? ここ最近……ちょっとした大物な魔物でさえも相手してないだろ? それに……別個体だが、マグズリーへの”リベンジマッチ”って事で……この一ヶ月の訓練の成果を、オレに見せてみろ……!」
「……エッ、エェェ〜? デキるかなぁ〜?」
「おいおい、オレとの
「ッ!? ちっ、チガうよッ! ウソじゃあないモンッ!」
「フッ、だったら見せてみな?」
〜 ……ポワァァァァァァ……バシュンッ! クルクルクルクル……チャキッ! 〜
「安心しろ、オレは逃げはしねェ。危なくなったら援護する」
「エッ? ボスも戦うんじゃあ……?」
「オマエみたく、オレが
……悲しいけど……まだまだ「人外(笑)」な身体能力なんだよなぁッ!? クソッタレッ! ”
〜 ……ダダダッ! ダダダッ! ダダダッ! 〜
「ホラ、来るぞッ!」
「エェ……でも……!?」
「あのクソ
〜 ピィィィンッ! 〜
「ウンッ! マカせてェッ! ボスゥッ!」
……ウワァ、ホンット食いしん坊なやっちゃなぁ……尻尾もピンッ! ……って、天に向かって立っているし……。でもまぁ、コレホント合理的なんだよなぁ……”実戦訓練&食糧調達”って感じで、
〜 ……ダダダッ! ダダダッ! ダダダッ! ……グンマァァァァァァァァァァァッ! 〜
「来いッ! デカブツッ! ボクがオマエをブットバシテやるッ!」
〜 グッ、ザッギュゥゥゥゥンッ! 〜
……フッ、良い
〜 パチパチ、パキッ、パチパチパチパチ、パキパッ! パチン……ッ! 〜
「……ニャアァァァ〜ン」
〜 ガブッ! ミッチィチィチィィィィィ……ブチッ! 〜
「ニャグ、ニャグ、ニャグ、ニャグ、ニャグ……ウゥ〜ン、マグズリーのオニクって……カミゴタエスゴイケド……味はスゴくコクて、オイシ〜ねェ〜ボスゥッ!」
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
「……ムゥ〜、ボォ〜スゥ〜?」
「……エッ? あぁ……そうだな……」
……いやぁ、さ? 強いし美人なオルセットさんと楽しくお喋りしながら……ウマイ”マグズリーの焼き肉”に、オレもガブリ付きたいとは思うよ? 最終的にトドメ刺した、功労者さんなオルセットさんとよ〜?
何たって、最終的に……
……しかも、その
ただ……その後よ。その後が大問題だったのよ……!? ノリと打算で、”お肉
訓練してたのが昼間なのに、”解体作業”とバイキングのための”精肉加工作業”に時間が掛かり過ぎて、もう夜ッ! もう夜なんだよッ!? そしてその重労働で、クッタクッタなんだよ……ッ!
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
「ボスゥ〜? オ〜イ、ボォ〜スゥ〜?」
……呑気でイイよな〜オルセット……? 一応は解体作業時に、マグズリーの死体を持ち上げて、捌きやすくするのを手伝ったりしてくれたりはしたけど……結局、捌いたのは全部オレだからなッ!?
しかも、夜まで掛かっちまった所為で、元々”予定していた訓練”は結局やれなくなっちまったし……こうしてゆっくりメシを食うハズの時間に、”火力アップ
それにオルセット!? 今もカブリ付いている、”肉の香ばしい匂い”と”疲れからの眠気”の
「ハァ……”
「ねェ〜ボスゥ? 食べないの〜? 早くしないと〜ボクがゼ〜ンブ食べちゃうぞ〜?」
「……エッ? あっ、あぁ……全部食うなよ……?」
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
「……ムゥ〜! ねェ〜ボスゥ? さっきから何やってんの〜?」
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
「……エッ? あっ、あぁ……コレか? コレはなぁ……”十字弾”を作ってるんだ」
「……スプリットポイントダン……?」
「あぁ、簡単に言えば……この弾が敵の体内に入ると、普通の弾よりも多くのダメージを与えられるんだ。ただ、普通の弾よりも……鎧を来た人間や、硬い皮膚とかを持ってる奴には……通用しにくくなっちまうけどな……」
――これは”レッドデッドで
まぁ、科学知識とかに
「ハーグ陸戦条約」? ……知るかっての。 ここは異世界だぞ? 地球のルールをお
それに加工した
まぁ、ただ……あのゲーム……金庫にダイナマイトを使用しない”銀行強盗”をする際は……めっちゃスリルがあったよなぁ……。ハハッ、まぁただ同時に……西部開拓時代は、地味に”無法な異世界”とあんまし変わらず……混沌としていたって事も分からされたけども……。
「ヘェ〜。じゃあ、さっきの”マグズリー”の時も、それをウッテたの?」
「あぁ、狩りの時にも使えなくはないからな。こうやって
「……
……うわぁ、これも成長かなぁ……? 今まで、あんまり進んで”手伝い”を申し出した事なかったオルセットが……!? クソォッ!? オレはオマエの”オカン”じゃあねェのにッ!? 涙が……ッ!
「サンキューな。ただ……
「アッ、ゴメン……」
「……そうショゲんなよ……。ゆっくりで良いから味わって食っとけ。オレも、もう少ししたら……焼けた肉を貰うからさ……」
「ウン! 分かった、ボスゥ!」
〜 ガブゥッ! ミッチィチィチィィィィィ……ブチッ! 〜
「おいおい……ゆっくりで良いって言ったろ?」
……しかし良く食うよな〜。最初は焼肉屋で出されるような”薄いサイズ”を、焼いて出してたけど……急に『物足りないよ〜ボスゥッ!?』……って、言い出したから”ステーキサイズ”……そして挙句の果てに、今食っている
もう……何人前だ? 確か……肉屋で販売される肉は、”百グラムが一人前”だったけなぁ……? それで考えると……もう十人……いや、
それにジビエ肉って、
マジで大丈夫かなぁ……? 特に、今食ってるマンガ肉……
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
「……ねェ、ボスゥ?」
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
「……エッ? あっ、あぁ……どうした、オルセット? ……手伝いはまだいいぞ? まだ、肉が食い掛けだろ?」
「……ボクタチ……このままでイイのかなぁ……?」
〜 シャッ、シャッ、ピタッ……。 〜
「……急にどうした? オルセット? 何か不満な事があるのか?」
……エッ、エェッ!?
「ウゥ〜ウゥン、チガウ。ボク、キオクソウシツだけど……タブン、その時よりも……今のボクはシアワセだと思うよ? ボスが作ってくれるゴハンはオイシイし……サイショは…ヤダだったけど……ボスと戦うのはタノシイし……ボスと狩りをしたりするのもそう……ボスのおカゲで、ボクがツヨくなっていく事も……!
イロイロ……ボスと会えて……ボスの事、スキになって……良かったと思ってるよ……ボスゥ」
〜 ……ポロッ、ポロポロ……! 〜
「……エッ!? ど、どうしたのォッ!? ボスゥ!?」
……チキショウ……ッ! つ、疲れてるからかな……?
……正直、こんな……こんな”問題児”だったとは……ベルガ婆さんの所で、同居した際に気づけよッ!? ……って、自分にツッコミたくなる程、オルセットには……スンゲェ手を焼かされて来たけど……ッ!? 今まで経験から……努力しても
『努力は必ず報われる』……それを今日、初めて知ったような気分だよ……ク、クソッタレェェェ……ッ!
「ダッ、ダイジョウブッ!? ボスゥ!? ドコがイタイのォッ!? ……アッ! キュ、キュウキュウバコッ! ボスのテントにある”キュウキュウバコ”モッテクルよッ! ボスゥッ!」
……おっと、サッサと汗は拭かないとなぁ……オルセットの”
「……大丈夫だ、オルセット。救急箱は、持ってこなくて大丈夫だぞ……?」
「エェ!? でも……」
「……ちょっとな? 目にゴミが入って今、涙で流したトコロだからな……心配すんな。メッチャちっこい魔物に襲われたワケでもねェから……落ち着け」
「そ、そう……? ……良かったァ〜」
……フッ、全く……まだまだガキっぽいけど……
「……フゥ、それはそうとオルセット? さっきオレに対して色々良く言ってくれたみたいだけど……じゃあ、
「……あ、そうだったね……。ねェ、ボスゥ? ボクタチ……ズ〜ッと、”ヨウヘイ”ってヤツでガンバッテるのは知ってるけど……」
「オウ?」
「ホカのムラとか……”ヨウヘイ”として、ゼンゼン行ってないけど……ダイジョウブ? オカネとか……?」
「あぁ〜ナルホドなぁ……」
……まぁ、オルセットはまだまだ”
「……結論から言えば、オルセット? 一応大丈夫だ」
「……ド〜して?」
「ど〜しても何も、オレ達がまだまだ”弱い”からだ……! 後、傭兵じゃあなくても”金を稼ぐ手段”は、この一ヶ月である程度考えてる」
「えっ? ど〜ゆ〜コト?」
「まず、今後もあの”記憶玉”を持っていた”ドス”野郎が……あの盗賊団長と、
それが今大事だからこそ……このサバイバル生活をやってるんだ」
「ニャ〜るホドォ? じゃあ、”オカネをカセグシュダン”ってのは?」
「朝に、”燻製肉”入りのトマトリゾットを食べたのは覚えてるよな?」
「ウンッ! ボスゥ? 明日のアサも、作ってくれる〜?」
「あぁ、まぁ……作るけど……今後毎日ってのは、考えなくっちゃいけない」
「えっ? ド〜して?」
「ベルガの婆さんが話してくれた一般常識で、”行商人”なら……冒険者や商業ギルドを介さなくても、品物の売買……売ったり買ったりする事で、金を稼げるって聞いてたからな。
だから、オレらが仕留めた魔物肉を”燻製肉”に加工して売ったり……森とかで見つけた、高価だったり珍しい植物なんかを、村とかでやっていけば……貯金するぐらいにはコツコツ貯まるんじゃあないかと思ってる。
これならもし、村とか町を回って……”傭兵の仕事”がなかった時でも、金を稼ぐ事が出来るしな。それに宿に泊まる金がなかったとしても……ここ一ヶ月で、オレが出したテントの住み心地は良かっただろ? オルセット?」
「ウン! シ
「ハハッ、シ
「ウンッ! 分かったァ〜ッ! だからボスも早く、オニク食べてねェ〜」
〜 ガブッ! ミッチィチィチィィィィィ……ブチッ! 〜
「アァ、もうちょっとだけ……”十字弾”を作ってからな?」
〜 パチパチ、パキッ、パチパチパチパチ、パキパッ! パチン……ッ! ガブッ! ミッチィチィチィィィィィ……ブチッ! 〜
「ニャグ、ニャグ、ニャグ、ニャグ、ニャグ……ニャハ〜ン……ッ! マグズリーのオニク、オイシ〜ッ!」
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
……それと、時間は掛かっても……まだ治りきらないオルセットの
それに……”命の恩”がある以上、キッチリ火傷に対する”
古傷に効く”回復魔法”の可能性はなくはないだろうけど……あるかは分からないしなぁ……。けど、もっと確実なのは……婆さんが渡してくれたあの”
〜 シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ、シャッ、シャッ、ポイッ……。 〜
この世界のエルフは……「エリクサー」を”人間”に売ってくれる程、
それでも、そんな可能性のある魔法か……あるいは、”エリクサー”を売ってくれるエルフを何としても探し出すか……最悪、持ってる奴から奪うか盗み出すかだなぁ……。これはホント、
……贅沢言っちまえば、”エリクサー”を作れるか……あるいは”エリクサー”に匹敵する回復魔法を習得してるような……
エルフと言えば、弓の名手だしッ! たぶん、”
〜 パチパチ、パキッ、パチパチパチパチ、パキパッ! パチン……ッ!〜
……やれやれ……今日程、濃い一日はこの一ヶ月で久し振りだったけど……こんなんでも……明
<異傭なるTips> ウォーダリア・フード・セレクション2
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<ディリィジナ>
木の
ただ、このフルーツ。全く知らない人物が見ると【ヒェッ!? なっ、なんで……大量のゴブリンが木に居るんだ!?】……と見間違われてしまう程の気持ち悪い色合いと形を持つ。例えて言えば、外見は”痛くない棘を持つドリアン”であり……果実の色は、”気持ち悪いグラデーションの
だが、その気持ち悪い見た目の反面……実を割ると見える果肉の色は鮮やかな黄色で、
オルセットに先に完食され、再び必死に探してきたボスが食べた感想によると……【”甘みの強いパイナップル”というか……”少し酸っぱい桃”と言うか……ただ、食感はバナナに
人の手がほとんど入らず、魔物が多く生息するような原生林でしか育たないため、市場や商人の間でも滅多にお目にかかれない”
(
無論、「マグズリー」など……一部の魔物も、この「ディリィジナ」が好物だったりするため、「ディリィジナ」の成る樹木の周辺を”ナワバリ”にしている可能性がある。それも入手難易度を上げる要因になってしまっている……。(表皮がドリアン並に硬く、一部の魔物はこれを”投擲武器”として使う事もあるんだとか……)
そんな「ディリィジナ」。ウォーダリアでは、富裕層の間では当たり前な”おやつ”としての”生食”は勿論……未成熟の果実は”野菜”の一種として、シチューの具の一部になったり……一部の地域では、これを”ピクルス”にして食べる習慣がある村があるんだとか……。(ピクルスとしての味は、”らっきょう”に近い味わいと食感になるらしい……)
また、ボスは食べてはいなかったが……果肉の中に混ざっていた”種”も実は食べられる。生は食べられたものじゃあないらしいが、これを”コーヒー豆”如くじっくり
(味や食感は成熟具合によって変化。若い程”カシューナッツ”などの柔らかな
総じて言えば……『気持ち悪い見た目かつ、斧が必要な硬さだが……それを除けば非常に食べやすく、食欲ソソられる
尚、しつこいかもしれないが……。
この世界の大気には魔力の源となる「マナ」という物質が存在しているおかげで、どんな食料を食べても
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<基本性能>
(
(
(
(未成熟の物だと、表記した”
(
(大きさによって誤差あり。表記は
(
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