第15話『父との遭遇』
俺とストーカーの二人は奥の部屋に通された。その部屋は豪華絢爛であり、まるで城に居るかのように思わせるものであった。
部屋の中央には白く脚にまで装飾が施された長机が置かれている。一般階級でこれ程のものがあるとは驚きだ。俺はそのうち兄らを連れて来てみようと思うのだった。
上座には先程の男性が座っていて、当然玉座に座る父程ではないのだがそれなりに威厳が見られた。男性は重厚な口調で「貴方様の御名前は何かと……」と聞いてくる。
俺は「私はノア・アルノルトです」とお返しとばかりに少し威圧をしながら返事をした。
男性は「ふっふっ」と笑ったかと思えば、急に俺に近づいて「ノア!会いたかったぞ〜」と抱きついてきた。
当然のように俺も、キーラにアーラも困惑した表情を見せた。驚いて当然だ。良い年したオッサンが急に未だ幼少な男に抱きつき、さっきとは全く別の声を出しているのだ。側から見たら気持ち悪いったらありゃしない。
散々抱きしめ、撫でまくり、頬を擦り擦りとして満足をしたのかは分からないが、男性は朗らかな笑顔を見せながら「申し出るのが遅くなってすまない。フリッツ・アルノルトだ。これでもアルノルト商会のトップを務めている」と言って手を差し出してきた。俺は驚かざる負えなかった。
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フリッツ・アルノルト…年々業績悪化しつつあったアルノルト商会を若干二十四歳で継ぐと手腕を発揮して、現在三十七歳になった今もその手腕を発揮し続けている商界のトップオブトップだ。そしてノア・アルノルトの父という設定である。
現在妻は三十歳で十四歳になる長男を持つ。長男は身体があまり強くなく自信に乏しいという…今回はそれを利用して隠し子のノアを呼び戻したという設定である。
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俺は驚いたように装い「ノア・アルノルトです。父上初めまして」と軽く挨拶した。
フリッツは頷き、ニヤケながら「十歳になったばかりであるのに、美少女二人を侍らすとは流石私の息子だ!」と言いやがった。この男どうしても何か嫌な予感がする……
それと同時に起こったのはキーラとアーラの驚きから生まれた悲鳴であった。
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『彼女をレンタルしたらモテるようになってしまった件』がこの作品を超える星、フォロー数を頂いています……私この作品もしっかり書いていく所存です。今後ともこの作品をお願い致します(懇願)
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