20頁

二十ある瞳が 毒玉二つに注がれた

沈黙の中 毒玉二つ

それぞれ5つに分けて

それぞれ10人の少女に渡された


朝があけないうちに

鳥たちが鳴かないうちに

男たちが目覚めないうちに

少女たちは毒玉を手に取った


「ほんとうに あなたは可哀そう

まだほんのこどもなのに

わたしはあなたより一寸年上だけど

その分 わたしはみんなといられたのね」


「ほんとう あなたは可哀そう

まだまだこれからって言うのに

わたしは あなたより少し年上な分

あなたより多く思い出があるわんだわ」


「あなたは まだ学校にも上がってないのに

わたしは あなたよりたくさんのことを教わった」

「わたしは あたなより年を重ねて

 誕生を祝ってもらったわ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る