第6話『三人組に絡まれた』

「おい、お前一人の様だな」


声のした方へ目線を向けるとニヤついた顔の男が三人立っていた。


なるほど短剣を挿しただけの、青髪のな上等の服を少年が一人で並んでいると勘違いしたのか……いやたしかに間違ってはいないのだが、こいつらは力の差というものが理解できなかったのだろう。


俺に絡んだ時点で彼らの運命は決まった様なものである。その行き着く道とは一言牢獄だ。絶対に逃れることなど出来ない……


そんな運命を知らない男共は、「お前金目のものを出せよ、命が欲しければなぁ」と煽ってしまった。


一方俺は正直に言ってうんざりとしていた。人目のつき、今すぐにでも兵士がやってきて捕まえてくれるはずだ。


そんな事を考えている間にしっかり、複数人の兵士達がやってきた。このまま兵士達はこの面倒な奴等をさっさと引き取って……くれなかった。


あの三人組が兵士達に賄賂を渡した事は直ぐに理解できた。何故賄賂を渡してでも俺にちょっかいをかけたがるのだろう?


……実際ユノユートは見るからに上等の服を着ている。これはユノの初歩的なミスであり、完全に『どうぞ襲ってください』と見られる程であった。


この世界は盗賊は普通にのさばっており、比較的治安が良いとされるアーレント王国であっても例外ではなかった。


しかも当然禁止されている筈の賄賂であっても、さっきの様に公然の秘密として、見逃されてしまっている現状である。


因みにあの兵士達であるが、ユノユートの告発によって免職の後、罰金の払えなかった者達は全員例外なく奴隷落ちした。やはりユノユートには慈悲など無かった。


賄賂を渡し、兵士達が立ち去るとリーダーとみられる男が声を発した。


「さぁ金目の物を出せよ。そしたらい・の・ちは取らないでやるよ」


リーダーと思われる男だけでなく、他の男もキモいほどにニヤついた顔をしている。どうせ命という部分を強調しているが、金品を奪った後は奴隷としてでも売るのだろうか?


「断る」


俺は絡まれる前のワクワク感を消され、そして対応するのも面倒だったからか、一言言って済ませることにした。どの道後で逮捕するから、今相手する必要などないわけなのだから。


その対応に増す増す怒りが増長したのかは分からないが、リーダーの男は唐突に抜剣し切り掛かってきた。


剣先が……俺を切り裂くことはなく、すこしばの青髪が宙を舞っただけであった。


俺は男を睨みつつ鳩尾に一撃、目にも止まらぬ速さで打ちつけた。男は一瞬何が起こったのか理解できない様子であったが、自分の少しばかり凹んだ鳩尾を見つめると、口から泡を吹いて失神した。


他の二人はどうするべきか、少し悩んだ様だが結局抜剣し斬りかかり、先程の男と同じ末路を歩んだ。





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短くて申し訳ありません。頭で考えている事を文章にするのがなかなか難しく、最近は調子が良くない為あまり量も書けず、更新ペースも遅くなってしまっています。週一度の更新だけはやっていく所存です、今後とも応援のほど宜しくお願いします。

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