第2章 恐怖の終わり

渡り廊下を渡り、本館へ行く5人。真っ直ぐ行ったり、曲がったりして、大広間へ着いた。

『わぁ〜ひろ〜〜い!ねぇ、このおおきなドアからでられるんじゃない?』

雛が赤いドアを指差す。

刑事がドアが開くか、確かめるため、前に立つ。

(ガチャガチャ...)『ダメだ...開かねぇ。』

正晴は窓の外を見てみた。

『一応、この扉から、外に出れるみたいだ。』

『まぁ、鍵がかかってるから、無理なんだよな。』

『つまり、鍵さえ見つければここから出られる。』

祭木がふと、5人とは別の視線を感じた。

『なんか、嫌な予感がする.....(後ろを向くと絶句)』

そこには、なんと、


"鬼人"がいたのだ。赤い鬼の顔をしており、服はヨレヨレで血まみれ。元の色が予測できない程であった。そして、

血まみれの刀を手に持っていた。

『みんな、今すぐに逃げろ!!!!!!』

他の4人はその一言で"鬼人"を見た。

その後、鬼人は

【ユルセナイ、ユルセナイ、ユ.ル.セ.ナ.イ.】

と言って、5人に襲いかかった。

5人はひたすらに逃げた、逃げた...




正晴はひたすら、逃げた。

鬼人が来てない事を確認すると、ふぅ〜とため息をついた。

『なんだよ、あいつは。』

『あれ?みんなは?』

そう、逃げる時にそれぞれに別の方向へ逃げたのである。つまり、5人はバラバラになった.....



『おーい、刑事〜!文知佳〜!雛〜!祭木〜!どこだー!』

他のみんなとはぐれてしまった俺はひたすら、館を彷徨う。そこで、ふと気づく。近くに光が漏れている部屋があることを。俺はおそるおそる、その中を見る。

だれもいない。

ゆっくりと中に入った。

やはり、誰もいない。

その時、扉がガチャンと大きな音をたてた。ガチャガチャ、俺は閉じ込められたようだ。

一体、誰に?

俺は周りを見る。ここは大きな図書室のようだ。かなり広い。幅広めの本棚の間の道をゆっくり、ゆっくりと歩いていた。すると、ようやくこの中心らしき場所へ来た。そこにある階段を一段、さらに一段と、図書室の2階へと向かった。そしたら、大体十段来たところでなぜか、後ろを見た。そこには、なんと、鬼人がいた。


『うわぁ〜〜〜〜!!!!』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『おい、大丈夫か?』

『う、うーん、あ、けいじくん。』

『良かった。お前、コケたから、俺がおんぶしてこの部屋まで来たんだ。』

『ありがとう.....あれ?みんなは?』

『はぐれたみたいなんだ。』

『え〜.......これから、どうするの?』

『とりま、みんなを探す。それしかないやろ?』

『そうね。』

この2人は子供部屋?にいる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ふぅ〜逃げ切れたかな?』

『そうみたいね。』

『あれ?他の2人は?』

『知らないわ。もしかして.....』

『2人きり、ヌフフ。』

『気持ち悪いわ。祭木くん、その癖、直した方がいいわよ。』

『ヌフフ....』

(最悪だわ。まさか、この人と2人きりなんて。)


このド変態と文知佳は、食堂?にいる。



『ね〜けいじく〜ん、まだみつからないの?』

『あのさ、歩いて、たった15秒くらいでいうセリフか?まだ、この...あの...子供部屋みたいねところやで。』

『あ、ごめんなちゃい。』

(なんや、この娘...かわええなぁ。)

その時、悲鳴が聞こえる。

『ねぇ〜この声って?』

『正晴だ!』

俺らは悲鳴のした方へ向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『文知佳ちゃーんと一緒だね。ヌフフ。』

『はぁー、ちゃんと、他のみんなを探してよね。』

彼女らは食堂から出て、廊下を歩いている。

その時、悲鳴が聞こえた。

『...‼︎この声は。』

『正晴の声か、チェっ。』

『声のする方へ行くわよ。』

『雛ちゃんなら、行くのになぁ。』

『もしかしたら、雛も声のする方へ行くかもよ。』

『じゃあ、行く‼︎‼︎』

(ちょろいわね。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方、図書室...

俺は図書室の階段の踊り場で倒れていた。まだ、下には鬼人がいる。

『来るな!』

あまり、声が出ない。そしたら、だんだんと息が薄くなっていく事に気づいた。

『あれ、息が...しづ...らい......』

俺は気を失ってしまった。

『グルル、オマエ、シヌ、サラバ。』鬼人が言う。






大正1年 4月1日......今から、約100年ほど昔、

高浜 真之介という若者がいたそうだ。

彼は〇〇県の阿賀野村で嫁のひな子と一緒に暮らしていた。なお、子供はいないが、村の人口が6人だった事もあって、家族のように接してくれたので、別に子供はいらないと思っていた。

そして、

その男は、ある日の朝、隣町へ薪を売りに行くこととなった。

『ひな子、今から行って来るよ。』

『いってらっしゃい、あなた。』

『頑張ってくる。』

彼は家を出た。隣の家の前を掃除しているおばちゃんに会釈して、隣町へと向かった。

『あら、真ちゃん、隣町へ薪を売りに行くの?頑張ってらっしゃいね。』



時間が経ち、夕方。

もうそろそろ、暗くなる一歩手前でやっと、村に着いた。今日は100銭も売れた事を早く、ひな子に伝えたい気持ちを胸に家に入った。そこには、無残な姿となったひな子の姿が....

『ひな子!!お前..どうしたんだ?』

返事がない。

俺は、家を出て、隣の家のおばちゃんの様子を見に行った。ダメだった。隣のおばちゃんを含め、村のみんながひな子と同じ死に方、俺はなぜだか冷静になった。ひな子を誰よりも愛してたのに、おばちゃんたちを誰よりも尊敬してたのに。

俺は村の人々、5人の死体を一ヶ所に集めて、埋めた。

最後の1人、ひな子を埋めている最中に後ろから、視線を感じた。さっと、ひな子を埋めて、後ろを向いた。そこには、大きな館があった...

大きな扉をおそるおそる、開けてみると、大きな広間だった。そして、彼は広間の大階段の横に置いてある猿の置物を持つ。そうすると、俺の中に何かが.....いや、村のみんなの記憶が流れてくるのを感じた。


そこで、俺の記憶は無くなった。

多分、俺は........死んだのだろう。





『ねぇ〜まだ〜』

『確か・・ここら辺だったような、気がする』

刑事は正晴の声のした方へ向かうと、大きな図書館へ出たのである。

彼らがおそらく中心であろう場所に行くと、血溜まりが溜まっていた。ふと、大きな階段を見ると・・

無残な姿で倒れてる正晴がいた。

『キャーー』

『正晴ーー!』

彼らがそう叫ぶ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『文知佳ちゃーん、この館の構造どうなってるのやろう?』しつこく、ボディタッチを繰り返す変態がいる。

(こいつ、マジでヤバイな)

『確かに・・・かなり入り組んでいるね』

(でも、なんか、こいつのボディタッチ・・・・くせになる〜‼︎)

キャーーと、遠くの方で悲鳴が聞こえた。

『この声・・・』

『雛ちゃんだ♡』

(なんで、私に振り向・・いや、違う。私はこんな奴タイプじゃない・・・タイプじゃない・・)

彼女らは走って、悲鳴のする方へ行った。



『まさ...はる...』雛は顔を真っ白にして、無残な死体をじっと見つめていた。

『.......はっ、ちょ待てよ。この死体の感じ...新しい。』

『え?なにがいいたいのよ〜』

いつも通りの雛ちゃんに戻った。

『この近くに奴がいおる...』

刑事は周りを見る。

図書室の西方面、2人の影が見えた。

『あ!』

『あ〜雛ちゃ〜ん』

『あ、祭木くぅ〜ん!』

『無事だったんだ』(なぜ、祭木の奴、雛ばっかりに...いやいや、私はべべべつにあいつのことなんか...』

ふと、階段を見る。

『え...きゃーー‼︎』

『正晴は...死んだみたい...』

『そんな...』

祭木が言う。そして、彼のほおに一滴、落ちた。

血である。4人、一同、上を見る。

そこにいたのは.............















赤い血の色に染まった鬼の姿がいた...

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る