第26話ラッキーマンの敗北

―しょじょターン


 は?あたしの『ラッキーマン』を理論的に倒す?らっきー、くっきー、それほんき?どうせ、『ラッキーマン』が倒されればラッキーな状態に持ち込むのが関の山じゃない?アムロ行きますが言うならまだ不気味だけど、おおそうじでしょ?


「前に言ったよな?『お前は俺を怒らせた』と」


 おおそうじ「『ラッキーマン』ではなく、ラッキーのもとである『幸運の星』を『グレンラガン』で覆いつくす」


 へ?

「アムロ行きます。判定」

「これはすごいね。いや、すごすぎる。判定するまでもないね。しょじょさん。『ラッキーマン』はラッキーを失って『大凶』状態だね。このままでは。何か対抗策は?」


 あたしはおおそうじからのラインを見た瞬間から『揺れる』ことを止めていたのに気が付いた。アムロ行きますの解釈が続く。


「確かに『ラッキーマン』自体への攻撃はまず当たらないし、効かない。僕の『デスノート』をもってしても不可能だと思うよ。でもその『ラッキー』の源である『幸運の星』はラッキーでは防げない。作中でも雲を意図的に作り出し、『幸運の星』を隠すことで『ラッキーマン』を倒そうとしたキャラはいたし、あと一歩まで追い詰めたこともあったよね。『グレンラガン』は大きさが銀河系レベルであり、『ラッキーマン』を攻撃しても勝つことは不可能だと思うけれど、『幸運の星』を覆い隠すことは十分可能だね。そしてラッキーのもう一つの源であるヒーロー協会会長を倒すことは容易だと思うし。これは『グレンラガン』にしか出来ない荒業だと思うけど、いや、他にも大きさでそのレベルのキャラがいる作品もあるかもだけど。現時点では『幸運の星』を攻撃して壊すならちょっと迷うけど、覆い隠すなら理論的に『ラッキーマン』封じに成功したとの判定だね」

「だろ?しょじょ。お前のチームの一角、『負け知らず』の『ラッキーマン』を俺様が理論的に倒したぜ」


 ちょ、ちょ、ちょっと待てええええええ!あたしの『ラッキーマン』が負けたああ?スマホを急いで弄るあたしは自分でも『揺れ』る余裕がないのを理解してる。やばい!やばい!やばい!おじいちゃあああああん!!

 そんなあたしにアムロ行きますが助け舟を出してくる。


「うーん。僕も『ラッキーマン』を論理的に倒せそうな気もするけれど。これは急に対策をすることは難しいかなあ。これは『多数決』のルールで通ると思うけれど、新しいルールとして『翌日まで対策の猶予を与える』を付け加えるでいいんじゃないかなあ?それぞれが指名した作品の能力は把握していると思うけれど、その『組み合わせ』で攻撃に対する対策を考える、アイデアを出す時間は必要だと思う。でも、いつまでも待つのも違うと思うし、後から斬新なアイデアを思いついてもそれじゃあ永遠に決着はつかないとも思う。そういう意味で『与えられたタイムリミット』ということで『翌日までは待つ』ルールだ。現時点でしょじょさんはこの意見に賛成だよね?その時点で僕も同じくで『多数決』のルールだ。間に二日挟む金曜日や連休前にはよほど自信のある『とっておき』の攻撃以外は控えた方がいいかもだよね」

「お前さあ。何回ゴングに救われてんだよ」


 おおそうじの屈辱的なセリフにあたしは何も言い返せない。『揺れ』ることを忘れたあたしは追い詰められていることを認めるしかない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ドラフト 工藤千尋(一八九三~一九六二 仏) @yatiyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ