9 墨笛

 カニタマウンマイウンマイ村で、特に栄える上ウンマイは家が多い。ではそのすべてに人が住んでいるかといえば、それがそうでもない。古道に沿う形で空き家が非常に多く、特に駅前の一帯はさながらゴーストタウンである。

 村の入り口でありながら忘れ去られた時のとまった場所……のはずが、今宵こよいはここに一匹、妙ながいた。ガラクタが散らかる一室で、冴えた月の映る天窓を見上げながら、一匹の神祇が沈黙していた。

 トルネードのように下に向かうにつれて細る、回転しながら浮かぶ渦巻いたマント。その上に一斗缶がポツンと乗っているだけの姿。単純極まりない風情のこの神祇は「ラウム、エンヴィー、オーク、グラトニー、ファイトラビット……」とつぶやくと、頭の一斗缶を振って机を叩き割った。怒りをあらわにした頭突きである。

「あのクソババア……神を呼んだか」

 クソババアとは村の占星術師アンのことであろう。

「村の土着信仰神。しょせんは偶像の土着信仰神。だが、神だ。危険すぎる。あのババアを殺さねば」

 おもむろに一斗缶の神祇は両肩を盛りあがらせて、叫んだ。

「オメガドラゴン、ここにいでよ!」

 朽ちた木の床に魔法陣が光芒こうぼうを立ちのぼらせて広がった。回転する輪のなかには文字列や記号が並び、五芒星ごぼうせいや歯車のような丸の模様を浮かべている。召喚術演算である。

 その中心から、ズズと岩石のようなうろこを緑に輝かせ強靭きょうじんな牙を生やしたドラゴンが這いずりでてきた。

「アン=オットーを殺せ」

 指示をきいて、オメガドラゴンは爬虫類特有の眼を拡散させると、翼を広げて飛びあがった。強風が巻き起こる。ガラクタが飛ばされ、家具が倒れた。

 ドラゴンはそのまま浮いて、天井のなかにすうと消えてしまった。


 アイスマンとブランドンが、ルーチェを招き入れた場所も空き家であった。生活圏のなかに平然とあった神祇側とは違い、上ウンマイの西端、山のなかにある大きな空き家である。

 ボロボロの土塀に囲まれた敷地内には、ぼうぼうに草木が伸びた中庭があり、そこには魚のいない腐った水の池もある。アイスマンは、それらをのぞむウッドデッキの廊下にあぐらをかいて、ブドウ酒をちびちびと飲んでいる。

「上ウンマイ西世話役の旧家ですね」

 彼の座るうしろの部屋から、会話が漏れる。

「へえ、そうだったのかYO。たまたま見つけて、一時的な隠れ家にするにはいいと思っただけなんだけどYO」

「昔は上ウンマイと中ウンマイ、それぞれ東西に二家の世話役を置いていたんだそうです。そういう役職は解体されちゃったみたいですが」

「人が減ったんだろうなぁ」

 正座するルーチェとあぐらをかくブランドンが向かい合って話している。

 夜の虫の声が、静かに響いている。

 どぱっどぱっとウイスキーを湯呑み茶碗につぐと、ブランドンはそれをルーチェに突きだした。

るかYO」

「いえ……結構です」

 予測したとおりの返答だ。単純に自分だけ酒をあおるのは悪いから、念のためにきいただけだった。湯呑みを戻し、一杯あおって、またどぱどぱとそそぐ。

「グラトニーとファイトラビットは祇神。沼でYOUを落としたのも祇神、あれはエンヴィーっていう奴だYO」

「沼のも? なにかにつかまれて、投げられた感じでした」

「仕留めたYO」

 高かったサングラスがひとつダメにされる、出費の大きい戦いだった。

「神祇がわたしやイチヨを狙ったのは、なんでなんです」

「こっちがききたいくらいだYO。そこがわからんのだYO。覚えは」

「ありません」

 ウイスキーを流しこみ、湯呑みを置くとブランドンは固まった。なにかしらの手がかりを彼女に求めていたのだが、ここまできっぱりと否定されてしまうと立つ瀬がない。

 ルーチェは様子をうかがうように、まっすぐ彼を見ている。その眼差しは、彼にひとりの女を連想させた。

発端ほったんは、一か月前に町で殺されたリヒという女性だと思ってるYO」

「リヒ……」

「そこから、神祇の情報が急速に増えたんだYO。それまで少なくとも、あの近辺に神祇の影はなかった」

 疑念深い言い方である。

「リヒって女性、知ってるかYO」

「……知って、ます」

「きかせてくれYO」

「……」

 思うところがあるのか、ルーチェは口を閉ざしてしまったが、ブランドンはかそうとはせずに、ふたたびウイスキーをそそいだ。

 周期的に、一定の間隔で鳴く虫の声が五度鳴ったあたりで、意を決したようにルーチェが話しはじめた。

「先生。エントレー先生の元教え子で……わたしも先生の家で会ったことがありました。綺麗な人です、とても。優しくて、明るくて。リヒは、先生をとても尊敬してたし、よく慕っていました。親と仲が悪くて、代わりに先生がいろいろ助けてくれたって話してくれました……リヒは先生のこと、好きだったんだと思います。先生だって、リヒさんには……わたしに見せない顔をたくさん見せてました」

 うつむいて、握ったスカートのすそをルーチェは一点に見つめている。

 ブランドンがトントンと机を指で叩いた。ルーチェが顔をあげた。別のところに集中した感情を、元の場所に戻すための行為だった。

 リヒがエントレーと親しかったこと、そこにいわゆる恋慕れんぼと形容してもいい感情が介在していたことは彼も承知していた。そして目の前の彼女もそうであるならば、これは無視できない共通項だった。

「おれたちはその接点を追って、ここにきたんだYO。祇神たちがこの村に動いてるとつかんだおれたちは、リヒが懇意こんいにしてたエントレー先生に目をつけた。だから、彼の授業を視察しにいったんだYO」

「じゃあ、なんでわたしのほうについてきたんです」

 沼の清掃のことだ。

「別に。沼なんて怪しい場所、なにか起こりそうだったから」

 リヒと関係深い教師とその教え子の距離感を、情報収集の早い段階から彼らは警戒していた。追跡対象を確定するための授業視察であった。

 アイスマンは、エントレーと仲のいい男性教師を見るために視察したが、そちらはどうやらシロだったようだ。

「それだけで?」

「YES。でもYOUは襲われた。そして先生のほうも」

「先生が襲われたんですか。そんな話きいてない」

 ルーチェが机に上半身を乗せて、前のめりになった。

「襲われたのはアイスマンだYO。これで襲われたのは、先生を慕う女子生徒と兵士。そして先生と同じ村に住むイチヨ」

 ひとりでブランドンは襲撃を受けた人間を羅列した。明らかにエントレーが軸だが、彼は襲われていない。神祇の目的がつかめないのは、そこにあった。なぜ、彼の周囲だけを狙うのか……

 ゆっくりとルーチェが引いて、正座の姿勢に戻った。

「そもそもおかしいんだYO。先生となじみ深い人間は襲うが、一般人は襲わないってのが。神祇は衝動的で、もっと暴虐なはず……アイスマンを襲ったあたり、神祇は監視してる。なにかの目的がある。それがなんなのか……ややこしい事件のにおいがプンプンするYO」

「それなのに、なんで送りこまれたのが、ふたりだけなんですか」

「……それが総国兵団長の命令だからだYO。中級兵士の墨笛ぼくてきであるおれたちに一任して、村兵たちをさがらせた」

「墨笛って?」

「平たくいえば、隠密だYO。兵団の階級は、四つ。総国兵団長を筆頭に、全国三大陸の各国を取り仕切る国兵長たちが上級、兵長や副兵長や墨笛で構成される中級、一般兵士と武器製造の武装連で構成される下級。今回の件みたいなのには、おれたちみたいなのがいいという総国兵団長の判断だYO」

 兵団長じきじきの命令だということを、彼は話しながら再認識していた。

 失敗は許されない。


 アイスマンとブランドンが全兵団の中枢となる、王都兵団庁パスピエに呼びだされたのも、おおよそ一か月前のことだった。

 壮大きわまる城壁を抜け、広大な庭を抜け、なかに入る。ウミ王城に負けず劣らずのきらびやかなホールがふたりを出迎えた。

 階層を渡る上下に動く機関仕掛けの箱、アサンセルに乗りこむと、操縦士の女がうやうやしく一礼してきた。

「何階へおいでですか」

「最上階、キドーの部屋」

「かしこまりました」

 ドアの横にごちゃごちゃと取りつけられたスイッチを何個か押して、操縦士が重そうなレバーを引いた。張りめぐらされた配線の下で歯車が回転し、アサンセルが上昇しはじめる。

 アサンセル操縦士は女性のみに許される仕事であり、精密な操作技術と膨大な量のマニュアルの記憶を求められる上級職である。王都や機械都市といった、大きく発展した場所でしかお目にかかれないこの仕事の堅実さに毎度、舌を巻く。

 ブレーキレバーを操縦士が引いた。アサンセルはゆるやかに減速して、ピッタリと最上階に到着した。停止が少しでもズレると面倒なことになるのだが、さすがに兵団庁お付きの操縦士とあって、完璧な操作だった。

「パスピエ最上階、総国兵団長室でぇございます」

 ドアが開く。大理石の廊下がまっすぐに伸びている。絵画や石像を横目に歩いた先に門がある。その先が総国兵団長マクソホン=キドーの部屋である。

 ここまで、ふたりはまったく口をきかなかった。ブランドンは生ぬるい汗をぬぐって、門を二度ノックした。

「どうぞ」

 門が開かれた。

 赤い絨毯の中央にソファと大理石の机。王都を見渡す壁一面の窓を背景に、長机と玉座のような椅子だけが置かれているだけの殺風景な部屋。

 数歩進み、門が閉じられたあとにブランドンは一礼した。チラと横を見る。アイスマンが礼をしていない。やめとけ、礼儀正しくしろ!

「やあ、よくきてくれたね。座りたまえよ」

 美しい女が、玉座に腰かけたまま柔和にゅうわにいった。

 国兵長たちの勲章くんしょうが光る威厳ある上級兵服と違って、彼女の服は地味だ。清潔感と気品が漂うスレンダーな黒のレディーススーツ。白のシャツと黒のネクタイ。

 仰々ぎょうぎょうしい勲章やメダルこそいっさいつけていないが、総国兵団長の証であるルドベキアの花を模した金色のバッジだけが胸についている。ルドベキアの花言葉は正義、公平。兵団のシンボルでもある。

 彼女こそが兵団の頂点に立つ最強、マクソホン=キドー。

 相方のせいで急変した心拍数をなだめつつ、ソファに座る。大理石の机の前にブランドンとアイスマンは向かい合った。アイスマンが足を組んでいる。やめとけ!

 キドーは玉座に座ったまま、ふところから取りだしたタバコをトントンと机で軽く叩いて、フィルターに葉を詰め寄せた。

「神祇被害だ」

 ファイルが机の上に投げこまれた。リヒの顔写真と被害状況、彼女の経歴などが、開かれたページに書かれていた。

「……俺様にやらせていい仕事じゃねぇ」

 アイスマンがとげとげしく、キドーにいった。言い方!

 だがブランドンもほぼ同じことを思った。

 墨笛は、ただの事件に出動したりはしない。策謀を練る悪党にまぎれこんで情報をつかんだり、容易ではない神祇の動きに対応するために送りこまれる影の軍団なのだ。神祇に人間の一般女性が殺されたのなら、下級兵士があたるべき仕事であるというのが彼らにとっての常識であった。

「うってつけだよ」

 礼装用の純白手袋に包まれた手が、怪しく紫色に輝く石の灰皿にトンと灰を落とした。

「捜査にあたった町の兵士から入った報告によると、相手は神祇の一団らしい。深入りしたことで彼らも何人か襲われたとさ」

「群れて行動してるってのか? 珍しいな……」

「序神祇以上の格上や召喚士でもいるんじゃないのかい」

「まさか」

 唾を呑みこんで、ブランドンがつぶやいた。

 神祇が意思を持って一団として動くということは、それを統率する者が中心にいると見て間違いはない。それを可能とするのは上位格神祇たち、神祇を使役できる実力派召喚士という線が濃厚だ。

「かなりのスピードで目撃情報が西に動いて、カニタマウンマイウンマイ村でとまった。いま目撃情報はこの村に集中していて、村役場や学校から村兵に警戒要請がきている」

「捜査はさせてねぇだろうな。そんなド田舎の村兵じゃ返り討ちに遭うぜ」

「もちろん。でもねぇ、あの村には上の命令をきかないヤンチャな副村兵長がいるんだよね。たぶん調べてはいると思うよ」

「だったら急いで向かったほうがよさそうだYO。下手に村兵が動きはじめたら、犠牲が増えるだけだからYO」

 いっておいて、ブランドンは不安いっぱいにキドーを見た。ふたりでやるには大仕事、そんな予感がプンプンする。

「ボクたち兵団の手のうちをこの事件では、あまりさらけだしたくない」

 キドーの細長く、いまにも噛みつきそうな眼がさらに細められた。

「と、いうと?」

「ボクの見立てでは、この一連の裏にもっと大きななにかがいる気がしてならない。だから墨笛に仕事を仕上げてもらおうってね。なに、キミたちで事足りるさ。命を賭けてもらうことにはなるだろうけど……それは絶対正義の誓いのもとでは小さなことだろう」

 その言葉に、ふたりは押し黙ってしまった。優しげに突き放すキドーの言葉によって、すさまじい重圧がのしかかったからだ。

 タバコを灰皿に押しつけると一息、紫煙しえんを吹いて、キドーが立ちあがった。

「うしろを叩けとはいわない。当面の問題だけをきっちり始末してくれ」

 そっとキドーはアイスマンの横に座った。

 彼の肩に手を回して、肩を叩いた。ゆっくりと、ゆるやかな軌跡で叩く。叩く瞬間だけ力強く、何度も。にっこりとした笑顔で何度も彼の肩を静かに叩く。キドー特有の「任せた、期待しているよ」の儀式であった。

 アイスマンのこめかみに青筋が浮かんでいる。彼はすべてのヒエラルキーの頂点に、自分を理由なく置いているところがある。自信過剰なフリをするバカではなく、本気で自分に心酔できるバカであった。

「このアマぁーッ!」

 アイスマンの肘が振られた。キドーの顔面を叩き潰す勢いだ、遠慮がない。

 が、その不意打ちはキドーの頭上で空を切った。アイスマンがその場に起立していた。みずから立って、不発に終わらせたのだ。

「ああ?」

「キミは怒りっぽくていけない」

 キドーが腰をあげようとするのを見計らい、アイスマンが蹴りをひらめかせた。座位の不利は明らかであり、体勢的にはアイスマンのほうが有利……仕掛けるにはベストのタイミングに思えた。

「ッ!」

 外すはずのない間合いで、またも攻撃は標的キドーに当たらず、むなしく空振った。勢いのままにアイスマンが空中で回転しながら、床に頭から落ちた。ピクピクと四肢ししを震わせている。

 これは果たして、キドーの反撃だったのだろうか。ブランドンから見る分には、アイスマンが怖気おじけて勝手に自爆したようにしか見えなかった。

 得体は知れないが、中級兵士になにもさせない実力は総国兵団長の名を語るにふさわしく思えた。

「くれぐれも油断しないように」

 銀色の髪をかきあげながら、キドーがいった。


 木の床を踏んで、アイスマンが部屋に入ってきた。丸メガネをくいと押しあげて座りこむ。

「どうして……」

 ルーチェは震えていた。

「どうして、わたしたちなの……」

 どこか遠くから仲間を増やしながら歩いてきた連中の目的は、つかめない。憶測だけでなにもわからぬにせよ、つまり彼らはカニタマウンマイウンマイ村を最終地点に定めたらしかった。リヒの殺害以降、ただ歩いていただけの彼らが、ここでついに牙を剥いたのだから、疑問を持つのも当然である。

「知らんけど。俺様がいるから大丈夫だろうな、まず間違いなく。すでに神祇どもは俺様を恐れはじめている気がする」

 そっとアイスマンがルーチェの隣に座り、肩を抱いた。

「どうなるの……わたしたち……」

「安心しろYO。ここで奴らの旅が終わりなら、そりゃ逆にこっちが攻める隙もできるってこと」

 欲をいえば、もう少し隙を与えてほしかった。自分たち以上に神祇のほうが密に動いているのも問題だが、どうにも取り入れない断絶が自分たちと神祇の間にあるように感じていた。

「俺様は強すぎるぜ、これはマジ。マジだよ、マジ。付き合わねぇか」

「やめてください」

「アイスマン、やめろYO。もうたないんだからおとなしくしてろYO」

「プラトニックな話をしてるんだ、ふたりで満月を見ながら――」

「やめてください!」

 強烈なビンタがアイスマンの頬に飛んだ。

 赤くなった頬を手で押さえ、しばし呆然としたのち、みるみるうちに顔を真っ赤に沸騰ふっとうさせて、

「ブランドン、この女ぁ邪魔だから家まで送ってやれや! 俺様は先生のところにいってくるからよォーッ!」

「急いだほうがいいYO」

「わかってるァ! 俺様はわかってることを他人に指摘されるのが、一番嫌いなんだよッ!」

 勝手に怒るアイスマンを無視して、ブランドンは中庭の暗い空を見ていた。

「急ぐって、なんで? 先生になにか……」

 胸に手を当てて、ルーチェが悲痛な表情をブランドンに向ける。

「悪の波紋は、悪をえがく。誰かの恐怖や不安、悲しみや憎しみが大気に溶けこめば溶けこむほど神祇たちはその力を増してゆく。誰の心にもある悪意を渡って奴らは大きくなる。奴らは人の天敵、心を持つ者にはめっぽう強い――……そうキドーが昔、話していたYO」

 信仰そのものが神であるというのなら、神の敵対者と伝えられる神祇たちが人の心をえさにふくれあがるのも必然であろう。

 そして、それはいまこの村において時間の問題になっている。なにかが脈動しているのを感じずにはいられなかった。

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