第5話 一緒になるなら

 「おかえり」


 別々の病室で、別々の病棟であったが、二人は同時に目を覚ますこととなった。

「休憩所で待ち合わせてるんだ」

 といって、俺は、親が安静にするよう言う中、力ずくで待ち合わせ場所に向かった。彼女は腕を怪我していた。俺は彼女の人生の一部を奪ってしまった。謝るよりほかない。そうして、膝を折ろうとすると、

「なあに? ガラスの靴でも持ってきたの?」

 と、無事だった右足を差し出す。

「こ、こいつぅ。」

「大丈夫だよ~。6か月は辛いけどね。まあ、ちょうどいいか。」

「やっぱり、お前のその変な顔、嫌いになれないわ。」

「ちぇっ、黙ってたらかわいい子扱いしてもらえたのに。」

「もっと、大事だよ。どうしても、二人でこうして会いたかったから。融合がどんなものでもね。」

「だねっ。」

 と、彼女と俺は抱きしめあって、一緒になることを誓ったんだ。


                           おしまい

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