第32話

「眩しっ!!」


 城里の目に入ってきたのは、一筋の眩しい光だった。部屋が真っ暗なので、あまりに眩しすぎるため、手でその道筋を塞ぐ。


 眼を少しずつ開けては閉じ、開けては閉じてを繰り返す。それを少し繰り返していると、だんだんその光に眼が慣れてきた。

 恐る恐る視界をだんだん広くする。眩しいが、眼を慣らしたおかげかさっきみたいに『天候の城ラピュタ』のムスッカ大佐みたいになる心配はなさそうだ。


 視界が真っ白から様々な映像、様々な音、様々な絵を使ったLiveへと移り変わっていく。そこにはとあるものが映っていた。

 それはアニメだった。なぜかはわからないのにそのアニメは懐かしい匂いがした。そして、自然と見入ってしいまう。

 何か手に入れることができるかもしtれないと思った。


 そして、城里はこの登場人物と自分を重ね合わせることになる。


 そこでは、何人かの中高生のキャラクターたちが一つの画面に円になって、両手で眼を抑えて泣いていた。何か辛いことでもあったのであろうか。途中から見たからわからないが、何かあったのだろう。紫陽花が咲いている場面。


 場面が移り変わる。


 そこでは、何人かの中高生のキャラクターたちが一つの画面に円になって、両手で眼を抑えて泣いていた。何か辛いことでもあったのであろうか。途中から見たからわからないが、何かあったのだろう。それは、冷たいものを飲んだり、食べたりしながら、みな汗を流している。


 場面が映り変わる。


 そこでは、何人かの中高生のキャラクターたちが一つの画面に円になって、両手で眼を抑えて泣いていた。何か辛いことでもあったのであろうか。途中から見たからわからないが、何かあったのだろう。もう、足元には葉が落ちている。


 場面が移り変わる。


 そこでは、何人かの中高生のキャラクターたちが一つの画面に円になって、両手で眼を抑えて泣いていた。何か辛いことでもあったのであろうか。途中から見たからわからないが、何かあったのだろう。あたりは白く染まっている。


 もうすぐこのアニメも終わりなのであろう。タイトルがその画面に出ていた。そのタイトルというのが、『gather one 〜最終章〜』というものである。キャラクターが一緒の一話というところ別々に集合していることから、このタイトルなんだろう。なるほど、タイトル回収である。


 場面が映り変わる。

 

 そのアニメのEDだ。

 そこでは、何人かの中高生のキャラクターたちが一つの画面に円になって、両手で眼を抑えて泣いていた。何か辛いことでもあったのであろうか。途中から見たからわからないが、何かあったのだろう。


 ——そこでは桜が舞っていた。そして、EDが終わった。


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5つの物語が紡ぐ一つだけの物語 七夕しあ @hisuilumiere

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