5-2 水着で煩悩抹消実験とか笑う

 スクール水着っぽい白一色のワンピース。しかもひらひらしたフリルが付いている。まるで女児用水着だが、それがなにカップか知らんが超絶巨乳の天使体型をくるんでいて、清らかなエロスを放出している。


 しかも黄金の髪に、燃えるような赤い瞳だ。これはもう膝を折ってかしずき、頭と言わず背中と言わず踏みつけてもらうしかない――などと、自分でも知らなかったM属性が目覚めるほどだ。


「だめね直哉は。ほっとくとまた鼻血出すに違いないわ。さっさと遊びましょ」

「はーい」

「待て。俺を置いてくなっての」


「昇天修行」を言い訳に、三人はここぞとばかり遊びまくった。


「あっクラゲ。刺されるぞ」

「いやっ怖い」


 すぐ脇をでたらめに指差すと、ティラが抱きついてくる。大きな胸が、胸と腕に押し付けられた。腕は体に回され、ぎゅっと締めてくる。こんなん、思わず抱き寄せちゃうじゃん。


「……露骨ねえ、あんた」


 大きなフロートマットに寝そべってぷかぷか浮かんでいる古海があきれる。


「それより日焼け止め塗ってよ。背中だけ塗れてないから」

「ここでか?」

「そうよ。はい」


 マットの小物入れからボトルを出して投げた。


「人使い荒いなあ……」

「当然でしょ。直哉はあたしのものだもん。もうすぐ使役するんだから」


 ごろんと反転すると、うつ伏せになった。


「まあいいか。……背中だな」

「そうよ」


 日焼け止めを背中に垂らした。


「ビキニの紐ほどいてやろうか。汚れちゃうし」

「余計なことすんな」

「はいはい」


 背中に手を置いて、ローションを塗った。どこまでも柔らかいティラの体とは異なり、古海の背中は奥が硬く締まっている。スレンダーだし、まだ中学生で発育途中ということだろう。肩、背中、ウエストと進んで、ビキニの紐の下にも手を回して塗ってやる。


「そうそう……うまいじゃない。塗りムラは嫌よ。焼けるから」

「へーい。ご主人様」


 手にローションを垂らすと、ウエストの横から上に塗り伸ばし、脇の下まで広げた。ビキニのトライアングルすぐ脇まで。さすがにそのあたりは触り心地が「境界地帯」で、思わずコーフンしちゃうがな。


 ――くわー。俺もう死んでもいいかも。って死んでるんだけど。


 自分にツッコミを入れながら祈った。鼻血が出ませんようにと。


「太ももの裏も塗ってやろうか。ついでだし」

「う……うん……。お、お願い」


 妙に素直なので、俺様のエロパワーに火が着いた。太ももの裏側、膝の裏、そして水着寸前まで攻める。内側は少し柔らかい。


「く、くすぐったい。い、息が。いやっやめて。あっ!」


 鼻息が太ももの付け根に当たってらしく、もじもじした。そのまま態勢を崩して、フロートマットから転げ落ちてしまう。とっさに支えてやったわ。まあ抱きかかえる形にはなったがな。しょうがない。これも人助けだw


「あっありがと……」


 俺の首に両手を回したまま、古海が礼を口にする。


「――って、あんた、どこ掴んでるのよ」

「えっ?」


 俺の右手は古海を抱え、右胸をしっかりと掴んでいる。左手は左足だけをなんとか救ったので股の間を通っており、付け根に食い込む状態だ。まあいいだろ、緊急事態だし。


「放しなさいよスケベ」


 暴れたので、なおのこと両方食い込んだりして。


「よせ、暴れるなって。あっああっ」


 そのままバランスを崩して、古海を抱いたまま海に倒れ込んだ。


「はあー。海に落ちた虫さんみたいですよ。ふたりとも」


 ティラが笑っている。うるさいな。今煩悩的にいいとこだったんだから邪魔すんな。


「もう。あんたのせいだからねっ」


 俺を睨んで、古海が腰に手を当てた。


「古海、お前……」

「えっなに? ……あっ、いやっ」


 古海が胸に手を当ててしゃがみ込んだ。顔の脇を、ビキニのトップがぷかぷか流れてゆく。


「み、見たでしょ」

「いや、見てない」

「嘘っ」

「ほんとさ。一瞬だったし。色もよく――」

「見てるじゃない。くそっ殺してやるから」


 トップをばしゃっと掴むと、後ろを向いてあたふたと水着を直し始めた。


「俺はもう死んでるって。お前も言ってただろ」

「それでも殺してやる。殺して、それから蘇らせて、一生私の世話させてやるから」


 後ろ姿のまま毒づく。


「一生だっこして欲しいんだな」

「ちっ違うわよ。こっこのド変態」

「あー今日はずいぶん解脱に近づいた。美少女天国は近いな」

「地獄に落ちろ」


 水着を直し終わった古海が飛びかかってきた。思わず笑いながら、俺はティラの後ろに回り込んで巨乳を盾にする。


「あーれあれあれあれーっ」


 盾にされあちらこちらと振り回されたティラが、目を回して倒れ込んだ。

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