想い出

ほしい?

あっち向いて


こういうときは

多分少し笑っている


あらぬ方向を

向いた私の肩をたたく


振り向くと

わたしの

左手をとる。


小さな白い箱。

なにこれ?


早く開けてごらん。


髪飾りはアジサイ……

水色、藍色、青色

ありがとうと言うと

あなたはいなくなった


夢だった、

ボートの切っ先は

遠くに行ってしまった

残ったのは白いシーツのなかに一人。


もういらない、

だって

髪飾りは結べないように

切ってしまったから、

あなたがほどいてくれないなら

こんな髪はいらない


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る