第15話 魔装騎兵についてだよ

蘭華蘭菊「みなさん!こんにちはー」


蘭華  「今日は魔装騎兵についてね」

蘭菊  「そうね」

蘭華  「こういう事はタカトに任せればいいんじゃないの」

蘭菊  「えっ!タカト兄ちゃんを呼びたいの?」

蘭華  「いや、別にそういうわけじゃないけど、あいつの方がこういう事詳しいじゃない」

蘭菊  「そうだけど・・・呼んでこようか?」

蘭華  「・・・いい」

蘭菊  「うーん、それじゃ、私がするね」

蘭華  「はい・・・」


蘭菊  「魔装騎兵って言うのは、融合加工技術の第五世代から生まれた兵士なの」

蘭華  「たしか、魔物の組織を人体に融合して、飛躍的に能力を向上させるものよね」

蘭菊  「そうそう。第三世代時に感覚器などの融合ができるようになったのを、全身に応用したものね」


蘭華  「たしか、その開血解放には魔物の血である魔血を使うんだったわよね」

蘭菊  「すごいじゃない。よく覚えてるわね。第四世代時に魔血タンクの開発が成功し、人血を使わずに開血解放が行われるようになったの」


蘭華  「腰の横についている魔血ユニットの事ね」

蘭菊  「そうそう。あの魔血ユニットに魔血タンクをセットして起動するの。すると、魔血が体内の管を通って体のあちこちに融合された魔装装甲に魔血を送りこむのよ」


蘭華  「ちょっと待って。体の中を通っていくの?」

蘭菊  「そうよ?何か変?」

蘭華  「いやいや、体の中を魔物の血が流れるのよ?おかしくない?」

蘭菊  「魔物組織を人体と融合してるんだから、しょうがないじゃない」

蘭華  「なにそれ、まるで人体改造じゃない!」

蘭菊  「そうよ・・・何言っているの?」

蘭華  「へ・・・?」


蘭菊  「第五世代の魔装装甲は、神民学校で優秀な成績を収めたものが、自分の意思で融合手術を受けることで、身にまとうことができるのよ」

蘭華  「いたそう・・・」

蘭菊  「そりゃ全身・・・感覚器も含めると、体全部んじゃない」

蘭華  「それ・・・人間って言うんですか?」

蘭菊  「一応、人間よ・・・開血解放するまでは、魔物組織は眠ったままですから」

蘭華  「いやぁ・・・聞いただけでも、なんかやばい気がするんですけど」


蘭菊  「まぁ、人それぞれの見方じゃない? だって、道具が人間に変わっただけって言う人もいれば、そんな第五世代は何が起こるか分からない技術だから危ないって言う人もいるし」

蘭華  「危ないって言う人の気持ち分かるわ・・・」

蘭菊  「だから、第六の門の騎士のエメラルダ様や第二の騎士クロト様なんかは第五世代の魔装騎兵の使用を快く思っていないのよ」


蘭華  「たしかエメラルダは、第五世代の魔装騎兵じゃなくて、別の魔装騎兵だったわよね」

蘭菊  「そうそう、エメラルダ様は、クロト様が開発した2.5世代の魔装装甲を身にまとった魔装騎兵ね」

蘭華  「俗にいう白の魔装騎兵ね」


蘭菊  「そう。第5世代の魔装騎兵の魔装装甲は真っ黒なのに対して、2.5世代の魔装騎兵の魔装装甲は基本的には白色が主ね。というのもカラーは自分でお好みらしいわよ」

蘭華  「マジで!」


蘭菊  「後で出てくるアルテラさまの魔装装甲『アルテミス』はピンクらしいわよ」

蘭華  「かわいい!いいなぁ!」


蘭菊  「と言うのも、2.5世代は、人体融合ではなくて、あくまでも道具と魔物組織を融合した鎧や武器を身にまとって、その力で戦うの」

蘭華  「と言うことは、体はまっさらな人間のままってこと?」

蘭菊  「そう、だから、2.5世代では魔血切れで人魔症を発症することはないの」


蘭華  「第五世代は魔血切れたら人魔になっちゃうもんね・・・あれ、最悪」

蘭菊  「しょうがないわよ、体内にじかに入っているだから」

蘭華  「それだったら、みんな2.5世代にすればいいのに」

蘭菊  「それがね、やっぱり第五世代と2.5世代には、能力差がかなりあるのよ」

蘭華  「というと・・・」

蘭菊  「第五世代は直接身体能力を強化しているのに対して、2.5世代はあくまでも道具によるサポート。身体能力はそのままなの」


蘭華  「と言うことは、第五世代は、そのうえ魔装装甲の能力アップ分も加味されるからかなり強いってこと?」

蘭菊  「そうなのよ。実戦においては、やっぱり第五世代の方が圧倒的に優勢なの」

蘭華  「だから、みんな第五世代選んじゃうんだ・・・」

蘭菊  「仕方ないわよね。やっぱり、武功をあげてなんぼの世界だから」

蘭華  「そうよね・・・」


蘭菊  「でも、2.5世代にもいいところはあるのよ」

蘭華  「なに?」

蘭菊  「道具で武装しているから、状況状況に応じて換装可能なの」

蘭華  「それ便利じゃない」

蘭菊  「そうよ。防御特化型や、高速移動型、近距離攻撃型に軽装型などね」


蘭華  「ということはエメラルダは、軽装型かな」

蘭菊  「そうね、エメラルダ様は騎士だから防御はほとんど必要ないから、後は黄金弓を引き絞る力だけね」

蘭華  「それを2.5世代の魔装装甲で補っているってこと?」

蘭菊  「そういう事じゃない。もしかしたら、ただのファッションかもしれないけど・・・」

蘭華  「まさか・・・あのエメラルダが・・・」


蘭菊  「アルテラさまの『アルテミス』は凄いわよ!」

蘭華  「なになに!」

蘭菊  「高速移動型に、超防御特化型、その上に遠距離攻撃能力も具備しているの!」

蘭華  「なにそれ!まるで機動兵器みたいじゃない!」

蘭菊  「まさにそれよ!それ!」

蘭華  「もうちょっと詳しく教えなさいよ!」

蘭菊  「物語が進んだら、そのうち出てくるわよ!」


蘭華  「ところで、あの赤の魔装騎兵は何なの?」

蘭菊  「あれ? うーん、よく分からないんだけどね・・・」

蘭華  「赤色ってことは2.5世代ってことなの?」

蘭菊  「違うと思う。あれはどう見ても第五世代の魔装装甲なの」

蘭華  「どういう事?」

蘭菊  「第五世代の特徴は仮面があるの」

蘭華  「仮面?」

蘭菊  「そう・・・第五世代には顔を覆う装甲があるのよ」

蘭華  「そういえば、赤の魔装騎兵にも顔半分の仮面があったわよね」

蘭菊  「そうなの」

蘭華  「と言うことは第五世代と言うことなの?」

蘭菊  「でも、第五世代の装甲は黒色、あの赤の魔装騎兵の装甲は赤色」

蘭華  「そうよね」

蘭菊  「しかも、第五世代の魔装装甲は全身を覆っているの。それに対して赤の魔装騎兵の装甲は肌の露出が多いのよ」

蘭華  「ただのビッチなんじゃないの」

蘭菊  「そうかもしれないけど・・・そうじゃないかもしれないわね」

蘭華  「うーん」

蘭菊  「なんか、半分だけ第五世代の融合が成功しましたって感じなのよね」

蘭華  「半分ね・・・」

蘭菊  「そう・・・半分」

蘭華  「だから、仮面も半分なんだ!」

蘭菊  「そうかもね」

蘭華  「と言うことは、あの女ハーフ・アンド・ハーフね!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る