第1話 おぎゃぁああああ


イ、イケメンに…イケメンがぁぁああ!!


はっ!

こ、ここはっ!?

見慣れない部屋で、なんか知らない人たちに覗かれてる。


「うふふ、私のかわいい坊や。目が覚めたのねー。気分はどうかしら?」


あぁ、知らない人ではない、この人はお母さん、そう、お母さんだ!と思う!多分!なんか違和感あるけど!


おかぁさーーーん!

「ヒャーイ、アブゥ」


ん?あれ、おかぁさん!おかぁぁさーーん!

「キャイ!キャウー」


んん?あれれ??


「うふふ、ご機嫌ね~。そうよー私がお母さんよ~」


あ、通じてる。なーんだ大丈夫そうだわ。


「お前のことを呼んだのか?おはようって言ってるんじゃないのか?」


何言ってるんだこのイケメンは…って、こっちはお父さん!かな…

お母さんとお父さんってこんなだったっけ?


「何言ってるんです、あなたは!今私に向かっておかぁさーーんって言ってくれたんですよ。ねー?」


うん、どうでもいいや!わーい、お母さん!そうだよーー!

「キャキャキャイ!アブゥ、アブゥ」


んんん!?やっぱこれ話せてなくね?

って、ここはどこだ!?

僕は確か…確か…


「あら、どうしたのかしらむずかしい顔してるわね?おなか減ったのかなぁ?」


「お、おい、大丈夫なのか?こんな顔初めてみるぞ?」


「もう心配性ですね。初めての男の子だからって!もう2人も子育てしてるんだからこれぐらいうろたえないでください!」


「で、でもなぁ」


「ほら、もういいから、早く仕事行ってきてください!」


「あ、あぁ、もうそんな時間か。行ってくる!」


「はい、行ってらっしゃい。ほらーエミリア、マリア、お父さん仕事に行くからお見送りしなさーい」


「「はーい、行ってらっしゃーい、お父さーん!!」」


「おう!行ってくるぞ!今日も森の平和は父さんが守ってくるからな!」


そうだ!確かイケメンにしてもらえるって言われて、転生したんだ!!うんうん。

…うん、そうですね、違うね、イケメンになれないって言われてそのまま来世に送られたんですよね~。うぅん。

でも、前世の記憶があるって言ってもどんな感じなのかと思ったけど、赤ん坊のころから意識ははっきりしてるんだな。


…あれぇ、なんか出そう、我慢できない…!!

ふぅ、すっきり!


「あら、難しい顔からこんどはすっきりした顔になりましたねー。おしっこしたのかしら?」


やだなぁ、僕がおもらしなんかするわけな…なんか股のところが気持ち悪い…

う、なんだろう…なんか…


「あらあらあら、あー待っててねおしめ変えてあげますからね~」


こ、これは…

「おぎゃぁああああ!!」

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