新生医学宣言 自然治癒力を引き出す日本の自然療法

第2話 必要は発明の母なり。新自然療法は願いや祈りで開かれる

　人類の自然療法の試みの発想、アイデアには、楽しいものがたくさんあります。自然療法は、人類の覚醒と文明開化そのものなのです。例えば、海の民は、フグ毒にやられたと感じたら、毒を排出するために、砂浴をします。身体を遠赤外線で熱せられた砂に潜らせると、毒が身体から排出して、麻痺が治るのです。なぜ、このような試みを思い付いたのでしょう。必要は発明の母。助けてくれ、どうすればいいんだという祈りが天に届き、天からの閃きが下りてきた、神からの啓示があったと安音は、考えます。神からの啓示が下りてきても、スルーする人もいるかもしれません。ふぐ毒で苦しんでいる人の家族の祈りが天に通じたのかもしれません。とにかく、やってみようというモチベーションが働き、その大昔の人は身体を砂にどっぷりと埋め込んだのです。すると、不思議。デドックスが身体にもたらされ、麻痺も取れました。人類の自然療法は、基本的には、このような体験の積み重ねと言い伝えで培っているものだと考えられます。薬草もしかり。発酵食品もしかり。アルコールの発明も。それに漬け込むチンキの発明も。海の塩を取り出す試みも。その塩を竹に入れて焼く竹塩には、還元力があり、治療効果の高い成分となるという変化が起きます。このように、自然治癒力を引き出す人類の試みの歴史を辿ると発想の幅が広がります。もしかして、これはどうかしら？あれも試してみたらと。楽しいクリエイトな世界が広がります。

　珈琲は偶然の出来事から発見されたものです。ある時、コーヒー畑が火事になりました。すると、香ばしい香りが漂います。この種を焙煎したら、香り豊かなお茶が楽しめのではないかとの発想が生まれました。心を癒すコーヒータイムの誕生です。コーヒーは、副腎を刺激して、疲れを癒す働きがあることも後の研究で明らかになりました。香りを楽しむだけでなく、身体の癒しの効能があることが体感され、多くの人々に愛される飲み物となりました。

　日本での炭化の試みは、黒焼き玄米としても知られています。玄米珈琲として、デドックス効果の高い飲み物が楽しめます。私の体感では、玄米珈琲には、腎の機能を改善する働きがあるようです。植物性のものの炭化による変化。作用には、まだまだ可能性があるのです。例えば、黒焼き梅干し。柚子玉の炭化、生姜の炭化、それぞれに有用成分が加わり、有用な自然治癒力を引き出す薬になります。チャコール療法として知られているように、炭の粉をいただく療法は、古今東西、試されてきた自然療法です。チェルノブイリのおばあちゃんたちは、子どもたちが放射性物質の毒に侵されていると感じたので、炭の粉を食べさせました。すると、真っ黒なウンチがでて、そこには、放射する物質がくっついて排出されていたのです。ウンチが、ベクレルを発していたのですから。実は、ここには、量子力学の原理が働いています。炭は電子を持っているので、その電子の働きで、放射性物質を引き寄せ、ウンチと一緒に排泄させたのです。チャコール療法は、還元力の高い優れた治療法です。植物の炭化をいただくとデドックス効果が高いのです。植物の有用成分の抽出には、アルコール抽出のチンキがありますが、炭化ももう一つの選択肢です。柚子玉と生姜の炭化ウォーターを冷蔵庫に備えておけば、夏の疲れが吹っ飛びます。お試しあれ。

　ところで、これらの炭化製品開発を高知大学の先生に相談したら、彼は、こげは癌化の作用があるので、消費者に好まれないだろうという反応を返してくれました。確かに、こげには、癌化の悪い作用があります。このことを科学に詳しい友達に相談したら、それは、動物性の物のこげであって、植物とは化学反応が違うと教えてくれました。同じ炭化でも、素材と反応によって、出来上がるものが異質のものになるのです。

　さらに、中山栄基氏は、有機的性質を破棄させ、無機元素体にするための処置として先ず熱処理し、炭灰化させた、さらに、徹底的にマグマ状態にまで溶融加熱処理を行った生物無機元素体（BIE）を開発した。BIEの原料は、コンブ・ワカメ・アラメ・ヒジキ・カジメ・ホンダワラなどの海藻、クズ・イタドリ・ヨモギ・ドクダミ・カヤ・スギナ・タケ・ウド・ ギシギシ・マコモ・マツ・スギ・ヒノキ・イチョウ・クヌギ・柿などの草木など繁殖力旺盛な植物を原料としているそうです。マグマ化という加工方法には、興味深い効果が期待できそうですね。植物の無機化という方法が、もっと手軽に手作りできれば、多くの人が愛用できるものになるのかもしれません。