第14話『再び飯は遠退く』

待つ順番が八組、六組、三組と次第に俺の出番が近づいていた。この間一切キーラらの乱入があるということはなく、ゆっくりとゆっくりとこのレストランの雰囲気を楽しむでいた。


前に待つのが一組となり、俺の腹も空いてワクワクした気持ちが抑えられなくなっている。可愛いウェイターがやってきて前に待つ組が店の奥へと消えてゆく。あぁもうすぐで俺は素晴らしい食事に……腹が減ったなぁと感情に浸っているとその時レストランの扉が勢いよく開いた。


その扉の奥に立っていたのは、キーラとアーラであった。その姿を見たとき、俺は己の額から一粒の汗が滴り落ちたのが分かった。確実にこのままでは店に迷惑をかける、そう俺の直感が言っていた。そしてやはり俺の思っていた通りになった。


「にゃぁぁぁぁぁあ!!!やっと見つけたにゃ!なんで待っていてくれにゃかったのにゃぁぁあ!」


「ちょっとキーラ…お店なんだから声を落として……」


キーラが甲高い声で叫ぶのを諭すようにアーラは小声で声をかけていた。どうやらアーラはしっかりと心掛けの出来る素晴らしい娘らしい。少し彼女への評価が上がった。それと同時にキーラの評価は下がった。


「アーラごめんにゃ……でも貴方様には答えて欲しいのにゃ。私たちを連れて行ってくれるって約束した筈なのにゃ」


「いやぁ……ねぇ〜〜その……あれは流れで言ってしまっただけだからさぁ……」


キーラの言葉に必死になって答えると、キーラは目に水分を溜めた。またこの展開か!?それはつい頭を抱えそうとなる。


「一名様でお待ちの、ノア・アルノルト様は〜」


俺の窮地を救うかの様にウェイターさんの声が響いた。


「はい、私です」


俺が返事をすると、先程の可愛いウェイターさんとは別人なもののロリ系の愛らしいウェイターさんは、少し困った表情を見せて……


「あの〜お客様。三名様でお待ちでしたら今一度名前を書き直してお待ちいただく他にございません」


えっ、それは…俺は最悪の事態を想像した。


「いや……その私一人ですの「違うにゃ!私とキーラも一緒にゃ」


キーラは俺の言葉に被せて否定をした。(ふざけんじゃねぇよ!お前これどうしてくれんだよ!お前のせいで俺の飯が遠退くじゃねーか)と俺は心の中で叫んだ。


俺らの様子を見ていた他の客らは何やってんだあいつら…という目で見てきたり、「五月蝿いぞ!」「さっさともう一回待ちなおせ!」「お前らこの店に来る態度じゃねーぞ」と非難茫々である。


最後に言った奴『お前一番態度悪いって言われてるぞ』絶対。基本的にこうやって非難するものの方が悪いと言われるのは世の定石である。


流石に俺への分が悪くなってきただろうか……俺は大人しく身を引くこととした。やっぱり俺一人で食べようとす?ことはダメみたいですね。折角もうすぐでありつけた食事はまた少し遠退く事が確定した。









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傷心のまま俺が座席に座ろうとすると、徐に扉の奥からダンディーな男性が歩いてきた。


ダンディーな男性はロリのウェイターさんに声をかけると何名かを引き連れてそのまま店の奥へと入っていくのであった。


それから直ぐのことであった。ロリのウェイターさんが俺に声をかけてきた。


「お客様、其方の方々と共に付いてきては頂けますでしょうか?」


「分かりました……」


少しだけ元気のない声で返事をした。流石に元気のある声を出すことは出来なかった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



驚きのことで、1000pvを超えることができました。まさかこれほどにも多くの方がこの作品に目を通してくださっていることに感激いたします。この作品を同時に連載している小説家になろうも合わせると約6000pvにも昇ります。この作品まだまだ未熟、粗く、そして可笑しい、つまらないと感じる部分、とても多く有るとは思います。しかしながらしっかりと書き、そして完結を目指していきたいと思っております。今後ともどうぞ応援の程よろしくお願いします ( *・ω・)*_ _))ペコリン

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