第16話 これは増援を求めるはずだ

 ネネ。

 まだ大人になりきれていない年齢の頃、母と一緒に巨大な犯罪集団に誘拐される。

 美人母娘と近所でも評判の2人だったのだが、どこからか噂になって流れていき彼等の耳に届いたのだろう。

 誘拐先で監禁され男達に代わる代わる犯され続けていた。

 何年かしたある日、わざわざ監禁場所へと豪華な衣装を身に纏った中年太りの男がやって来て、口利きや目を瞑る等の会話をしてから母娘を連れて行った。


 連れられて行った先でも相手の数が1人に減っただけで、他は何も変わらなかった。

 ただ繰り返される辛く苦しい日々にネネの母は心を壊し始めていた。

 そこで男は新たな刺激を2人に与えた。

 お前達の夫は父は、拐われたお前達を取り戻そうと1人組織に乗り込み、無残に殺され死体処理が面倒だからとダンジョンに投げ込まれたんだと。

 それがトドメになったのかネネの母は、犯されようと拷問のような責め苦を与えられようとうめき声すら出さなくなった。

 それが気に入らなかった男は彼女の目の前で母の頭を踏み潰した。

 ネネは押さえ続けてきた感情の全てを悲鳴にして発し、同時に眠っていた魔力の全ても無差別に解放していた。


 負の激情により放たれた父譲りの大量の魔力は純粋な破壊力となり、男を含めた都市の半分以上を塵に変えた。

 魔力切れになったネネは激情の発露もあり精神疲労と重なって気を失った。

 そして気付いたら裸で林の側に居たそうだ。

 魔力をゼロにしたからだろう、魔法使いの職業を得て転職していた彼女は魔法を使い木を破壊、編んだ蔓を使い筏を作り新天地を目指し海へと旅立った。


 △△▽▽◁▷◁▷


 本人から後からの推測も込みで半生を聞いてと言われて聞いたけど、予想のウン十倍もハードな人生だった。

 エルネシアなんて途中からネネに抱きついて泣いてる。

 そんな半生だったんなら感性も変わるだろうし、誰かに縋りたくもなるか。


「それでね、どのタイミングなのかはわからないけど私の体質は変えられちゃったみたいでね、出産した人ほどじゃないんだけど母乳は作られ続けるようになったし、限界はあるみたいなんだけど男の人のアレをこれくらいまで大きくする効果があるみたいなの」


 そう言ってネネはその体格にあった大きな掌を、少し加減して広げてみせた。

 それは男の憧れ20センチを優に超えていた。


「そんなに……ネネさん、私達壊れちゃいませんか?」


 エルネシアは俺が飲む前提で話しを進めている。

 当然飲むけど。


「多分私の体格にあった大きさになるから、エルちゃんにはかなり辛くなるかもね。でもきっと大丈夫、愛さえあれば慣れてくるから」

「わかりました、シバさんを受け入れる事で私の愛を証明してみせましょう!」


 うん? なんか話しの流れが変わった?

 えっ、捨てちゃう? これって捨てちゃう流れ来てるんじゃないの?


「さあシバさん、こっちで愛を確かめあいましょう」

「あ、ああ」


 父よ母よ、日本の同胞どうてい達よ、俺は今日、サクランボを止める! ウェェェイ!


「エルネシア、先にネネからでもいいか? 俺の初めてをあげる事でさ、少しでも辛い過去を忘れさせてやりたいんだ」

「はい、流石私達の恋人ですね、もうネネさんの事まで思い遣りで考えられていたなんて、恋人としてとても嬉しいです」


 エルネシアは非常に嬉しそうに賛成してくれた。


「ネネ、初めて愛のある行為をしよう。そうすれば君の初めては俺になるんだから」

「えっ、でもシバ君の初めてはエルちゃんなんじゃ? 違う? でも、私はけがれていますから、シバ君の初めては綺麗な思い出にむぅっ!」


 ゴチャゴチャ言い始めたので右手首を掴んで引き寄せ、片手で後頭部を固定してベロチューしてやった。

 ベロチューすら始めてなんで何もわからないが、とにかくこのもどかしさを伝えたくて懸命に口内を舌で蹂躙した。

 次第にネネの鼻息が当たりなるほど鼻で呼吸しながら続けるのかと、舌が答えてくれるようになり舌だけでのコミュニケーションも教えてくれた。


 途中からネネが腰砕けになっても体を支えてベロチューを続け、支えられてても完全に立ってられなくなるまで止めなかった。

 力のちの字もなくなったネネをマットレスに横たえると覆い被さって確認を取る。


「ネネ、お互いの初めてを交換してお前を俺の女にする、一生大切にするから離さないから、俺についてこい」

「はい、私ネネは、今からシバ君に初めてを捧げて、シバ君の女になります」

「行くぞネネ!」

「はい、シバ君、来て! 私の初めてを奪ってください!!」


 △△▽▽◁▷◁▷


 今俺は風呂につかり賢者となっている。

 部屋のマットレスには恋人の2人があられもない姿でダウンしている。

 あの後隣で見ていたエルネシアに、終わるまでが初めてだから、今一緒にしたらエルネシアも俺の初めてをもらえるぞ、そう言って湯だった頭に考えさせずに巻き込んで……

 回復で傷が塞がり痛まなくなったエルネシア。

 初めて大切にされながらの行為で感極まっていたネネ。

 そして散々愛と言っていたのに行為中は性なる獣になっていたかもしれない俺。

 ふっ、2人には大回復と状態回復と浄化しといたから……


 おっと、思いだしたら臨戦態勢に。

 日はまだ昇っている。

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